Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900285(T2009−900285/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5226308号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2008年8月27日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成20年11月26日に登録出願、第5類「外皮用薬剤,皮膚疾患治療用薬剤,皮膚科用薬剤,医薬用皮膚用ローション剤,その他の薬剤」を指定商品として、同21年3月27日に登録査定、同年4月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。なお、これらの商標をまとめていうときは、以下「引用商標」という。
ア 国際登録第570231号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SALUS」の欧文字を横書きしてなり、1990年10月11日に国際登録、2007年10月31日に事後指定され、第3類「Cosmetics, essential oils, cosmetic preparations for baths.」、第5類「Dietetic beverages adapted for medical purposes; dietetic foods adapted for medical purposes.」、第30類「Teas, particularly aromatic teas.」及び第32類「Fruit juices, vegetable juices as beverages, these products also as dietetic beverages not for medical purposes.」を指定商品として、平成21年11月6日に設定登録されたものである。
イ 登録第1377013号商標(以下「引用商標2」という。)は、「サーラス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和50年10月6日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年4月27日に設定登録されたものである。その後、平成元年5月26日、同11年5月6日及び同20年11月18日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同21年3月25日に第1類「化学品,植物成長調整剤」とする書換登録がなされたものである。
(2)商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号について
本件商標は、「NEOSALUS」の欧文字と横波線図形からなるところ、その欧文字の前半の「NEO」の文字が「新しい、近代の」等の意味を有する英語として親しまれているものであって、各種商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示する語として使用され、自他商品識別機能を発揮することのできない文字であるから、その欧文字の要部は「SALUS」の文字部分にあるから、これより「サルス」又は「サラス」の自然的称呼をも生ずるものである。
これに対し、引用商標1からは「サルス」又は「サラス」の自然的称呼を生じ、引用商標2からは「サーラス」の自然的称呼を生ずるものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼上混同の生ずる類似の商標である。
そして、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品中、第5類「Dietetic beverages adapted for medical purposes; dietetic foods adapted for medical purposes.」(和訳:食餌療法用飲料,食餌療法用食品)、第32類「Fruit juices, vegetable juices as beverages, these products also as dietetic beverages not for medical purposes.」(和訳:果実飲料,飲料としての野菜ジュース(食餌療法用飲料としてのこれらの製品を含む。)(医療用でないもの))及び引用商標2の指定商品中の「植物成長調整剤」とは、類似する商標を使用した場合、同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれのある類似する商品である。
したがって、本件商標は、引用商標1との関係においては商標法第8条第1項に違反して登録されたものであり、引用商標2との関係においては同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否についてみるに、本件商標は、別掲のとおり、「NEOSALUS」の欧文字と3本の波線の図形からなるところ、これを構成する欧文字中の「SALUS」の語は「セイラス」と発音され「サルス:古代ローマの健康と繁栄の女神」の意味を有する英単語(小学館ランダムハウス英和大辞典<特装版>)であるが、広く一般に知られている語ではないことから、外観上まとまりよく一体的に表現されている構成に着目して、その構成文字全体をもって把握されるとみるのが自然であり、これより生ずるものと認められる「ネオセイラス」あるいは「ネオサルス」、「ネオサラス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、その構成中の「NEO」の文字が商品の品質等を表す語として用いられる場合があるとしても、かかる構成においては商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識されるとみるのが相当であり、他に構成中の「SALUS」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ネオセイラス」あるいは「ネオサルス」、「ネオサラス」なる一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「サルス」あるいは「サラス」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。
してみれば、本件商標から「SALUS」の文字部分も独立して認識されることを前提に、本件商標と引用商標とが類似するものとする申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
なお、申立人は、本件商標の指定商品である「薬剤」と引用商標の指定商品とは類似する商品である旨主張しているので、この点についてみるに、確かに、本件商標の指定商品中には、引用商標2の指定商品中の「植物成長調整剤」も含まれているものといえるから、その限りにおいては、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは類似しているということができる。
しかしながら、引用商標1の指定商品中の第5類「食餌療法用飲料,食餌療法用食品(和訳)」及び第32類「果実飲料,飲料としての野菜ジュース(食餌療法用飲料としてのこれらの製品を含む。)(医療用でないもの)(和訳)」の商品中には、特定保健用食品といえるものがあり得るとしても、それらは、あくまでも、国の許可を受けて食品の持つ特定の保健の用途を表示して販売することができるにすぎない「食品」であって、本件商標の指定商品である「薬剤」と直ちに類似の関係にある商品とはいえず、申立人が挙げている審判決で争われたいわゆる健康食品に含まれる栄養補助食品(サプリメント)と同一に扱うことはできない。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは類似しない商品である。
(2)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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