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Trademark Appeal Case

図形商標の観念・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−13285(T2009−13285/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第16類「紙類,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,衛生おしりふき,紙製包装用容器,プラスチック製袋,プラスチック製包装用フィルム又は袋」を指定商品として、平成20年6月2日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5141404号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年11月12日登録出願、第16類「紙類,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,衛生おしりふき」を指定商品として、同20年6月13日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、「N」と「i」及び「i」と「N」の文字をデザイン化した「NiSSHiNBO」の欧文字と一見して、「温水式洗浄便座」をモチーフにしたと思しき図形を表したものと理解されるものとからなるものである。そして、その構成からすれば、これら文字部分と図形部分とは、それぞれ独立して自他商品の識別標識となり得るものである。

そこで、その構成中の図形部分をさらに詳細に観察すれば、ドーナツ状のいわゆる「O型便座」をモチーフにしたものであって、噴出する温水の水滴は楕円形であって、便座の中心点より上部に向かった水滴が2方向に分かれ、半円状の軌跡が描かれているものである。

一方、引用商標は、別掲2のとおり、これも一見して、「温水式洗浄便座」をモチーフにしたと思しき図形を表したものと理解されるものであって、これをさらに詳細に観察すれば、馬蹄形状のいわゆる「U型便座」をモチーフにしたものであって、噴出する温水の水滴は真円形であって、便座の中心点より上部に向かった水滴が2方向に分かれ、半円状の軌跡が描かれているものである。

そこで、本願商標の図形部分と引用商標を比較するに、外観において、両者は、共に、一見して、「温水式洗浄便座」をモチーフにしたと思しき図形を表したものと理解されるものであって、基本的な構成態様については、(ア)便座が描かれている点、(イ)噴出する温水の水滴が上部に向かい、さらに水滴が2方向に分かれて描かれている点、において共通するものであるのに対し、両者の大きな相違点は、モノクロではっきりとした描き方と色彩が付されてぼやかした様に表現された描き方とを異にすることのみといえる。

もっとも、本願商標の図形部分と引用商標の各部の具体的態様について仔細にみれば、便座と思しき形状、水滴と思しき形状及びその数等、細部において、差異点が存することは否定できない。

しかしながら、「取引者・需要者が、図柄によって構成される商標について、必ずしも、図柄の細部まで正確に観察し、記憶し、想起してこれによって商品の出所を識別するとは限らず、商標全体の主たる印象によって商品の出所を識別する場合が少なくない。これは、我々の日常の経験に照らして明らかである。」(東京高裁 平成12年(行ケ)第147号)と判示されているところ、このことを前提にして考えるに、本願商標と引用商標は、その構成態様からして、いずれも「温水式洗浄便座」をモチーフにしたと思しき図形を表したものとして強く印象付けられるというのが相当である。

そして、両商標の図形部分からは、共に特定の称呼が生ずるものとはいえないが、「温水式洗浄便座」をモチーフにしたと思しき図形を表したものを認識するという点において、互いの観念を共通にするものといい得る。

そうすると、両商標の図形部分は、それぞれを特徴付ける主要な部分において、その構成の軌を一にするものというのが相当であるから、観念における共通性とも相まって、それぞれの商標の図形部分の構成全体の有する外観上の印象が互いに相紛らわしいというべきであって、互いにシリーズ商標の如く見られるほどに近似した印象を与えるものであるから、たとえ、色彩及び表現方法において差異を有し、仔細に観察すれば、便座と思しき形状、水滴と思しき形状及びその数等の点において差異を有するものであるとしても、これらの差異は、時と所を異にして離隔的に観察した場合には、両者の主要な構成要素の共通性の中に埋没する微差にすぎないというべきであって、看者の印象に強く影響を与えるものとはいい難い。

してみれば、本願商標と引用商標は、外観及び観念において、互いに相紛らわしい類似の商標であるというのが相当であり、かつ、他に両者を非類似とすべき特段の事情は見いだせない。

また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。

なお、請求人(出願人)は、「過去の審決例においては、一見、互いに同じモチーフを基にデザインされたと思しき図形からなる商標であっても、『看者に対して与える印象が両者で異なる』との理由で非類似と判断されている例が多数ある。」旨主張している。

しかしながら、かかる構成において、請求人が主張するような、明確な印象の相違があるとは、直ちに認め難く、また、これに接する需要者等が、必ずしも、図形の細部まで正確に観察し、記憶し、想起してこれによって商品の出所を識別するとは限らず、商標全体の主たる印象によって商品の出所を識別する場合が少なくないというべきであることは、さきに述べたとおりであるから、請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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