Trademark Appeal Case
オーガニックファーマーズマーケットの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−6559(T2009−6559/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ORGANIC FARMER’S MARKET」の欧文字と「オーガニックファーマーズマーケット」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年2月20日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同21年5月7日付け提出の手続補正書により、第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ORGANIC FARMER’S MARKET』と『オーガニックファーマーズマーケット』の文字を二段に横書きに書してなるところ、その構成中、『ORGANIC』及び『オ−ガニック』の文字は、『有機栽培。またはその農作物。』などの意味を有し、『FARMER’S MARKET』及び『ファ−マ−ズマ−ケット』の文字は、『農作物直売所』を表す文字(語)として使用されていることから、全体として、『有機農作物の直売所』程の意味合いを認識させるものであり、かつ、『ファーマーズマーケット』において有機農作物や有機農作物を使用した商品等が販売されている実情があることから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の販売場所を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ORGANIC FARMER’S MARKET」と「オーガニックファーマーズマーケット」の文字からなるところ、「ORGANIC」及び「オーガニック」の文字は、「(「有機の」の意)有機農業による生産物であること。」(広辞苑第六版)を意味し、また、「FARMER’S MARKET」「ファーマーズマーケット」の文字は、「農産物直販店」(imidas2007 1275頁,株式会社集英社発行)、「農産物直売所」(現代用語の基礎知識2010 1488頁及び1489頁,自由国民社発行)を意味する語として広く知られているものである。
そして、「ORGANIC」及び「オーガニック」の文字と「FARMER’S MARKET」「ファーマーズマーケット」の文字とを結合したものと容易に認識される本願商標は、それぞれの文字の意味から構成全体として「有機農作物の直売所」程の意味合いを容易に認識されるものとみるのが相当である。
また、別掲に示すとおり、「オーガニックファーマーズマーケット」の文字が、「有機農作物の直売所」を表示するものとして実際に使用されている事実が見受けられるものである。
さらに、「ファーマーズマーケット」あるいは「オーガニックファーマーズマーケット」において、農産物の他、加工品、健康食品、ビール等を販売している実情も見受けられるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の販売場所等を表示するものと認められるものであって、自他商品の識別標識としての機能を有さないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。
(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、その構成文字から、『有機農作物の直売所』という意味のみならず、『組織的に運営されている農作物直売所』、『有機一体的に機能する農作物直売所』等といった種々の意味合いを容易に想起させるため、本願商標は、全体をもって何ら特定の意味合いを想起させない造語であると認識されるものである。また、原審で提示された使用例は、あくまでも、『FARMER’S MARKET\ファーマーズマーケット』の語が『農作物直売所』又は『農畜産物直売所』の意味合いで使用されている事実を示すものであって、『ORGANIC FARMER’S MARKET/オーガニックファーマーズマーケット』の文字が『有機農作物の直売所』の意味合いで普通に使用されている事実を示すものでない。してみれば、本願商標をその指定商品に使用したとしても、指定商品の販売場所を具体的に表示するものとして理解されることはなく、自他商品識別標識として機能するものである。」旨、主張する。
しかしながら、本願商標構成中の「ORGANIC」の文字が、「組織的な」、「有機的な」、「臓器の」等の意味を表す多義的な語として一般的によく知られている英語であり、また、「オーガニック」の文字が、「ORGANIC」の表音であるとしても、これらの文字は、「農畜産物直売所」等の意味を有する「FARMER’S MARKET」及び「ファーマーズマーケット」の文字と結合していることからすれば、「ORGANIC」及び「オーガニック」の文字部分は、「有機農業による生産物」を意味する語として把握されるとみるのが自然である。
また、「オーガニックファーマーズマーケット」の文字が、実際に「有機農作物の直売所」を表示するものとして、使用されていることは、別掲に示すとおりである。
してみれば、前記(1)で認定したとおり、本願商標は、構成全体として「有機農作物の直売所」の意味合いを認識させるものであると判断するのが相当であって、本願商標が、需要者に特定の意味合いを想起させない造語であると、認識させるものとはいえない。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
イ 請求人は、「本願の指定商品中『ビール,乳清飲料』は、発酵技術を駆使し、原材料に一定の加工を施して製造されるものであり、一般的な流通経路を通じてスーパーマーケット等の小売店や飲食店で販売されるのが通常である。その他の指定商品『ビール製造用ホップエキス』については、収穫されたホップに一定の加工が施され、ビール製造工場等に卸されるのが通常であって、『有機農作物の直売所、有機栽培農家の農作物直売所』が、本願の指定商品の販売場所となることはあり得ない。したがって、本願商標が、指定商品の販売場所を示すとは到底言い難く、本願商標は商品の特定の出所を表示するものとして需要者・取引者に認識され、充分自他商品識別力を有する商標である。」旨、主張する。
しかしながら、前記(1)で認定したとおり、「ファーマーズマーケット」等において、「農産物」の他、「農産物」以外の商品が販売され、「ビール」等の類の商品も「ファーマーズマーケット」において販売されている実情も認められるものである。
そうとすれば、請求人の「本願の指定商品が、有機農作物の直売所、有機栽培農家の農作物直売所といった場所で販売されるような商品ではないことから、本願商標がその指定商品の販売場所を表示するものではない。」との主張は客観的な根拠がなく、請求人のかかる主張も、採用することができない。
ウ 請求人は、過去の登録例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例等は、商標の構成及び指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができない。
エ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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