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Trademark Appeal Case

称呼の類否と分離観察

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900306(T2009−900306/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5230948号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5230948号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年11月29日に登録出願され、第14類、第18類及び第24類ないし第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同21年3月30日に登録査定、同年5月15日に設定登録され、現に有効に存続するものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4475042号商標(以下「引用商標」という。)は、「BLISS」の文字を横書きしてなり、平成12年1月6日に登録出願され、第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同13年5月18日に設定登録され、その後、同18年10月16日に、指定商品中、第14類「貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振り出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ」についての登録を取り消す旨の審決が確定し、同年11月10日に審判の確定登録がされているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)本件商標は、要部において引用商標と称呼上及び外観上類似し、かつ、観念上も極めて近似するものであり、その指定商品中、第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」及び第18類「かばん金具,がま口口金,かばん類,袋物」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)引用商標は、申立人の業務に係る宝飾品に使用する商標として需要者の間に広く認識されているから、本件商標をその指定商品中、第14類及び第18類に属する商品について使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)よって、本件商標は、その指定商品中、第14類及び第18類に属する商品については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、別掲のとおり、上段に「Blissty」の文字を顕著に表し、下段に「INGNI」の文字を小さく表した構成からなるところ、該「Blissty」と「INGINI」の各文字は、文字の大きさが顕著に相違しており、書体も異にするものであるから、視覚上容易に分離して看取されるばかりでなく、両者が常に不可分一体にのみ認識されるとみるべき格別の理由も見いだし難いものであるから、両文字部分がそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものということができる。

そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ブリスティイングニ」の称呼を生ずるほか、「Blissty」と「INGINI」の各文字に相応して、「ブリスティ」又は「イングニ」の称呼をも生ずるものである。

また、本件商標を構成する「Blissty」及び「INGNI」の各文字は、いずれも親しまれた観念を有する成語を表したものとは認められない。

他方、引用商標は、「BLISS」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「無上の喜び、至福」(ランダムハウス英語辞典(Windows版)甲第3号証)の意味を有する英語を表したものと認められ、「ブリス」の称呼を生ずるものである。

しかして、本件商標から生ずる「ブリスティイングニ」、「ブリスティ」及び「イングニ」の各称呼と引用商標から生ずる「ブリス」の称呼とを対比するに、まず、「ブリスティイングニ」及び「イングニ」の各称呼と「ブリス」の称呼とは、構成音数及び音構成が明らかに異なり、容易に区別することができるものである。次に、「ブリスティ」の称呼と「ブリス」の称呼にしても、構成音数を異にし、末尾における「ティ」の音の有無という顕著な差異を有しており、かかる差異が比較的短い音構成全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称するときは全体の音感・音調が異なり明瞭に区別することができるものである。

そして、本件商標は、前記のとおり、親しまれた観念を有しないものである以上、引用商標と観念について比較することができない。また、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品「宝飾品」について使用する商標として周知著名になっている旨主張し、証拠(甲第4号証ないし甲第66号証)を提出しているので、以下検討する。

(ア)甲第4号証ないし甲第51号証は、いずれも本件商標の登録出願後である2009年11月4日から同月9日の間にプリントアウトされたウェブサイトの写しと認められる。このうちの甲第4号証及び甲第5号証には、「DAMIANI」及び「ダミアーニ」の表示があるものの、引用商標の記載は一切見当たらない。

また、その余のウェブサイトの記載内容にしても、本件商標の登録出願前の事実を記載したものと認められるものは、甲第7号証ないし甲第10号証及び甲第34号証のみであり、多くは、本件商標の登録出願後である2009年1月22日に行われた申立人に係る表参道ヒルズ店のオープン記念セレモニーに、モデルの「パリス・ヒルトン」を起用したことに関連したものである。

(イ)甲第52号証ないし甲第55号証は、2002年1月から2004年11月までの間における申立人の業務に係る商品の売上明細表の写しと認められるところ、該売上明細表中の「Collection」の欄に「Bliss」ないし「Other」の表示が見られるものの、その具体的な使用態様は必ずしも明らかでない。

(ウ)甲第56号証ないし甲第65号証は、申立人の日本法人が2002年11月から2004年5月までの間に発行した納品書の写しと認められるところ、該書面中に「Bliss」の表示が見られるのは、甲第56号証ないし甲第59号証のみであり、その他には「Bliss」の表示は一切なく、甲第60号証ないし甲第65号証の「Style No.」の欄に記載された「K33073」、「K31020」等の品番の商品に引用商標を使用して取引されたか否かは確認し得ない。

(エ)甲第66号証は、「ブリス売上明細表」と題する書面であって、前記甲第52号証ないし甲第55号証の売上明細表を集計したものと認められ、その売上数量も、引用商標が付されていたか否か明らかでない前記「Other」と表示されたものも含めて1,167個とそれ程多いものではない。

(オ)その他、本件商標の登録出願前に引用商標を使用した商品について、積極的に宣伝、広告等された事実を示す証拠はない。

イ 以上によれば、引用商標は、表参道ヒルズ店のオープン記念セレモニーにモデルの「パリス・ヒルトン」を起用したことで、2009年1月ころから話題を集め、注目されたことがうかがえるとしても、本件商標の登録出願時には未だ取引者・需要者の間に広く認識されていなかったものといわざるを得ない。

ウ 加えて、本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

エ かかる事情の下において、本件商標は、これをその指定商品中、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」及び第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」(以下、これらを「本件指定商品」という。)について使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものということができる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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