Trademark Appeal Case
称呼類似と弱音の吸収
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−14987(T2009−14987/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ROLLIN」の文字を標準文字で表してなり、第25類「被服」を指定商品とし、平成20年12月20日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第5053468号商標(以下「引用商標」という。)は、「rorrim」の欧文字を書してなり、平成18年10月4日登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年6月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「ROLLIN」の文字よりなるものであるところ、該文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるものであって、その構成文字に相応して「ローリン」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、上記2のとおり「rorrim」の欧文字よりなるところ、該欧文字よりは、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであって、かかる場合には我国で親しまれたローマ字又は英語の発音に倣って称呼されることから、これをローマ字風に「ロリム」と称呼するほか、その構成中「ror」文字部分を「ロー」と「rim」の文字部分を「リム」と発音することからすれば、英語風に「ローリム」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「ローリン」の称呼と、引用商標から生ずる「ローリム」の称呼とを比較するに、両称呼は、4音という短い音構成において、称呼における識別上重要な語頭を含む「ローリ」の3音を共通にし、異なるところは明確に聴取され難い語尾における「ン」の音と「ム」の音という差異にすぎない。そして、該差異音は、共に弱く発音される有声の通鼻音であって、近似した音であることに加え、共に前音「リ」が舌の先で上歯茎を弾くようにして発する音(弾音)であり、強く発音されるために、該差異音「ン」、「ム」の音は「リ」の音に吸収されて明確に聴取しがたいことから、これらの音の差異が両称呼の全体に及ぼす影響は極めて小さく、それぞれを一連に称呼するときは、語調、語感が近似したものとなり、称呼上、互いに相紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とはそれぞれ前記のとおり、外観において相違するものであって、観念においては比較できないとしても、その称呼において相紛らわしい類似の商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、出願人は、両商標の成立および構成、さらに指定商品に係る取引の実情、何より、商標として称呼する場合の、需要者あるいは取引業者の自然かつ常識的な感覚に基づいて総合的に判断すれば、両商標の称呼が互いに相紛れて聴取されうるおそれは極めて小さく、両商標は外観、称呼および観念のいずれにおいても非類似の商標である旨及び商標の併存の登録例を主張している。しかし、商標の採択の意図が何であれ、これを商標として採択し使用したときに取引者、需要者がどのように認識するのかとの観点から商標の類否を審理するのが相当であるし、指定商品の具体的な取引の実情とは、指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであって、単に請求人や引用商標の商標権者の商品の顧客層についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではないし、また、商標の類否判断は個別になされるべきものであり、請求人主張の商標の登録例は、本願商標とは商標の構成を異にする事案であって、本願商標については前記認定のとおりであるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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