Trademark Appeal Case
相続コーディネートの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−510(T2009−510/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「相続コーディネート」の文字を標準文字で表してなり、第36類、第41類及び第45類に属する願書記載の役務を指定役務として、平成19年7月2日に登録出願されたものである。
そして、指定役務については、原審における平成20年9月25日付けの手続補正書により、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,企業の信用に関する調査」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供」及び第45類「法律相談」と補正されたものである。
第2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『相続コーディネート』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は『相続に関する全般的な調整』等の意味合いを認識させるにすぎず、また実際、その意味合いで普通に使用されているから、これを本願指定役務中、例えば、前記意味合いを目的・内容とする『土地の売買の代理又は媒介,税務相談,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,法律相談』等に使用するときは、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
(1)本願商標は、前記第1のとおり、「相続コーディネート」の文字よりなるところ、「相続」の文字は、「死亡した人(被相続人)の財産に属した一切の権利義務を一定の親族(相続人)が包括的に承継すること。」(広辞苑第六版)を意味する語として、また、「コーディネート」の文字は、「各部分を調整して、全体がうまくいくように整えること。服装などで、色・素材・デザインなどが調和するように組み合わせること。また、その組合せ。」(広辞苑第六版)を意味する語として、それぞれよく知られているところである。
そうしてみると、本願商標全体からは、「相続を調整すること。」程の意味合いを容易に認識させるものである。
(2)近年、様々な相続財産(現金、預貯金、債権、株式、不動産、車等)に関する手続を、それぞれの分野の専門家、例えば、行政書士、司法書士、税理士、土地家屋調整士等に個別に依頼した場合、情報の共有や連携が図れず、適切に相続手続ができないといった問題点が指摘されている。
そして、昨今、このような問題点を解消するため、司法書士事務所や不動産会社等が、司法書士等の各専門家間の調整を行ったり、相続手続をまとめて一手に引き受けたりといった総合的な相続の支援を行う業務を「相続コーディネート」と称し、また、これらの業務を行うための専門家を「相続コーディネーター」と称している実情がある。
このことは、例えば、別掲のインターネット情報によっても裏付けられるところである。
(3)そうしてみると、本願商標は、これをその指定役務中、総合的な相続の支援を行う業務に関連する役務、例えば「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,法律相談」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「相続財産に関する様々な手続について、行政書士、司法書士、税理士、土地家屋調整士等の専門家と連携し調整を図りながら行うことを内容とする役務」程の意味合い、すなわち、役務の質、内容を表示するものとして認識するに止まるものであり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務について使用するときには、役務の質を誤認させるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当するといわざるを得ない。
2 請求人の主張(要旨)について
請求人は、「相続コーディネート」の語は、請求人の造語であり、請求人がその語を取引界で最初に使用し始め、現在まで継続使用しており、新聞に広告を掲載する等の周知に努めてきたものである旨、主張している。
また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、確かに「相続コーディネート」が成語として辞書に掲載されていない語であるとしても、我が国においては、親しまれている語を適宜結合させて、一定の意味合いを表す用語として使用することはしばしば見受けられるところであり、本願の場合も、「相続」及び「コーディネート」の語は、いずれも親しまれた平易な語であり、構成全体からは、容易に「相続の調整」程度の意味合いを看取させるものであること前記のとおりであって、さらに、本願指定役務を提供する業界においては、前記1のような意味合いで、一般に使用されている事実も認められるものである。
また、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係における、その商品又は役務の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人の上記主張及び請求人の挙げた商標登録例の存在によって、前記判断は左右されるべきものではない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
3 まとめ
以上によれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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