Trademark Appeal Case
図形商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−8625(T2009−8625/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第36類及び第41類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年4月1日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同21年2月23日付け手続補正書及び当審における同21年6月22日付け手続補正書により、第41類「糖尿病学に関するセミナー・国際会議・シンポジウム・講演会・研修会・研究会及び研究発表会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,糖尿病学に関する研究業績に対する表彰並びに表彰式の企画・運営又は開催,糖尿病学に関する知識の教授,糖尿病学に関する電子出版物の提供,糖尿病学に関する図書及び記録の供覧,糖尿病学に関する書籍・定期刊行物・ニューズレターその他の出版物・電子出版物の制作」に補正され、第36類に属する役務については、全て削除されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第5087118号商標(以下「引用商標」という。)と外観において類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成19年3月5日に登録出願、第41類「当せん金付証票の発売,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」を指定役務として、同年10月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1に示すとおり、その一部が細く描かれた、青色のグラデーションを施したリング状の図形と、そのリング状の図形の右斜め上方向に、同じく、その一部が細く描かれた、青色のグラデーションを施したリング状の図形を重ねてなるものである。
他方、引用商標は、別掲2に示すとおり、藍色で「BRAVE CIRCLE」の欧文字を書してなり、その文字の左側に、前記文字より大きく、その一部が細く描かれ、青色の濃淡を施したリング状の図形と、そのリング状図形の右斜め上方向に、その一部が細く描かれた、青色の濃淡を施したリング状の図形を重ねた図形(以下「リング図形」という。)を配してなるものである。
しかして、引用商標の構成中「リング図形」は、「BRAVE CIRCLE」の文字に比べ、かなり大きく描かれていることから、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。
そして、「リング図形」及び「BRAVE CIRCLE」の文字が、一連一体としてなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められないものである。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標に接する取引者、需要者は、引用商標の構成中「リング図形」に強く印象を留め、かかる部分が独立して取引に資させる場合があるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標中の「リング図形」とを比較すると、両者は、共に、青色系統の色を使用し、かつ、色合いについて、互いに、濃淡を施してなるものである。
また、両者の構成態様は、その一部を細い線で描いたリング状図形を右斜め上方向に重ねてなる点に共通性が認められることから、その着想、構図において、構成の軌を一にするものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標の構成中の「リング図形」は、看者に外観上酷似した印象を与えるものであるから、両商標を時と所を異にして、離隔的に観察した場合、互いに相紛れるおそれのあるものである。
そして、引用商標の指定役務は、本願の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。
2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
請求人は、「本願商標と引用商標を対比すると、両商標は、円の内側に内円を有する二つの図形を組み合わせてなるという点のみを共通とするものであって、その他の点において、著しく相違するものである。したがって、著しい差異を有する本願商標と引用商標との対比に至っては、当該差異が両商標の主たる印象に与える影響は、極めて大きいものと言わざるを得ず、互いに誤認混同するおそれは皆無である。」旨主張する。
しかしながら、前記1の認定のとおり、本願商標と引用商標とは、看者に外観上酷似した印象を与えるものであるから、例え、両商標が、請求人が主張する如き差異を有するものであるとしても、両商標の指定役務の分野における主たる需要者が、その普通に払われる注意力をもって、細部まで正確に観察し、記憶し、想起して役務の出所を識別するとは限らず、商標全体から受ける印象によって役務の出所を識別する場合が少なくないことをも併せ勘案すれば、両商標を誤認・混同するおそれが決して少なくないものとみるのが相当である。
よって、請求人の前記主張は採用できない。
また、請求人は、「本願の指定役務は、糖尿病研究者を対象とする役務であり、極めて特殊な特化された分野において用いられるものである。従って、引用商標の指定する一般的な役務とは、指定役務の提供の手段、目的又は場所、需要者、取扱い系統並びに業種等において互いに顕著に相違するものであり、具体的な指定役務の実態は互いに相違するものである。」旨主張する。
しかしながら、例え、本願の指定役務が、請求人が主張するように、糖尿病研究者を対象とするものであるとしても、本願の指定役務と引用商標の指定役務は、共に、「教育」を目的とした役務であり、かかる役務を提供する場所も、教育施設や研修施設であることから、提供場所も共通にするものである。
さらに、請求人は、本願の指定役務が、糖尿病研究者を対象とする役務である旨述べているが、その表示は、「糖尿病学に関するセミナー・国際会議・シンポジウム・講演会・研修会・研究会及び研究発表会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供」等と記載されているのみであることからすれば、かかるセミナー等の参加者は、糖尿病についての関心を有する者、例えば、糖尿病患者やその家族等が、かかるセミナーや講演会等に参加することも、当然として考えられるものであり、そうとすれば、かかる役務の需要者等が、必ずしも糖尿病研究者のみを対象にした限定された役務であるととはいえないことから、本願の指定役務と引用商標の指定役務の需要者の範囲は、一致するものと推認できるものである。
またさらに、本願の指定役務中の「糖尿病学に関する電子出版物の提供,糖尿病学に関する図書及び記録の供覧,糖尿病学に関する書籍・定期刊行物・ニューズレターその他の出版物・電子出版物の制作」と引用商標の指定役務中の「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作」とは、提供の手段、目的又は場所が一致し、かつ、同一の事業者が提供する役務であると認識し得るものである。
これらの事情を総合的に判断すれば、本願の指定役務が、例え、「糖尿病学に関する」役務と限定されているとしても、本願の指定役務と引用商標の指定役務は、提供の目的、提供の場所を共通にし、需要者の範囲も異なるものではなく、さらに、同一の事業者が提供することがある類似の役務というべきである。
よって、請求人のかかる主張も採用できない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
3 まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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