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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300327(T2009−300327/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2199662号商標(以下「本件商標」という。)は、「アトラス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和61年4月8日に登録出願、第11類「電子応用機械器具」を指定商品として、平成元年12月25日に設定登録、その後、同11年12月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

また、本件審判の請求の登録日は、平成21年4月9日である。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。

請求人が、本件商標の使用の有無を調べたところ、過去3年間において本件商標の指定商品「電子応用機械器具」について使用された形跡はない。請求人は、第9類の指定商品について、商標「ATLAS」を使用したく、商標法第50条第1項による不使用取消審判を請求するものである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。

1 本件商標は、通常使用権者である富士通株式会社によって、本件審判の予告登録(平成21年4月9日)前3年以内に日本国内において、指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」について使用されているものであって、商標法第50条によりその登録が取り消されるべきものではない。

2 指定商品「電子応用機械器具」について

(1)ユピテル工業株式会社(ユピテル工業株式会社は2007年10月に株式会社ユピテルに社名変更)と富士通株式会社とは、乙第3号証のとおり、平成17年10月24日付けで「コンピュータを使用した自動翻訳システムおよび関連機器」について本件商標の通常使用権許諾契約を締結している。

以上より、富士通株式会社は、本件商標についての通常使用権者であることは明らかである。

(2)本件商標は、上記1のとおり、片仮名文字「アトラス」からなる態様からなるが、以下に示すように、実際には英文字「ATLAS」が使用されている。ここで、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標については社会通念上同一と認められるところ、本件商標と以下の使用に係る商標とは「アトラス」と自然に称呼し、同一の「ギリシャ神話で、地球の西端に立って天を支えている巨人」たる意味合いを有するものである。

したがって、英文字「ATLAS」は、本件商標と社会通念上同一と認められるものと思料する。

(3)英文字「ATLAS」を付した「英日・日英翻訳ソフト」(以下、「使用商品」という。)は、通常使用権者である富士通株式会社によって、同社の英日・日英翻訳ソフトATLAS V14総合カタログに掲載されているとおり使用されている(乙第4号証)。使用商品は、28分野557万語の翻訳用専門用語辞書を具えた英日・日英の翻訳用ソフトウェアである。本件商標の指定商品の「電子応用機械器具」には「電子計算機用翻訳プログラムを記録させた記録媒体」が含まれているので、使用商品は、「電子応用機械器具」に含まれるものと思料する。

上記総合カタログは、2007年11月付けとなっており、販売元として通常使用権者の富士通株式会社の販売を担当する関連会社の富士通ミドルウェア株式会社が記載されており、その下に通常使用権者である富士通株式会社の名称、住所、ホームページが記載されている。上記総合カタログの表紙には「ATLAS」「V14」と大きく記載されている。なお、「V14」は、ソフトウェア関連では「バージョン14」を意味するものであることは顕著な事実である。また、裏面には「ATLAS V14」の製品一覧が掲載されており、ATLAS翻訳スーパーパックV14、ATLAS翻訳スタンダードV14、ATLAS専門辞書(技術・ビジネス・医学)V14の他、これらのグレードアップキットとして、ATLAS翻訳スーパーパックグレードアップキットV14、ATLAS翻訳スタンダードグレードアップキットV14、ATLAS専門辞書(技術・ビジネス・医学)グレードアップキットV14がある。

(4)他の使用態様については、乙第5号証の写真に示すとおり、使用商品の個装箱の表面には「ATLAS」と「V14」が二段書きに、個装箱の横面には「ATLAS V14」が付されている。

また、2008年1月付け商品カタログにおいても大きく上段に「ATLAS V14」と記載されており、「ATLASシリーズ最高の医学向け翻訳ソフト」と記載されております(乙第6号証)。さらに、2007年7月付け商品カタログにおいても大きく上段に「ATLAS」と記載されており、「プロ仕様ATLAS翻訳エンジン」と記載されている(乙第7号証)。

さらに、雑誌に取り上げられた記事として一例を挙げれば、使用商品が雑誌「翻訳事典」の第117頁に翻訳支援ツールガイドの欄に「ATLAS翻訳スーパーパックV14」として紹介され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載されている(乙第8号証)。なお、当該雑誌に掲載されたデータは原則として2007年12月現在のものである。

2008年5月1日発行の雑誌「リーガルコム」(2008年5月号vol.9)の第80頁に「ATLAS 14 翻訳スーパーパック」の使用例が紹介され、また、別の頁では「ATLAS」「翻訳スーパーパック V14」と二段書きで書され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載された広告記事がある(乙第9号証)。

2008年11月1日発行の雑誌「リーガルコム」(2008年11月号vol.12)の第98頁に翻訳サポートツールとして「ATLAS翻訳スーパーパックV14」として紹介され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載されている(乙第10号証)。

さらに、雑誌に掲載の広告記事として一例を挙げれば、「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」とが二段書きで大きく掲載され、表面および横面に大きく「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」と二段書きで付された個装箱の写真が掲載された広告記事が、2007年2月1日発行の雑誌「日経ベストPCプラスデジタル」(新年合併号)(乙第11号証)、平成19年1月2日発行の雑誌「週刊アスキー」(2007 1/2)(乙第12号証)、2007年2月1日発行の雑誌「PC fan」(2007 2/1)(乙第13号証)にそれぞれ掲載されている。これらには開発元として通常使用権者である富士通株式会社が記載されている。また、乙第13号証には、お年玉プレゼントの頁に使用商品が挙げられている。

さらにまた、使用商品の販売に関連する取引書類の一例として、請求書(乙第14号証)によれば、「ATLAS翻訳スーパーパックアップグレード」として「お支払期日」を2009年1月30日にて顧客宛に請求している。請求書控(乙第15号証)によれば、「ATLAS/ステッドマン+ナンザンドウ 14」として検収日を2009年3月31日にて顧客宛に請求している。納品書(乙第16号証)によれば、「ATLAS/スーパーパック GU 14.0」として検収(引渡)日を平成20年11月14日にて顧客宛に納品している。

(5)以上より、本件商標は通常使用権者たる富士通株式会社によって、本件審判の予告登録(平成21年4月9日)前3年以内に日本国内において、指定商品である「電子応用機械器具」中に含まれる「電子計算機用翻訳プログラムを記録させた記録媒体」について使用されている事実が証明されている。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙各号証によれば次の事実を認めることができる。

乙第3号証は、本件商標等に関する平成17年10月24日付け富士通株式会社に対する通常使用権の許諾契約書であるところ、これによれば、被請求人は、富士通株式会社との間で、平成17年5月31日より平成27年5月30日までの間、本件商標を「コンピュータを使用した自動翻訳システム及び関連機器」に使用する旨を内容とする許諾契約を締結していたことが認められる。

したがって、富士通株式会社は、本件商標の通常使用権者である。

乙第4号証は、通常使用権者が2007年11月に作成した商品カタログであり、これによれば、「英日・日英翻訳ソフトATLAS V14総合カタログ」中の「製品一覧」に「ATLAS 翻訳 スーパーパック V14」「ATLAS 翻訳スーパーパック グレートアップキット V14 ●ATLAS 翻訳スーパーパック V8〜V13」「販売元 富士通ミドルウェア株式会社 富士通株式会社 東京都港区東新橋1−5−2」等の掲載が認められる。

乙第9号証は、バベル社が2008年5月1日発行の「The LEGAL.COMM」(2008年5月号vol.9)であるが、その第80頁には「翻訳支援ツール紹介」の記事中に「ATLAS 14 翻訳スーパーパック」の使用例が紹介され、また、第87頁には「ATLAS」「翻訳スーパーパック V14」「富士通株式会社」「価格134,400円」「機能一覧 英語-->日本語、日本語-->英語」が記載され、「ATLAS」「V14」「翻訳スーパーパック」の文字が付された個装箱の写真が掲載された広告記事が認められる。

乙第14号証は、富士通株式会社(東京都港区東新橋1−5−2)が財団法人日本特許情報機構宛に作成した請求書であるところ、これによれば、富士通株式会社が「ATLAS翻訳スーパーパックアップグレード」「検収日:2008年11月14日」「お支払期日 2009年1月30日」を内容とする費用の支払いを顧客に請求していることが認められる。

2 以上の事実を総合すれば、乙第4号証によって、富士通株式会社が本件商品に係るカタログを作成し、かかる商品の宣伝・広告に標章を付して頒布したものと推認でき、かかる商品が市場で取り扱われていたことは、乙第9号証によって裏付けられ、本件商品が実際に取引されていたことは、乙第14号証によって示されており、本件商標は、このようにして実際の取引で使用されたものと認められる。

そして、使用商品は、「英日・日英翻訳ソフト」といえるものであり、本件商標の指定商品「電子応用機械器具」に属する「電子計算機用プログラムを記録させた記録媒体」に該当する商品である。

しかして、本件商標は、「アトラス」の片仮名文字よりなるものであるところ、使用商標は、上記のとおり「ATLAS」の文字であって、ギリシャ神話における「天空を双肩に担う巨人 アトラス」を意味する英語であるから、本件商標と使用商標とは、称呼及び観念を同一にするものであるから、「ATLAS」の商標の使用は、本件商標と社会通念上同一の商標の使用であるというべきである。

以上の認定した事実を総合してみれば、被請求人は、通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を、請求に係る指定商品に含まれると認められる商品「英日・日英翻訳ソフト」について、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。

3 また、請求人は、平成21年6月22日付けの答弁に対して、何等弁駁するところがない。

4 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定によりその登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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