結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300849(T2009−300849/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2059510号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和61年3月25日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年7月22日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、平成20年7月23日に指定商品の書換登録があった結果、第6類「金属製彫刻」、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」、第19類「石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻」及び第20類「額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻」とするものである。
請求人は、本件商標の指定商品中、第16類「印刷物」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第16類「印刷物」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきでものある。
被請求人は、平成21年10月7日付けの答弁書で本件商標が付された季刊誌「ルネライフ」を「分譲住宅居住者」に向けて刊行・配布し、また、冊子「RenaiClub」を「会員」に向けて配布し、かつ、冊子「あなたの不動産 税金は(〔社〕全国宅地建物取引業協会連合会編集)」を「マンション購入者」に向けて配布していることを主張する。
しかしながら、対象を「分譲住宅居住者」、「会員」、又は「マンション購入者」に限定して当該季刊誌並びに冊子を刊行・配布する行為は、商標法第50条で定める「商標の使用」とはいえない。
すなわち、登録商標は、これを使用した商品が流通過程におかれ、商標としての機能を果たしてこそ独占権を与えて保護されるべきものであると考えられる。
しかるに、当該季刊誌「ルネライフ」、冊子「RenaiClub」及び「あなたの不動産 税金は(〔社〕全国宅地建物取引業協会連合会編集)」は、被請求人が販売する分譲住宅の居住者にのみ配布されるもの、又は対象を「会員」に限定して発行されるもの及び「マンション購入者」に限定して配布されるものであるから、流通過程におかれ商標としての機能を発揮することができる状態での使用とはいえず、独占権を与えて保護すべき使用態様とはいえない。
また、当該季刊誌「ルネライフ」及び冊子「RenaiClub」は、被請求人が販売する分譲マンションの宣伝・広告を目的とするものであり、商標法上の商品「印刷物」には、該当しないから、被請求人が当該季刊誌及び冊子に本件商標を付して配布する行為は、指定商品「印刷物」についての商標の使用とはいえない。
そして、当該冊子「あなたの不動産 税金は(〔社〕全国宅地建物取引業協会連合会編集)」は、被請求人が販売する分譲マンションの購入者に向けて税金に関する情報を提供を目的とするものであり、分譲マンションの販売・管理業務に付随するサービスにすぎないから、商標法上の商品「印刷物」には該当せず、被請求人が当該冊子に本件商標を付して配布する行為は、指定商品「印刷物」についての商標の使用とはいえない。
さらに、被請求人は、当該冊子を「業として」発行している旨主張するが、「業として」とは「一定の目的の下に継続・反復して行う行為として」のような意味であるところ、当該冊子「RenaiClub」が継続・反復して発行されているかは明らかでなく、このような使用は、商標法第50条で定める「商標の使用」とはいえない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第15号証を提出した。
(1)被請求人は、「総合ハウジングサービス株式会社」、「ルネ都市開発株式会社」、「ルネストーリア・アセット・マネジメント株式会社」とともに「総合地所グループ」を形成しており、マンション・戸建事業、開発事業、ビル事業、商業開発、賃貸事業、管理事業、アセットマネジメント事業、プロパティマネジメント事業等、総合的な不動産事業を展開している(乙第1号証)。
まず、被請求人は、その企業理念である「人間性を尊重した住環境づくり」の一環として、イベントやサークルなどコミュニティ活動への積極的なサポートを行っており、暮らしをより楽しく深めるコミュニティーマガジン、「ルネライフ」を刊行している(乙第2号証)。本件商標が付されたこの季刊誌は、26年前より現在に至るまで、分譲住宅居住者に向けて、年に4回刊行・配布されており(乙第2ないし第9号証)、2008年夏号では、刊行100号を迎えた(乙第6号証)。
この季刊誌「ルネライフ」において、背表紙に本件商標が付されていることは明らかである(乙第3ないし第9号証)。季刊誌は、指定商品の「印刷物」の一種であるし、当該季刊誌の刊行・配布が「業として」「生産」又は「譲渡」に該当することは、言うまでもない。
また、発行日は、明らかではないが、少なくとも表紙の「2007」「2008」「2009」の語が発行年を表わしていることは、当然であり、また、巻末のアンケートの締切日に「平成19年10月31日」などと記載されていることからも、本審判請求登録前3年以内に発行されたものであることは、容易に推定されるところである。
(2)次に、被請求人は、新築物件の特集として、会員向けの冊子「RenaiClub」を発行している(乙第10号証)。こちらも、背表紙に本件商標が付されており、発行日も同じく裏表紙に表記されているように、平成21年1月20日で本審判請求登録前3年以内に発行されていることが明らかである。冊子は、指定商品の「印刷物」の一種であるし、当該冊子の刊行・配布が「業として」「生産」又は「譲渡」に該当することは、言うまでもない。
(3)さらに、被請求人は、毎年「あなたの不動産 税金は(〔社〕全国宅地建物取引業協会連合会編集)」という、不動産の売買や賃借に係る税金についてまとめた冊子を、マンション購入者に向けて配布している(乙第11ないし第13号証)。この冊子自体は、被請求人の発行によるものではないが、制作協力を行っている「株式会社テクノート」という会社が、被請求人からの発注により、本件商標と社名の略号を出所として表紙に表示したものを納品しており、これを被請求人が配布している(乙第14及び第15号証)。この冊子は、平成19年版、平成20年版、平成21年版と、本審判請求登録前3年以内に発行されていることは、明らかであるし、指定商品の「印刷物」の一種であり、当該冊子の配布が本件商標を付した商品を「業として」「譲渡」する行為に該当することは、言うまでもない。
(4)以上述べたとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を指定商品「印刷物」について使用していることが明らかである。
(1)乙第1号証は、被請求人及びその関連会社の「事業内容」であり、乙第2号証は、不動産会社ガイド「SUUMO」の被請求人のグループ会社に関する紹介記事であることから、被請求人が季刊誌「ルネライフ」を発行していることが分かる。
(2)乙第3ないし第9号証は、季刊誌「ルネライフ」の一部写しであるが、それぞれ、2007年秋及び同年冬、2008年春、同年夏、同年秋及び同年冬、2009年春となっており、それぞれの時期に配布されていることが分かると共に、乙第3号証の3ページのアンケート締切日に「平成19年10月31日」と記載されていることから、本件審判請求の登録前3年以内に発行されたものであることは推認し得るものであり、それぞれの背表紙には本件商標が付されている。
(3)乙第10号証は、被請求人の発行する冊子「RenaiClub」の写しであるが、背表紙に本件商標が付されており、発行日(平成21年1月20日)が表記されており、その後配布されたことが推認できる。
(4)乙第11ないし第13号証は、冊子「あなたの不動産 税金は」の写しであるが、これには、表面に本件商標が付されており、奥付に発行の日付(平成19年6月15日、同20年7月8日、同21年6月17日)が示されており、また、乙第14及び第15号証によって、該冊子が平成21年5月19日に発注され、少なくとも同年6月24日までには、被請求人に納品されたものである。
そして、本件商標と季刊誌及び冊子に付されている使用に係る商標とが、社会通念上同一の商標であることについては、争いがない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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