結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300441(T2009−300441/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4566191号商標(以下「本件商標」という。)は、「バイオフローラ」の文字を標準文字により表してなり、平成13年5月23日に登録出願され、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として同14年5月10日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
請求人が調査したところでは、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、その指定商品について商標権者、専用使用権者若しくは通常使用権者によって使用されている事実を見出すことができない。したがって、本件商標は、その指定商品について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
乙第1ないし第3号証よりは、「バイオフローラ」なる商品名の「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用」が、平成18年10月12日に王子食品株式会社へ、同20年5月2日にハウザー食品株式会社へ納品された事実その他が窺える。
しかしながら、本件商標の指定商品は、第32類「清涼飲料,果実飲料」であるところ、被請求人が本件商標の使用商品であると主張する「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用」が、「清涼飲料,果実飲料」のいずれの範疇にも属さないことは明白であるので、本件商標がその指定商品に使用されたことは立証されていない。
また、乙第4号証は、売上明細表であるところ「商品」欄に「バイオフローラ」との記載があるのみである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証を提出している。
(1)被請求人バイオアイ株式会社の事業内容について
ア 第一事業部:健康・美容に係わる食品や飲料、化粧品、その他雑貨にいたるまで、様々な商品の企画、開発、製造を行い、全国の販売会社に卸を行う。
イ 第二事業部:健康食品及び一般食品、化粧品などの原料素材を販売、開発、研究する。
ウ 第三事業部:温熱療法を行うサロンを運営。店舗では温熱療法の施術以外に、自社ブランドの各種商品を会員に向けて販売。
(2)「バイオフローラ」を使用している商品について
ア 第二事業部では、ドリンク用途に使用できる植物性乳酸菌醗酵エキスとして営業、販売している(乙第1ないし第3号証)。
イ 第三事業部のサロン内では、会員向けの飲料商品として、過去及び現在も販売している。素材や製法に特別なこだわりをもって開発しており、また要冷蔵保管の為、一般的な小売には適さないと判断し、管理が徹底できるサロンの会員にのみに販売する商品である(乙第4及び第5号証)。
(1)本件商標の使用に係る商品について
被請求人は、本件商標を「植物性乳酸菌醗酵エキス」及び「飲料商品」に使用している旨主張し証拠を提出しているのに対し、請求人は、上記商品は本件商標の指定商品「清涼飲料,果実飲料」のいずれの範疇にも属さないものである旨主張しているので、先ずこの点について検討する。
ア 被請求人の提出に係る乙第1号証は、被請求人の作成に係る2009年2月1日現在の「取扱原料一覧」と題する書面の写しと認められるところ、その2枚目に「植物性乳酸菌醗酵食品」の一覧表が掲げられており、原材料名欄に「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用『バイオフローラ』」(以下「本件商品1」という。)が掲載され、その説明として「17種類の厳選された植物原料のみを使用し、植物性乳酸菌・酵母を用いて1年以上熟成醗酵させたエキスです。ドリンク用途として飲み易い味になっています。残留農薬等、安全性基準はクリア、香料、合成保存料等、化学合成物も一切使用していません。」と記載されている。
また、上記書面に添付された「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用 バイオフローラ」の「製品規格書」には、規格項目及び規格値の欄に「外観」として「茶褐色状の液体」、「匂い」として「芳香性のある醗酵臭」、「水分」として「約65%」、「Brix%」として「61.5%」、「一般生菌数(乳酸菌・酵母含む)」として「1.8×10
2
個/ml(ロット毎提出)」、「使用素材」として「17種類の国産植物 <野菜液>キャベツ、ダイコン、トマト、キュウリ、ナスビ、コマツナ、ホウレンソウ、ピーマン、セロリ、ゴーヤ、ニンジン、シソ <果実液>イチゴ、リンゴ、ユズ、カキ、キウイ」とそれぞれ記載されているほか、栄養成分表示(100g中)欄には、「熱量:137kcal」、「たんぱく質:0.1g」、「脂質:0.1g」等と記載されている。
これらの記載からすると、本件商品1は、植物のみを原料とした乳酸菌発酵品を主成分とする飲料用の商品というべきものであり、乳等の動物性原料を一切使用せず、また、アルコールを含有していないものといえる。
イ 乙第5号証は、被請求人が上記商品「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用」のパイロット商品(以下「本件商品2」という。)として試験的に販売していると主張する商品の写真と認められるところ、本件商品2は、その包装形状からすると、何ら加工等することなく、そのまま又は稀釈して飲用することができるものといえる。
ウ ところで、一般に、「乳酸菌」とは、「乳酸発酵に関与する細菌の総称。代表的なものは連鎖球菌科のグラム陽性球菌および乳酸桿菌科のグラム陽性桿菌であり、チーズ・乳酸菌飲料のほか日本酒・醤油・味噌などの製造に不可欠。」とされ、「乳酸発酵」とは、「乳酸菌の働きで、糖類を酸素の存在しないところで分解し乳酸を生ずる発酵。動物体内における解糖は化学的にこれと同じ反応で、広義の乳酸発酵に含めることがある。」とされ、「乳酸菌飲料」とは、「発酵乳に砂糖・香料などを加えた飲料。乳酸飲料」とされている(いずれも、岩波書店発行「広辞苑第5版」より)。
そして、商標法施行規則別表第29類には、「乳製品」として「乳酸飲料」及び「乳酸菌飲料」が例示されており、特許庁商標課編「商品区分解説[改訂第3版]」の第29類「乳製品」には、「この概念には、牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものが含まれる。」と説明されている。
また、上記書籍の第32類には「アルコールを含有しない飲料及びビール」の表題の下に、「ミネラルウォーター、炭酸水及びアルコールを含有しないその他の飲料」、「果実飲料及び果汁」等と記載され、さらに「清涼飲料」の項目では、「この概念には(a)炭酸を含むもの、(b)シロップ(「はちみつ」を除く。)、鉱泉水(ミネラルウォーター)が含まれる。”果実シロップ”も人工のもので単に果実の香りをつけたに過ぎないものは、果実飲料に属さず、この概念に含まれる。」と説明され、「果実飲料」の項目では、「この概念には、天然果汁又はこれを加工した濃縮果汁等のように天然果実を原料とする飲料が含まれる。また、粉末化したものもこの概念に属する。天然果実を全く含まない”人工の果実シロップ”はこの概念に属さず、本類2清涼飲料に属する。」と説明されている。
エ さらに、参考までに付言すると、「清涼飲料水」とは、「アルコール分を含まない(アルコール分1%未満)飲用の液体物で、味や香りがある水のこと。」とされ、食品衛生法に基づく通知(昭和32年9月18日厚発衛第413号の2)の第3の一(2)では、「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。従って、酸味を有しない飲料水、主として児童を対象として製造されるコルク等で簡単に栓を施した飲料水(例えばニッケ水、ハッカ水等)、トマトジュース、摂取時に希釈、融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの(例えば、濃厚ジュース、凍結ジュース等)(ただし、粉末ジュースを除く。)もすべて含まれるものであること。」とされている。また、「食品衛生法質疑応答ハンドブック」では、「トマトジュース、濃縮ジュース、凍結ジュース、ソーダ水、タンサン水、コーラ類、ジンジャエール、ミネラルウォーター、豆乳、ガラナ飲料等々およそ飲料はすべて清涼飲料水に該当する。」とされている。
オ 以上からすると、本件商品1及び2は、「乳酸菌」の文字を含んでいるものの、乳等の動物性原料を一切使用していない以上、少なくとも上記別表第29類に例示されている「乳酸飲料」及び「乳酸菌飲料」の範疇に属する商品とはいえない。
また、本件商品1は「ドリンク用途として飲み易い味になっています。」と説明されていること、本件商品2はそのまま又は稀釈して飲用する状態になっていること、いずれもアルコールを含有しないこと、などからすると、本件商品1及び2は、上記第32類にいう「アルコールを含有しないその他の飲料」に含まれないものとまでは断定できない。そして、本件商標の指定商品「清涼飲料」は、上記「アルコールを含有しないその他の飲料」の範疇に属する商品といえるものである。
カ そうすると、本件商品1及び2は、本件商標の指定商品のいずれの範疇にも属さないとはいえず、むしろ、清涼飲料の一種とみるのが相当である。
(2)本件商標の使用について
次に、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標が本件商品1及び2について使用されていたか否かについて検討する。
ア 乙第1号証の書面は、その1枚目に「2009/02/01現在」と表示され、被請求人の名称、住所、電話、メールアドレス等が表示されていることからすると、被請求人によって2009年(平成21年)2月1日に作成されたものといえる。そして、その2枚目には、本件商品1を示すものと認められる「植物性乳酸菌醗酵エキス ドリンク用」の文字と共に「バイオフローラ」の文字が表示されている。この「バイオフローラ」の文字は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、本件商標と社会通念上同一といえるものである。
イ 乙第1号証の書面に添付された2通の「御見積書」は、2008年1月28日付又は平成18年5月11日付で被請求人によって発行されたものの写しと認められるところ、その商品名欄に記載された「ドリンク用植物醗酵エキス(バイオフローラ)」又は「植物発酵エキス ドリンク用原料『バイオフローラ』」の文字は、本件商品1を指すものとみるのが自然である。
ウ 乙第2号証は、2006年10月12日付又は2008年5月2日付で被請求人によって発行された納品書・請求書の写しと認められるところ、それぞれの品番・商品名欄に記載された「バイオフローラ」の文字は、本件商品1を指すものとみるのが自然である。
エ 乙第3及び第5号証は、被請求人の取扱に係る商品の包装用箱又は本件商品2を撮影した写真と認められるものの、その撮影日、撮影者、撮影場所等は明らかでない。もっとも、乙第3号証の箱に貼られたシールには、「植物性乳酸菌醗酵エキス」及び「ドリンク用」の文字を二行に記載した下に、大きく「バイオフローラ」の文字が記載されており、第5号証の包装用瓶に貼られたシールには、野菜、果物等の写真と共に「バイオフローラ」の文字が大きく顕著に記載されている。そして、上記「バイオフローラ」の文字は、いずれも自他商品の識別標識たる商標として認識し理解されるものであり、本件商標と社会通念上同一といえるものである。
オ 乙第4号証は、平成20年6月から平成21年3月までの被請求人による商品の売上集計票綴りの抜粋写しと認められるところ、そのうちの平成20年8月3日付、同月10日付及び10月26日付の「リフレッシュ売上明細表」における商品欄に記載された「バイオフローラ」の文字は、取引の経験則上、本件商品2を指すものとみるのが自然であるから、上記日付に本件商品2が販売されたものと推認される。
カ 以上を総合勘案すると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成21年4月30日)前3年以内に、引用商標を使用して本件商品1及び2の取引を行っていたものというべきである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品の範疇に属する本件商品1及び2について、被請求人(商標権者)によって使用されていたものと判断するのが相当であるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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