Trademark Appeal Case
繊維断面図の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年異議第90602号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4042525号商標(以下「本件商標」という。)は、平成1年4月14日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年8月15日に設定登録されたものである。
2 異議申立の理由
本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 取消理由
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
登録異議申立人(以下「申立人」という。)三菱レイヨン株式会社の提出に係る甲第3号証の「最新の紡糸技術」(繊維学会編 (株)高分子刊行会 1992年2月20日 発行)によれば、「第9章 超極細繊維の紡糸」の「9.3 フィラメントタイプの紡糸」の「9.3.2 高分子相互配列体繊維紡糸法と複合紡糸法」の「9.3.2.2 剥離型または分割型繊維紡糸法」に「図14 中空環状花弁型複合繊維」の断面図の写真が掲載、同じく、同第4号証の「[一億人の化学]・6 ファッションと化学」((社)日本化学会編 大日本図書(株)1992年3月15日 発行)によれば、「7 繊維の形と機能、特性」の「(7)超極細繊維」の項に「図3 B 中空放射型複合繊維(分割後)」の走査型電子顕微鏡による複合繊維の断面図の写真が掲載、同じく、同第5号証の「繊維学会誌」(平成4年7月 発行)の「最新の繊維高次加工技術特集」の「最先端の新合繊・加工技
同じく、同第6号証の「新繊維材料入門」(日刊工業新聞社 1996年5月20日 発行)によれば、「第5章 高感性繊維」の「5.2 超極細繊維」の「5.2.2 超極細長繊維(フィラメントタイプ)の製造法」の「(2)離型複合繊維」の項に「図5−7『ハイレーク』の薬品処理による分割の状態変化。・・・」の「(a)ナイロンとポリエステルが交互に配列」、「(b)化学処理によりナイロンが収縮」及び「(c)ナイロンとポリエステルがバラバラになる。」の中空繊維の分割状態の断面図の写真がそれぞれ掲載され、本願商標と同様の構成の電子顕微鏡による複合繊維の断面図の写真がそれぞれ掲載されて使用されていることが認められる。
また、同人提出の甲第22号証及び同第23号証(商品カタログ、新聞広告)、申立人東レ株式会社の提出に係る甲第1号証乃至同第3号証(商品カタログ)、申立人株式会社クラレの提出に係る甲第1号証乃至同第5号証(商品カタログ、新聞広告)並びに申立人帝人株式会社の提出に係る甲第1号証乃至同第5号証(下げ札)及び同第7号証乃至同第10号証(リーフレット、新聞記事)によれば、断面を含む繊維の顕微鏡写真の表示が認められる。
以上の事実によれば、電子顕微鏡による複合繊維の断面図の写真が各社によって広告、カタログ等に説明文と共にそれぞれの繊維の構造、特性等を端的に表すものとして使用されており、かつ、本願商標と同様の繊維断面の類型が存在することが認められる。かかる実状のもとにおいては、本願商標は、電子顕微鏡による複合繊維の断面図を表したものとして認識されるものとするのが相当である。
してみれば、このような構成よりなる本願商標をその指定商品中「複合繊維からなる商品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、原材料を表示するものと理解するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないものであり、また、本願商標をその指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものとする登録異議の申立ては、その理由があるものと認められる。
よって、結論のとおり決定する。
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