Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼・観念類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−13730(T2009−13730/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「紀州梅まぐろ」の文字を標準文字により表してなり、第29類「まぐろ(生きているものを除く。)」及び第31類「まぐろ(生きているものに限る。)」を指定商品として、平成20年7月7日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5055323号商標(以下、「引用商標」という。)は、「紀州梅まだい」の文字を標準文字により表してなり、平成18年7月5日に登録出願、第29類「真鯛(生きているものを除く。)」を指定商品として同19年6月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「紀州梅まぐろ」の文字を書してなるところ、該構成中の後半に表された「まぐろ」の文字部分は、魚の一種を指称する語である。
そして、本願商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、「まぐろ」の文字部分を商品の普通名称を表示する語と認識、把握し、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、構成前半の「紀州梅」の文字部分にあるものと理解するというのが相当である。
ところで、簡易迅速を旨とする商品取引の場にあって、取引者、需要者は、その商品に付された商標の商品識別の機能を有する部分を適宜抽出し、その称呼を簡略化して取引に資する場合があることは経験則上明らかなところであるから、本願商標は、該「紀州梅」の文字部分より、単に「キシューウメ」と略称して取引される場合も少なくないものといえ、また、該文字部分よりは「紀州の梅」の観念を生ずるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「キシューウメマグロ」の一連の称呼を生ずるほか、「紀州梅」の文字部分に相応して「キシューウメ」の称呼をも生ずるものであり、また、「紀州の梅」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「紀州梅まだい」の文字を書してなるところ、該構成中の後半に表された「まだい」の文字部分は、魚の一種を指称する語である。
そして、引用商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、「まだい」の文字部分を商品の普通名称を表示する語と認識、把握し、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、構成前半の「紀州梅」の文字部分にあるものと理解するというのが相当である。
そうすると、簡易迅速を旨とする商品取引の場にあって、取引者、需要者は、「紀州梅」の文字部分を自他商品の識別標識としてとらえ、これをもって取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当であるから、引用商標は、その構成文字全体に相応して「キシューウメマダイ」の一連の称呼を生ずるほか、「紀州梅」の文字部分に相応して「キシューウメ」の称呼をも生じ、「紀州の梅」の観念を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「キシューウメ」の称呼及び「紀州の梅」の観念を共通にするものであり、また、その外観においても、「紀州梅」の構成文字を共通にするものであるから、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、取引者・需要者・販売場所等を共通にする類似の商品である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、取引の現場において、「紀州梅まぐろ」について「紀州」の文字を小さく「梅まぐろ」の文字を大きく表して使用している態様があることや、「紀州梅まだい」について、「梅まだい」の文字のみで表されている事例があることを挙げ、両商標の自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、それぞれ、「紀州梅まぐろ」又は「梅まぐろ」、「紀州梅まだい」又は「梅まだい」である旨主張している。
しかしながら、仮に本願商標及び引用商標から「紀州」が分離された場合であっても、取引者、需要者は、前記と同様に、構成中の「まぐろ」又は「まだい」の文字部分を、それぞれその指定商品の普通名称を表示する語と認識し、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、構成中の「梅」の文字部分にあるものと理解するもので、互いに「ウメ」の称呼及び「梅」の観念を共通にする類似の商標であるとするのが相当であるから、上記の事情をもって本願商標と引用商標とが相紛れるおそれのない非類似の商標と判断することはできない。
また、請求人は、取引者、需要者等において、「まぐろ」か「タイ(まだい)」かでは非常に大きな違いとして認識されるところ、両商標に接する取引者、需要者等が「紀州梅まぐろ」や「紀州梅まだい」を「紀州梅」(キシューウメ)として称呼・認識することはない旨も主張している。
しかし、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであると解されているところ、商品としては「まぐろ」か「まだい」かの相違はあるとしても、両商標における「まぐろ」又は「まだい」の各文字部分は、前記のとおり、その指定商品との関係において当該指定商品の普通名称を表すにすぎない部分であって、「紀州梅」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすというのが相当であり、両商標に接する取引者、需要者は、「紀州梅」印のまぐろ又はまだいであると認識し、記憶するものであるから、互いに類似する商品に使用される両商標は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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