結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300824(T2009−300824/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3171445号商標(以下「本件商標」という。)は、「RAFFINERCLUB」の欧文字を横書きしてなり、平成5年6月1日に登録出願、第25類「被服,ガ―タ―,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同8年6月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年8月4日になされているものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
請求人の調査した範囲では、本件商標の指定商品について、被請求人による本件商標の使用の事実を発見することはできなかった。また、本件商標について専用使用権者、通常使用権者が設定されている事実もない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
(1)乙第1号証(被請求人の代表者作成の報告書)について
乙第1号証は、被請求人の代表者作成のものであり、これ自体は客観的な証明力を有するものではない。この報告書の記載が証明力が持つのは、その中で言及している乙第2号証ないし乙第12号証のいずれかが、商標権者が指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用していることを立証している場合のみである。
以下、乙第2号証ないし乙第12号証のいずれについても、またどのように組み合わせても、商標権者が指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用していることを立証するものではないことを明らかにする。
(2)乙第2号証ないし乙第4号証について
ア 乙第2号証の1、乙第3号証の1及び乙第4号証の1は、いずれも平成21年9月14日付けで撮影された写真であり、本件審判の請求の登録日以降の撮影に係るものである。
イ 被請求人は、乙第2号証の1に示された商品(品番777−46021)及び乙第3号証の1に示された商品(品番777−46007)が、乙第2号証の2及び乙第3号証の2(トップソーイング株式会社(以下「トップ社」という。)の納品伝票)により、平成21年5月12日付け及び同月23日付けでそれぞれ納品されたことが示されていると主張し、これをもって、これらの商品が納品された平成21年5月12日及び同月23日以降、少なくとも同年6月1日以降、乙第2号証の1及び乙第3号証の1の写真撮影を行った同年9月14日まで、同社の錦糸町ラフィネ店で展示、販売されていた事実が示されていると主張する。
しかし、乙第2号証の2及び乙第3号証の2は、商品(品番777−46021及び品番777−46007)がトップ社から被請求人へ納品されたという事実を証するものであっても、これらの商品が納品された平成21年5月12日及び同月23日以降、少なくとも同年6月1日以降、同年9月14日まで、同社の錦糸町ラフィネ店で展示、販売されていた事実を証するものではない。
乙第2号証の1及び2並びに乙第3号証の1及び2により理解できるのは、商品(品番777−46021及び777−46007)がトップ社から被請求人へ納品されたのが平成21年5月12日及び同月23日であり、この商品が実際に店舗で撮影されたのが同年9月14日であるという点のみである。
ウ 被請求人は、乙第4号証の1に示された商品(品番706−76603)が、乙第4号証の2(株式会社ユース・タニノ(以下「ユース社」という。)の納品書)により平成21年1月17日付けで納品されたことが示されていると主張し、これをもって、この商品が納品された同年1月17日以降、遅くとも同年3月1日以降、乙第4号証の1の写真撮影を行った同年9月14日まで、同社の錦糸町ラフィネ店で展示、販売されていたと主張する。
しかし、乙第4号証の2も、商品(品番706−76603)がユース社から被請求人へ納品されたという事実を証するものであったとしても、この商品が納品された平成21年1月17日以降、遅くとも同年3月1日以降、同年9月14日まで、同社の錦糸町ラフィネ店で展示、販売されていた事実はどこにも立証されていない。
乙第4号証の1及び2により理解できるのは、商品(品番706−76603)がユース社から被請求人へ納品されたのが平成21年1月17日であり、この商品が実際に店舗で撮影されたのが同年9月14日であるという点のみである。
エ 以上のように、本件審判の請求の登録日より後の平成21年9月14日撮影の写真と、各商品の納品伝票・納品書とによっては、本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人が本件商標を使用していたことを示す証拠は何一つ示されていない。
(3)乙第5号証(店舗写真)について
被請求人は、乙第5号証は乙第2号証ないし乙第4号証の各商品を販売していたとする店舗や展示状態などの写真であると主張する。
乙第5号証は、実際に商品を販売していることの補強証拠として提出したものと思われるが、いずれも平成21年9月14日撮影のものであり、本件審判の請求の登録前の店舗や商品展示を示すものではない。
(4)乙第6号証(タグ)と乙第7号証(請求書)について
乙第6号証は、本件商標を付したタグの表、裏の写しとのことであるが、このようなタグの存在だけでは、このタグを商品に付して展示・販売などの使用をしたことの証明とはならない。
また、平成21年5月31日付け請求書(乙第7号証)には明細がなく、何の商品に関する請求書なのかは不明である。納品した商品(この場合は、タグや洗濯ネーム)の名称や数量単価などを記載した納品書や、運送会社の配達伝票などと総合的にみなければ、本件商標を付したタグが実際に納品されていたかどうかは分からない。
(5)乙第8号証(そごう千葉店のチラシ「SOGO PRESS」)について
乙第8号証の1枚目(表紙)の最下部に「ラフィネクラブ」の名称と、別掲に示すとおりの構成からなる「RAFFINER」と「CLUB」の文字を1本の横線を挟んで2段書きにした商標(以下「使用商標」という。)とが掲載されている。
被請求人は、ここに記載の「ラフィネクラブ」と使用商標が本件商標と同一性のある商標であると主張する。
この「ラフィネクラブ」は、そごう千葉店内にある店内ブランドショップのようにも思われるが、乙第8号証には問題点が3つある。
ア 商標権者による使用ではない。
チラシ「SOGO PRESS」の発行者は、その表紙右上に「そごう千葉店」と記載されていることから、そごう千葉店であり、被請求人ではない。すなわち、商標権者(又は使用権者)が頒布したチラシ(商品に関する広告)ではなく、商標権者の使用には該当しないものである。
イ 商品との関係が不明確である。
場所を示す表示として「3階=プレタポルテ」と記載され、また「ヨーロッパのインポートアイテムをはじめ、洗練された大人の女性を演出するファッションをご紹介します。」とあることから、「ラフィネクラブ」とは、プレタポルテ(既製服)やファッションに関する店舗であろうことが理解できる。このことは、同じ箇所に「『ラフィネクラブ』『ラフィネコルディア』『リニア』のいずれかでお買い上げの方に」とあることからも、「ラフィネクラブ」とは店舗の名称であることが理解できる。
しかし、扱っている商品が具体的に何であるのかは、このチラシの記事からは理解することができない。実際に衣料品などの商品に「ラフィネクラブ」又は使用商標が付されているのか、このチラシだけでは判別不可能である。
結局、このチラシは、店舗名「ラフィネクラブ」及び使用商標を表示したにすぎないものであり、商品に関する広告ではなく、店舗に関する広告である。本件商標が第35類のいわゆる小売等役務商標であるならばともかく、本件商標は、第25類の商品を指定商品とするものである以上、これら指定商品についての商標の使用であることが要求されるところ、乙第8号証のチラシのどこにも、このことは示されていない。
ウ 本件商標との同一性に問題がある。
(ア)本件商標と「ラフィネクラブ」とは、「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標」であるということはできないものである。
本件商標は、「R」の文字があるため、通常は「ラフィネルクラブ」、「ラフィネールクラブ」又は「ラフィナークラブ」と読むのが自然といえる。必ずしも「ラフィネクラブ」と称呼するものではない。
一方、「ラフィネクラブ」をローマ字表記する場合には、「R」のない「Raffine Club」とするのが一般的である。「Raffine」は、フランス語で「上品な、洗練された」という意味の形容詞であり、これに対し本件商標の前半部「Raffiner」は、フランス語で「上品にする、洗練させる」といった意味の動詞である。「Raffine」も「Raffiner」も一般に広く知られた単語ではないが、それでも、「Raffine」であれば、初心者向けフランス語辞書にも掲載されている用語である。
「ラフィネクラブ」と「Raffine Club」であれば、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標といえるであろうが、「ラフィネクラブ」と「RAFFINERCLUB」とでは、相互に文字表示を変更したものはいえない。また、「ラフィネクラブ」には、「上品なクラブ、洗練されたクラブ」との意味があるのに対し、「RAFFINERCLUB」のように一連につなげた場合には、特定の意味がない造語にすぎず、仮に「RAFFINERCLUB」から単語間が離れている「RAFFINER CLUB」が看取できるのであれば、これは「クラブを上品にする。クラブを洗練させる」といった意味となり、「ラフィネクラブ」から生じる観念「上品なクラブ、洗練されたクラブ」とは異なるものとなる。
このように、本件商標と「ラフィネクラブ」は、「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標」であるということはできない。
(イ)被請求人は、「RAFFINERCLUB」が表示媒体によってはやや長すぎるので、2段に表示したものであり、本件商標と同一性のある商標であると主張する。
しかし、本件商標は、同一書体、同一の大きさの文字を一連に書したものであり、このような場合に、2段書きにしたものは同一商標とはならない。特に、使用商標の上下を中央線(中央部が太く、端に行くほど細くなっている線)で分けているが、これにより商標全体の外観は、本件商標の外観とも大きく異なったものとなり、使用商標は、本件商標の識別性に影響を与えるものとなっており、同一商標の使用とはいえないものである。
エ 以上のように、乙第8号証で示されている商標の使用は、商標権者による使用でもなく、指定商品についての使用でもなく、本件商標と同一性のある商標の使用でもない。
(6)乙第9号証(ラフィネクラブ新規オープンの案内封筒)及び乙第10号証(ラフィネクラブの案内封筒)について
乙第9号証及び乙第10号証に記載されているのは「ラフィネクラブ」と使用商標であり、これらは前記したように、本件商標とは同一性のない商標である。
また、乙第9号証は、案内封筒であり、その表紙に「ラフィネクラブ新規オープン」とあることから、ここに記載されている「ラフィネクラブ」は店舗名を表示したものであり、商標としての使用ではない。
乙第9号証下段(案内封筒裏)に記載された使用商標も、所在地・電話番号と共に記載された案内封筒の発信人たる店舗名を表示したものであり、商標としての使用ではない。
乙第10号証に記載された使用商標も、同様に店舗名の表示にすぎず商標としての使用ではない。
さらに、乙第9号証及び乙第10号証のいずれも、商品の包装でもなく、商品の広告でも商品の取引書類でもない。商品についての説明が一切なく、商品についての商標を使用したとはいえないものである。
(7)乙第11号証(ラフィネクラブ店舗の写真)について
被請求人は、乙第11号証の写真撮影日が平成21年7月20日であるとしているが、この撮影日を証する裏付けは一切なされていない。
カメラ(デジカメ)に写し込まれる撮影日は、日付設定を変更すれば容易に変更できるので、撮影写真に日付が写し込まれているからといって、それだけで撮影日が特定できるものでないが、乙第2号証ないし乙第4号証で提出された写真には、撮影日(2009.09.14)が写し込まれているのに対し、乙第11号証の写真にはこのような撮影日は写し込まれていない。
第三者が撮影したものであるのならともかく、被請求人自らが撮影したものを証拠として提出するのであれば、これを客観的に裏付ける他の証拠を併せて提出してしかるべきである。
また、撮影場所も、「柏ラフィネクラブほか」とされ、どの写真が「柏ラフィネクラブ」で撮影されたものか、どの写真が「柏ラフィネクラブの他のどの店」で撮影されたのかも明記されず、信ぴょう性に欠けるといわざるを得ない。
仮に、この写真が本件審判請求前の平成21年7月20日に撮影されたものであったとして、乙第11証に示された写真には、本件商標を指定商品について使用している状況は示されていない。
乙第11号証の第1頁中段と下段、第2頁の上段及び中段には、使用商標が認められるが、これは店舗名(店舗の看板)であって、商標としての使用ではない。
乙第11号証第3頁最下段の写真には、使用商標の文字を記載したタグが見える。これは、商品に付したタグを撮影したものと思われるが、商品が何であるのかはこれから判別することができない。乙第11号証第3頁最上段の写真のように商品の全体写真が撮影されていれば、商品が何かを判別することは可能であるが、最下段の写真からは、タグを付した商品が何であるのかは判別することはできず、結局、商標を指定商品について使用したことを立証できてはいない。
なお、乙第11号証第3頁最上段の写真には、商品にタグらしきものが付されているが、ここには本件商標も使用商標も付されていない。写真の解像度が低いので判然としないが、これは、乙第6号証第2頁で示されたタグ裏面とも異なるものである。
また、ここで使用されている使用商標が本件商標とは同一性の範囲にはないものであることは、前記したとおりである。
結局のところ、乙第11号証の写真も、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を指定商品について使用していたことを立証するものではない。
(8)乙第12号証(婦人用ブラウスでの商標使用の写真)について
被請求人の代表者、青木洋一は、報告書(乙第1号証)の第3頁第13項で、「乙第12号証は、私が平成21年9月14日社内で撮影した商品の写真で、これが、平成21年8月4日以前より販売されていた商品に相違ありません。」と述べているが、「平成21年8月4日以前より販売されていた」事実を証するものは一切提出されていない。裏付けのない主張によっては「平成21年8月4日以前より販売されていた」ことを立証したことにはならないのは、論を待たないものである。
また、ここで使用されている商標は、使用商標であり、本件商標とは同一性の範囲にはないものであることは、前記したとおりである。
(9)以上のように、被請求人の主張は、客観的な使用証拠に基づかない主張であり、乙第1号証ないし乙第12号証のいずれによっても、商標権者が指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を使用していたことは、立証されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証(添付資料を含む。)ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。
被請求人は、昭和47年9月に設立され、婦人服及び装身具のデザイン、婦人服及び紳士服並びに服装飾品の販売を目的とし、お客様に贅沢と夢を販売する、贅沢を感じさせる店舗空間の提案、顧客づくりに専念し、地域に愛され支持され続ける事を目指すことを経営方針として、千葉県を中心に全国の有名百貨店、ファッションセンターなどに15店以上の直営店舗を擁し、婦人服、紳士服、各種服装飾品の製造、販売を行っている。
被請求人は、その製造、販売に係るスーツ、コート、上着、スカート、ワンピースなどの商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標及びこれと同一性を有する商標を付し(商標法第2条第3項第1号)、また、これを付した商品を販売し、販売のために展示し(同項第2号)、さらに、当該商品に関する広告、価格表に本件商標を付して展示、頒布している(同項第8号)。
本件商標の使用については、被請求人の代表取締役「青木洋一」作成の平成21年9月15日付け報告書(乙第1号証)に記載されているとおりであり、その使用の一例について、以下、具体的に主張、立証する。
(1)乙第2号証(品番777−46021)及び乙第3号証(品番777−46007)
乙第2号証の1及び乙第3号証の1は、平成21年9月14日に被請求人が展開する錦糸町ラフィネ店内で撮影した婦人用上着の写真である。乙第2号証の1の第1頁、上段左側は全体写真(タグの表面)、上段右側は全体写真(タグの裏面)、下段は、タグ部分の写真、第2頁の上段はタグの裏面、中段は、洗濯ネームの拡大写真(株式会社アヲキの表示)である。乙第3号証の1の第1頁は、全体写真、タグの表面と裏面(品番、サイズ、定価、原材料、コードなどを表示)、第2頁は、洗濯ネームの拡大写真(株式会社アヲキの表示)である。
乙第2号証の1及び乙第3号証の1に示すとおり、婦人用上着に付されたタグの表面に、本件商標が表されている。これらのタグの裏面には、品番、サイズ、定価などが示され、乙第2号証の1のタグには品番777−46021の商品、乙第3号証の1のタグには品番777−46007の商品であることがそれぞれ示され、洗濯ネームにもかかる品番が示されている。
乙第2号証の2及び乙第3号証の2は、上記品番777−46021及び品番777−46007の商品が、製造メーカーであるトップ社より、平成21年5月12日付け及び同月23日付けで納品されたことを示している。
「RAFFINERCLUB」の商品は、比較的年長の富裕層向きの高額な商品であって、流行やシーズンに影響されることなく、少量で、長期に、繰り返して製造、販売される。乙第2号証の1及び乙第3号証の1の写真は、本件審判請求の通知を受けて撮影したものであるが、極めて多種でかつ少量の婦人服について、事前にこの種の写真を撮影することはない。
上記商品の納品後、被請求人により上記タグが付され、平成21年5月12日及び同月23日以降、遅くとも同年6月1日には、錦糸町ラフィネの店舗(東京都墨田区江東橋4−27−14 リヴィン錦糸町3階)で展示、販売を開始し、当該写真が撮影された同年9月14日まで展示、販売されていたものである(乙第1号証:報告書第6項及び第7項)。
(2)乙第4号証(品番706−76603)
乙第4号証の1は、被請求人が製造、販売している商品の写真(品番706−76603)であって、第1頁は、商標権者が各直営店(一部店舗を除く)で販売しているスカートの全体写真、タグ表面の写真(「RAFFINERCLUB」の表示)、第2頁は、タグ裏面(品番、サイズ、定価、原材料、コードなどを表示)及び洗濯ネームの拡大写真であり、平成21年9月14日に撮影されたものである。
乙第4号証の2は、当該商品(品番706−76603)の納品伝票であって、ユース社が平成21年1月17日付けで当該商品を納品したことを示している。納品後、被請求人により、表面に本件商標を表示し、裏面に品番、サイズ、定価などを表示したタグが付され、同日以降、遅くとも平成21年3月1日には、錦糸町ラフィネの店舗において、当該写真が撮影された同年9月14日まで展示、販売されていたものである(乙第1号証:報告書第8項)。
(3)乙第5号証(錦糸町ラフィネ店内)
乙第5号証は、乙第2号証ないし乙第4号証の商品の陳列状態、店内の全般、リヴィン錦糸町の外観を示す写真であり、平成21年9月14日に撮影されたものである。
第1頁は、店内の全般、乙第2号証、乙第3号証の商品の展示を示す遠景からの写真、第2頁は、乙第2号証、乙第3号証の商品の展示状態、第3頁は、乙第2号証、乙第3号証の商品のタグを示す展示状態、乙第4号証の商品、そのタグを示す写真である。第4頁は、乙第4号証のタグ、被請求人の錦糸町ラフィネ店舗が所在するリヴィン錦糸町の全景である。
(4)タグの使用(「RAFFINERCLUB」のタグ)
乙第6号証は、本件商標を付したタグの表、裏の写しである。
乙第7号証は、上記タグ及び洗濯ネームなどについて、当該納入業者よりの請求書であって、本件商標を付したタグを含む各種タグ、洗濯ネームを株式会社ケイエヌジーが製造したこと、被請求人、株式会社アヲキ宛、平成21年5月31日付けで請求したことを示している。
(5)SOGO PRESSのチラシ
乙第8号証は、そごう千葉店が発行、配布したチラシ「SOGO PRESS」の表面及び裏面の縮小コピーである。そごう千葉店が、平成21年3月10日(火)付けで発行、配布したものであって、表面の下部には「2009年春。新ブランドが、そごう千葉店に咲く。」という見出しで、そごう千葉店で新たに展開する各社ブランドが列挙され、中央部には、被請求人のブランドが示されている。
その冒頭部には「ラフィネクラブ」と表示され、<ラフィネクラブデビューフェスティバル>、「ラフィネクラブ」・・・.お買い上げの方に、・・・といった記述が見られる。ここにおいて、「ラフィネクラブ」は、片仮名文字であるが、本件商標とは、「・・・片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標(商標法第50条第1項括弧書き)」であって、これが本件商標と同一商標の使用であることはいうまでもない。
また、乙第8号証の「ラフィネクラブ」の欄の最下欄には、中央部の横線を介して上下2段に表された使用商標が表示されている。これは、本件商標の綴りと同一スペルからなり、「ラフィネクラブ」と称呼され、本件商標と社会通念上同一の商標の使用であることが明白である。本件商標は、表示媒体によってはやや長過ぎるので、使用商標のように2段に表示される例も多いが、使用商標の表示は、中央の線で一体化されて一個の図形化された商標として認識され、これが本件商標と同一商標であることは当然である。
(6)「ラフィネクラブ」の案内
乙第9号証は、「ラフィネクラブ新規オープン」案内封筒の表面及び裏面で、作成者は、被請求人であり、「3月14日(土)」の表示から、これが平成21年3月14日以前に作成されたことが判る。
乙第10号証も案内用封筒で、そごう柏店により作成されたものである。
これらには、「ラフィネクラブ」、使用商標の表示があるが、前項で述べたとおり、これらが、本件商標と同一商標の使用であることはいうまでもない。
(7)使用商標の使用
乙第11号証は、被請求人の店舗の全景、商品の陳列状態、店内の全般を示す写真で、たまたま平成21年7月20日付けで、柏ラフィネクラブ(千葉県柏市柏4−9−7)ほかで撮影された写真である。
乙第12号証は、婦人用ブラウスに使用商標を使用した写真で、平成21年9月14日に被請求人の本社内で撮影されたものである。前記(6)で述べたとおり、これが、本件商標と同一商標の使用であることはいうまでもない。
以上詳述し、被請求人の提出に係る乙各号証に示すとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標、これと同一性を有する商標「ラフィネクラブ」及び使用商標を付したタグを商品「被服」の範ちゅうに属する婦人用上着、スカート、ブラウス、その他の各種被服などの商品について、これを付し(商標法第2条第3項第1号)、譲渡し引き渡し、譲渡・引き渡しのために展示し(同項第2号)、商品に関する広告、価格表に標章を付して展示、頒布していた事実(同項第8号)があったことが証明されている。
以上により、本件商標は、商標法第50条の規定に該当するものではない。本件商標は、その登録が維持されるべきものであって、本件審判請求は理由がない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、平成21年9月15日付けの「千葉市花見川区幕張本郷二丁目10番10号 株式会社アヲキ 代表取締役 青木 洋一」の記載と押印がなされている「報告書」であり、この「報告書」には、乙各号証の説明等と共に、添付資料1として、「RAFFINERCLUB」の欧文字が表示された商品タグの写し、添付資料2として、使用商標が表示された商品タグの写し、添付資料3として、被請求人の「直営店のリスト」が添付されている。
そして、添付資料2には、最上段部分に使用商標が表記され、その下にも白地と黒地の横長矩形内に使用商標が表示されている。
また、添付資料3の「直営店のリスト」には、左上に「株式会社 アヲキ」の見出しが表記され、店名、住所、TEL、FAXの各欄とリストの枠外右側に店長の項が設けられており、該リストの1行目に、店名として「千葉ラフィネクラブ」、住所として「千葉県千葉市中央区新町1000 (株)そごう千葉店3F」と記載されている。
(2)乙第8号証について
乙第8号証は、「SOGO PRESS」の表題のあるチラシの写しであり、1枚目の左上部に「2009−3.10(火)」、右上部に「そごう千葉店」の各記載、下部に「Debutデビュー 2009年春。新ブランドが、そごう千葉店に咲く。」の文字の下、「ラフィネクラブ」の見出しを大きく表し、その右側に「●3階=プレタポルテ」の文字を小さく記載しているほか、「ヨーロッパのインポートアイテムをはじめ、洗練された大人の女性を演出するファッションをご紹介いたします。」の説明文及び赤色のドレスを身にまとった女性の写真並びに使用商標が表示されている。
また、2枚目の右下には、「SOGO」及び「千葉」の各文字と共に、「千葉県千葉市中央区新町1000番地」と記載されている。
(1)使用商標について
本件商標は、「RAFFINERCLUB」の欧文字を同じ書体、同じ大きさ、等間隔で横書きに表してなるものである。
一方、使用商標は、別掲のとおり、「RAFFINER」と「CLUB」の各欧文字を上下2段に横書きしてなり、これらの間に左右が尖った細線(以下「細線」という。)を配した構成からなるものである。
そして、使用商標の構成にあって、「RAFFINER」と「CLUB」の各欧文字の間に配された細線は、使用商標の構成全体から生ずる印象において特段強く残るとはいい難いものであって、「RAFFINER」と「CLUB」の各欧文字を装飾するにとどまるとみるのが相当である。
そうすると、かかる細線は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるばかりでなく、これが本件商標の本質的な自他商品の識別標識としての機能に特段の影響を与えるものとも認められない。
しかして、使用商標の構成中の「RAFFINER」と「CLUB」の各欧文字は、上下2段に横書きしてなるとしても、本件商標のつづり字の前段部の「RAFFINER」と後段部の「CLUB」と同一のつづり字であり、両商標のつづり字に相応して生ずる称呼もおのずと同じくするものといえる。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認めて差し支えないものである。
これに対して、請求人は、使用商標は「RAFFINER」と「CLUB」の上下を細線で分けることにより、その外観は、本件商標の外観と大きく異なり本件商標の識別性に与える影響が大きく、本件商標と同一性のある商標の使用とはいえないと主張する。
しかし、使用商標の構成中の細線は、左右の端を鋭角にしてなるとしても、それ自体に自他商品の識別標識としての機能を果たすとみるべき特段の事情を見いだし得ないものであり、また、登録商標の実際の使用にあっては、装飾的な線等を付加する場合も決して少なくないものであり、横書きしてなる登録商標を上下2段に分けて表示することも格別不自然な使用ではないというべきであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一といわなければならない。
よって、請求人の上記主張は、採用できない。
(2)本件商標の使用者について
乙第1号証・添付資料3の被請求人の「直営店のリスト」に記載された「千葉ラフィネクラブ」の住所「千葉県千葉市中央区新町1000 (株)そごう千葉店3F」は、乙第8号証の2枚目に記載された住所と符合し、かかる「(株)そごう千葉店3F」の記載も、乙第8号証の「そごう千葉店」及び「●3階」との各記載と符合すると認められることから、本件商標の使用者は、商標権者(被請求人)ということができる。
なお、請求人は、乙第8号証はそごう千葉店に係るチラシであって、商標権者が頒布した広告ではないと主張する。
しかし、乙第8号証のチラシには、「Debutデビュー 2009年春。新ブランドが、そごう千葉店に咲く。」の文字の下、「ラフィネクラブ」のほか、「アナスイ・ミニ」及び「M DKNY」の各ブランドも掲載されているところ、百貨店の広告には、自社の取扱い商品ばかりでなく、該店舗内で営業する、いわゆる専門店の取扱いに係る商品の広告も併せて掲載することが一般に行われていることからすると、たとえ、乙第8号証が百貨店のそごう千葉店に係るチラシであったとしても、同時に、商標権者に係る広告としても理解されるものであるから、そこに商標権者の名称が明示されていないことをもって、直ちに商標権者が頒布した広告に該当しないということはできない。
よって、請求人の上記主張は、採用できない。
(3)本件商標の使用をする商品について
乙第8号証のチラシに記載された「ラフィネクラブ ●3階=プレタポルテ」において、「プレタポルテ」の語は、「高級既製服」(広辞苑第6版)の意味を有するものとして一般に知られているものであり、「・・・洗練された大人の女性を演出するファッションをご紹介いたします。」の説明文と共に赤色のドレスを身にまとった女性の写真が掲載されていることをも総合してみれば、本件商標の使用に係る商品は、少なくても請求に係る指定商品中、「被服」の範ちゅうに含まれる「洋服」というべきである。
これに対して、請求人は、該語が「既製服」を意味するとしたうえで、乙第8号証は、「ラフィネクラブ」が取り扱っている商品が具体的に示されていないから、商品との関係が不明確であり、店舗に関する広告である旨主張する。
しかし、商標法第50条第1項の規定による商標登録の取消し審判が請求された場合には、被請求人は、請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明すれば足りる(同条第2項)のであるから、本件請求に係る指定商品中の「被服」についての本件商標の使用が認められるのであれば、個別具体的な商品を特定することまでは要しないというべきである。
そして、乙第8号証の「ラフィネクラブ」の見出しの下には、前記のとおり、「・・・洗練された大人の女性を演出するファッションをご紹介いたします。」の説明文及び赤色のドレスを身にまとった女性の写真の掲載と共に、「高級既製服」を意味する語として一般に知られている「プレタポルテ」の文字が記載されていることからすれば、たとえ、「ラフィネクラブ」の見出しの下に具体的な取扱い商品が明記されていないとしても、少なくても本件請求に係る指定商品中の「被服」に該当する商品を理解するとみるのが自然であるから、乙第8号証は、取扱い商品を理解し得ない店舗に関する広告ということはできない。
よって、請求人の上記主張は、採用できない。
(4)本件商標の使用時期について
乙第8号証の左上部に記載された「2009−3.10(火)」から、同号証は、平成21(2009)年3月10日に発行されたものと認められ、これは、本件審判の請求の登録前3年以内に該当するものである。
(5)小括
前記(1)ないし(4)によれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中、「被服」に含まれる「洋服」について本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしたというべきである。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中、「被服」に含まれる「洋服」について本件商標の使用をしていたことを証明したものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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