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Trademark Appeal Case

称呼・外観類似の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900275(T2009−900275/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5225550号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5225550号商標(以下「本件商標」という。)は、「ESTENITY」の欧文字と「エステニティ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成20年6月25日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成21年1月9日に登録査定、同年4月24日に設定登録されたものである。

2 本件登録異申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(ア)及び(イ)の登録商標並びに(ウ)の申立人の使用に係る商標を引用して、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当し、取り消されるべき旨を申立て、理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)引用商標

(ア)登録第2498854号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ESTENEY」の欧文字と「エステニー」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成2年11月15日に登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年1月29日に設定登録され、同14年11月19日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成15年7月9日に第3類「せっけん類,化粧品,香料類,歯磨き」とする指定商品の書換登録がされているものである。

(イ)登録第4510153号商標(以下「引用商標2」という。)は、「エステニー」の片仮名文字と「ESTENY」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成12年10月19日に登録出願、第21類「ボディースポンジ,ボディーブラシ,あかすり用タオル,浴用ヘチマ,浴用軽石,角質除去具,手動式美容用マッサージローラ,美容用痩身サウナベルト(化粧用具に属するもの),その他の化粧用具」を指定商品として、平成13年9月28日に設定登録されたものである。

(ウ)申立人の使用する商標は、筆記体風に書した「Esteny」、「ESTENY」、「エステニー」及び「エステニ」(以下、まとめて「引用商標3」という。)であり、申立人の業務に係る、ソープ、ジェル、マッサージクリーム、バスソルト等の女性消費者向け各種ボディケア商品について使用をするものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1及び2と、外観、称呼及び観念において類似し、また、本件商標の指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」については、引用商標1の指定商品と、同じく「つけづめ,つけまつ毛」については、引用商標2の指定商品と、それぞれ同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標3は、本件商標の登録出願日以前から申立人の業務に係るサナ(SANA)ブランド商品の一つとして、主にボディの引き締め効果を訴求するシリーズとして開発され、ヒップ用、ウェスト用、全身用等のパーツ別にソープ、ジェル、マッサージクリーム、バスソルト等をシリーズで使用することにより、自宅で簡単にエステ気分を味わえることを特徴する女性消費者向け各種ボディケア商品(第3類「せっけん類、化粧品」に属する商品)を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く知られ、現在もその状況が継続している(甲第5号証の1ないし甲第13号証の50)。

本件商標は、引用商標3と類似し、引用商標3の使用に係る商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

また、本件商標がその指定商品ついて使用された場合、その取引者・需要者に対し、申立人の業務に係る商品の出所について誤認を生じさせるか、いわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品か事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信させ、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、前記1のとおり、「ESTENITY」の文字と「エステニティ」の文字とを上下二段に横書きしてなるものであるところ、その構成各文字は、欧文字8字と片仮名文字6字とがそれぞれ同書、同大、等間隔で表されており、外観上まとまりよく一体的な構成からなるものである。

また、本件商標は、欧文字と片仮名文字を併記した構成からなるものであるが、片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定する役割を果たすものと無理なく認識できるものであるから、片仮名文字の「エステニティ」の文字部分に相応して生ずる「エステニティ」の称呼が本件商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

そして構成各文字は、特定の意味を有しない語と認められる。

してみれば、本件商標は、「エステニティ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じない造語からなるものといえる。

これに対し、引用商標1は、その構成前記2のとおり、「ESTENEY」の文字と「エステニー」の文字とを上下二段で横書きしてなるところ、その構成各文字は、欧文字7文字と片仮名文字5文字とがそれぞれ同書、同大、等間隔で表されており、外観上まとまりよく一体的な構成からなるものである。

また、引用商標2は、その構成前記2のとおり、「エステニー」の文字と「ESTENY」の文字とを上下二段で横書きしてなるところ、その構成各文字は、片仮名文字5文字と欧文字6字とがそれぞれ同書、同大、等間隔で表されており、外観上まとまりよく一体的な構成からなるものである。

そして、引用商標1及び2は、片仮名文字部分より生じる「エステニー」の称呼が欧文字部分の称呼を特定する役割を果たすものといえるから、それぞれ「エステニー」の称呼が自然称呼であり、かつ、それぞれの構成各文字は、特定の意味を有しない造語である。

(2)そこで、本件商標と引用商標1及び2とを比較するに、本件商標は「エステニティ」の称呼を生じ、引用商標1及び2は「エステニー」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は、前者が拗音を含む6音から構成されているのに対し、後者は長音を含む5音から構成されていることから、構成音数において差異を有しているものである。

そして両称呼は、それぞれ冗長とはいいがたい音構成にあって、語尾音において、前者が「ティ」の音、後者が「ニー」の音に差異を有するとともに、前者の「エステニティ」の称呼は、第4音の「ニ」と語尾の「ティ」の音の間に抑揚ないしは段落をもって発音されることから、「ティ」の音が明瞭に聴取されるということができるのに対して、後者の「エステニー」は、全体がよどみなく一連に発音されるものであるから、両者は、音調、音感が異なるものであり、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼した場合、相紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。

次に、外観についてみるに、まず本件商標と引用商標1は、語頭から「ESTEN」と「エステニ」の文字部分を同じくするものであるが、語尾において「ITY」と「EY」及び「ティ」と「ー」の文字部分に差異を有するものであり、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合でも、両商標に接する需要者、取引者は、通常払うべき注意力をもってすれば、これらの文字の相違を十分に認識して商取引に資するものというべきであり、外観上見誤るおそれはないというべきである。

次に、本件商標と引用商標2とは、語頭から「ESTEN」と「エステニ」の文字部分を同じくするものであるが、両者は、欧文字部分と片仮名文字部分が上下に入れ替わっている差異を有するのに加えて、語尾において「ITY」と「EY」及び「ティ」と「ー」の差異を有するものであり、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合でも、両商標に接する需要者、取引者は、外観上見誤るおそれはないというべきである。

そして、本件商標と引用商標1及び2は、それぞれ造語であるから、観念上比較することはできないものである。

してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなけらばならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第10号該当性について

(ア)申立人の提出した証拠によれば、申立人は、引用商標3のうち、筆記体風に書した「Esteny」と「エステニー」の商標を、1993年以降、申立人のサナ(SANA)ブランドのもとで、自宅で簡単にエステ気分を味わえることを特徴するソープ、ジェル、マッサージクリーム、バスソルト等の女性消費者向け各種ボディケアのシリーズ商品について使用していることが認められ、その結果、該「Esteny」と「エステニー」商標は、その需要者(女性消費者)間において相当程度認識されているものと認められる(甲第5号証の2ないし甲第12号証の16)。

そして、引用商標3のうち、「エステニ」及び「ESTENY」の商標は、提出された証拠からは、申立人が使用している事実を見いだすことができない。

(イ)そうとすると、本件商標と申立人の使用に係る「Esteny」と「エステニー」商標とは、前記(2)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断できるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第15号該当性について

前記(3)(ア)のとおり、申立人の使用に係る「Esteny」及び「エステニー」の商標が申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者間で相当程度認識されているとしても、本件商標と「Esteny」及び「エステニー」の商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、別異の商標であると判断できるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が「Esteny」商標を想起又は連想して、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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