Trademark Appeal Case
黒酢とカフェの結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−21040(T2007−21040/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「黒酢カフェ」の文字を標準文字で表してなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年9月29日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同19年9月25日付け手続補正書により、第43類「飲食物の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定において、「本願商標は、『黒酢カフェ』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、構成中の『黒酢』の文字は『米酢の一種で、玄米を主原料にした酢』の意味を、『カフェ』の文字は、『主としてコーヒーその他の飲料を供する店。』の意味を有するものであり、昨今の健康志向の高まりから、健康に良いとされる黒酢を用いた飲食物が人気を呼んでいることからすると、本願商標は、『黒酢を用いた飲食物を提供するカフェ』程の意味合いを容易に想起するものと認められることから、これを本願の指定役務中の『前記文字に照応する役務(例えば、黒酢を用いた料理・飲料を主とする飲食物の提供)』について使用するときは、単に役務の提供の場所、質を表示したものと理解されるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、平成21年11月4日付けの証拠調べ通知書をもって通知した内容は、次のとおりである。
この審判事件に関し、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知する。
記
(1)「現代用語の基礎知識2008」(自由国民社発行 2008年1月1日発行 1178頁)
「酢のバリエーション」の項目に、「ストレスの多い現代人のお役立ち素材として『飲む酢』の人気が定着するとともに、『酢』の売り方や種類にも、バリエーションが豊富になっている。外食では、『黒酢ラーメン』などのメニューや『黒酢バー』や『酢カフェ』などの酢の専門店」の記載がある。
(2)「現代用語の基礎知識2007」(自由国民社発行 2007年1月1日発行 1124頁)
「酢バー/酢カクテル」の項目に、「ブームにわく『飲む酢』はよりバリエーションが豊富となり、外食の分野にも参入している。『黒酢バー』や『酢カフェ』などの酢の専門店が次々に開店し、ダイニングバーなどでも酢のカクテルがメニューに加わっている。」の記載がある。
(3)「日本食糧新聞」(2009年4月10日付け)
「内堀醸造、酢の楽しみ方をアピール 桜のデザートビネガー販売」の見出しの下、「酢の選び方、楽しみ方の案内役“酢ムリエ”として活躍する内堀光康・内堀醸造常務。東京駅商業施設グランスタに酢専門スタンドカフェ『飲む酢エキスプレ・ス・東京』を出店し、酢の新しい飲み方を提案している。」の記載がある。
(4)「朝日新聞」(2008年8月14日付け、東京地方版 28頁)
「残暑にはお酢パワー 『おいしく、無理なく』を続けて /東京都」の見出しの下、「東京駅構内にある酢専門のスタンドカフェでは、果汁を発酵させたフルーツ酢を2、3種組み合わせた『デザートビネガー』が楽しめる。」の記載がある。
(5)「南日本新聞」(2007年11月9日付け、朝刊)
「企画[みなみのカレンダー]9日(金)」の見出しの下、「◇健康医学社創立40周年記念感謝祭(最終回)国分工場開放イベント 11日午前9時−午後4時、霧島市の同工場=0995(45)1400。黒酢足湯が特別価格(100円)で利用できるほか黒酢カフェバー内一部除き100円引きなど。ステージショーや大抽選会もある。」の記載がある。
(6)「産経新聞」(2007年5月29日付け、大阪朝刊 23頁)
「ツーデーマーチ 酢飲料で癒やし 堺のタマノイ酢」の見出しの下、「堺市内をウオーキングする「堺国際ツーデーマーチ」(同市など主催)がこのほど行われ、タマノイ酢(本社・堺市、播野勤社長)がコース途中の百舌鳥八幡宮で、『お酢カフェ』を設け、参加者に商品のビネガー飲料を提供した。」の記載がある。
(7)「読売新聞」(2007年4月5日付け、西部朝刊 28頁)
「[イチオシ!]新黒酢足湯処オープン 健康増進体験コーナーなど=鹿児島」の見出しの下、「霧島市の国分工場で黒酢の醸造などを行っている健康医学社(本社・東京)は今夏、創立40周年を迎える。感謝祭として8日、同工場で新黒酢足湯処(どころ)をオープンさせるほか、健康増進体験コーナー、黒酢カフェバーなどのイベントを計画している。」の記載がある。
(8)「毎日新聞」(2006年7月29日付け、東京夕刊 1頁)
「近事片々:女子サッカーW杯予選で北朝鮮選手の...」の見出しの下、「近ごろ都に流行(はや)るもの。<お酢カフェ>夏場限定で登場。疲労回復にリンゴ酢カクテルなどが並ぶ。」の記載がある。
(9)「日本農業新聞」(2006年7月16日付け、6頁)
「酢飲料の人気高まる 専門外食店も登場」の見出しの下、「東京・南青山に3日、果物や野菜を酢に漬けて作る『サワードリンク』や、酢を使ったデザートを提供する“お酢カフェ”が登場した。」の記載がある。
(10)「毎日新聞」(2006年7月14日付け、東京朝刊 31頁)
「雑記帳:東京・南青山の一角で...」の見出しの下、「東京・南青山の一角で、お酢を使ったデザートなどが楽しめる期間限定『お酢カフェ』がにぎわっている」の記載がある。
(11)「読売新聞」(2006年7月9日付け、東京朝刊 13頁)
「バテない夏へ、軽〜く1杯 ふらり 酢バー&カフェ」の見出しの下、「健康志向の高まりで『飲む酢』が広がる中、『酢バー』や『酢カフェ』が登場している。果物や野菜を酢に漬け込んだり他の素材とブレンドしたり、各店がオリジナルの酸っぱいメニューを競っている。」の記載がある。
(12)「朝日新聞」(2006年7月4日付け 東京地方版 31頁)
「疲れ取るにゃ『お酢カフェ』 夏場限定、南青山に登場 /東京都」の見出しの下、「おしゃれな街で、夏場の疲労回復をしてもらおうと、お酢を使ったメニューを集めた期間限定の『お酢カフェ』が、港区南青山に3日登場した」の記載がある。
(13)「livedoorニュース」のウェブサイトにおける「キリン・トロピカーナ、柑橘酢入り果汁飲料『グリーントロピカーナ くだものと柑橘酢』を発売」のタイトルの下、「飲用酢市場は、デパ地下でのお酢専門店の出店や酢カフェの登場など、健康だけではなく、おいしさや味のバラエティ化など女性を中心にますます広がりをみせている。」の記載がある。
(http://news.livedoor.com/article/detail/3711041/)
(14)「グルメ取寄ランキング」のウェブサイトにおける「酢」の項目の、「サイト名/紹介文」の欄に「酢造発酵場&ビネガーカフェ・スー」の記載及び「スーは福岡県うきは市吉井町に酢造場とビネガーカフェ(お酢カフェ)のあるお店です。」の記載がある。
(http://014-tuhan.com/seasoning-rank/su/html/)
(15)「多摩センター三越」のウェブサイトにおける「新着情報」のタイトルの下、「B1F/ヘルシーフーズコダマ」の項目に「黒酢カフェ 鹿児島の壷作りの黒酢を使用した飲みやすい、ヘルシー黒酢ドリンクのショップです。アセロラ黒酢、トマト黒酢、バナナ黒糖黒酢、ブルーベリーヨーグルト黒酢等種類豊富に取り揃えております。」の記載がある。(http://www.mitsukoshi.co.jp/shop?EcLogicName=storeinfo.storetopInfo&tenpoCd=29)
(16)「漢方生活通販」のウェブサイトにおける「お酢で『酸っぱい』生活始めませんか?」の項目に、「最近、『酢』を身近に感じる機会が増えてきた。スーパーに行けばいろいろな種類の酢飲料が並び、『酢バー』や『酢カフェ』もできている。」の記載がある。
(http://www.kanpolife.com/news/category/25_1.html)
(17)「岩盤浴に行こう|岩盤浴情報館」のウェブサイトにおける「Lohax(ロハックス) 島根県松江市の岩盤浴」のタイトルの下、「松江初の溶岩浴施設です。本格的なイオンリンパエステとお酢カフェを併設した女性専用の癒し空間です。」の記載がある。
(http://aidparty.com/salon/10001437.html)
4 証拠調べ通知に対する請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の回答
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
5 当審の判断
本願商標は、「黒酢カフェ」の文字を横書きにしてなり、前記1のとおり、指定役務については、当審における同19年9月25日付け手続補正書により、第43類「飲食物の提供」に補正されたものである。
しかして、本願商標の構成中の「黒酢」は、「米酢の一種で、アミノ酸を多く含み、味がまろやかな褐色の酢。陶器の壺に入れて仕込み、長期間発酵・熟成させて作る。」(広辞苑第六版)等を意味する語であり、また、構成中の「カフェ」は、「主としてコーヒーその他の飲料を供する店。」(広辞苑第六版)を意味する語であるところ、本願商標は、両文字を結合してなるにすぎないものである。
そして、前記3の証拠調べ通知書で通知したとおり、昨今の健康志向の高まりから、健康に良いとされる「酢」や「黒酢」等を原材料とした飲食物を提供する店が多数存在し、それらを「黒酢カフェ」や「酢カフェ」等と称している事実が見受けられるものであり、請求人は、かかる証拠調べに対して、何ら応答するところがない。
してみると、本願商標「黒酢カフェ」をその指定役務「飲食物の提供」に使用するときは、需要者等に「黒酢を原材料とした飲食物を提供する店」であることを認識させるにすぎないものであり、単に役務の提供場所、質等を表示したものと理解されるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものである。
また、本願商標を「黒酢を原材料とした飲食物の提供」以外の「飲食物の提供」に使用するときは、役務の質に誤認を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとし、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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