Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−8907(T2009−8907/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類「電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,集積回路,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),コンピュータ記録装置,半導体,プリント回路,デジタルカメラ,ビデオカメラ,電子計算機用プログラム,オーディオ及びビデオの再生録画用のコンピュータ操作用プログラム(記録されたもの),オーディオ及びビデオの処理用のコンピュータ操作用プログラム(記録されたもの),乗物用ナビゲーション装置」を指定商品として、平成19年11月27日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1
登録第1391392号商標は、「BUTICS」の欧文字を横書きしてなり、昭和50年2月3日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」
を指定商品として、同54年9月28日に設定登録され、その後、平成元年10月23日、同11年6月15日及び同21年4月28日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年7月1日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)引用商標2
登録第2169597号商標は、「BUTICS」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年5月25日登録出願、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、平成元年9月29日に設定登録され、その後、同11年6月15日及び同21年4月28日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年7月1日に指定商品を第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定器械器具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中、左から2番目の文字部分は図案化されているものの、構成全体として「VATICS」の欧文字を表したものと容易に看取させるものである。
そして、該欧文字は、特定の意味をもって親しまれた外国語を表したものとはいえないところ、このような場合、我が国において一般に親しまれている英語又はローマ字風の読みに倣って発音するのが一般的であり、構成中の「VA」の文字部分を含む「vatic」が「バティック」、「valley」が「バレー」、「value」が「バリュー」(「リーダーズ英和中辞典」株式会社研究社 2002年7月発行)と発音する例からすれば、「VATICS」の文字からは、「バティックス」の称呼が自然に生ずるといえる。
一方、引用商標は、前記2のとおり、いずれも「BUTICS」の欧文字を横書きしてなるところ、該欧文字も、特定の意味をもって親しまれた外国語を表したものとはいえないことから、前記と同様に、英語又はローマ字風の読みに倣って発音するのが一般的であるところ、例えば、「bu」の文字を含む英語についてみると、「but」を「バット」、「butt」を「バット」、「butter」を「バター」、「butterfly」を「バタフライ」、「button」を「バトン」と発音する例からすれば、「BUTICS」の文字に接した取引者、需要者は、「BU」の文字部分を「バ」と発音し、全体として「バティックス」と称呼することも決して少なくないものとみるのが自然である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「バティックス」の称呼をも生じ、また、特定の意味を有しない造語と認められるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「バティックス」の称呼を共通にするところ、両商標は、いずれも特定の観念を有しない造語であるし、外観についてみると、いずれも6文字の欧文字からなるものであって、1文字目と2文字目を除いた他の綴り字「TICS」をすべて共通にするものであるから、両商標における外観及び観念は、称呼の共通性を凌駕するほどのものとはいえず、本願商標と引用商標は、全体的に観察して称呼を共通にする類似の商標というべきである。
そして、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「VATICS」は「予言者」を意味する語である旨主張するが、「VATICS」の文字それ自体は、英和辞典にも記載されておらず(「小学館ランダムハウス英和大辞典」株式会社小学館 2002年1月10日発行、「研究社新英和大辞典」株式会社研究社 2002年3月発行及び「ジーニアス英和大辞典」株式会社大修館書店 2001年4月25日発行)、一般に親しまれた語とはいい難いことから、これより特定の観念を直ちに生ずるとはいえない。
加えて、請求人は、本願商標と引用商標の発音記号を挙げ、英語に馴染みのある者にとってこれらを区別することは容易であり、両者は、意味、綴り、発音の全てにおいて異なることから、需要者に混同は生じないこと、また、「BU」を「バ」と発音することは、日本語特有の発音であり、本来の英語の発音ではないことから、「VA」と「BU」の発音が同じであるとすることは国際的な審査実務に反すること、さらに、「VA」の文字部分は「vaccine」を「ワクチン」、「vapor」を「ベイパー」と発音することから「バ」とは異なる発音であること、「BU」の文字部分は、「Budapest」を「ブダペスト」、「Bucharest」を「ブカレスト」「Budda」を「ブッダ」、「Bufotenine」を「ブフォテニン」、「Butch」を「ブッチ」又は「ブッチャー」と発音することから、「バ」とは異なる発音であることから、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張するが、請求人の挙げる発音記号の相違並びに「va」を「ワ」及び「ベ」、「bu」を「ブ」と発音する例を否定するものではないが、前記したとおり、そもそも本願商標及び引用商標は特定の意味を有しない造語であるから、これより常に特定の称呼を生ずるとはいえず、むしろ、我が国においては、本願商標及び引用商標を構成する「va」及び「bu」の文字部分を、「バ」と発音する例があることからすれば、本願商標及び引用商標から「バティックス」の称呼が生ずることは否定できず、両者は称呼を共通にする類似の商標というべきであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。