Trademark Appeal Case
図形商標の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91376号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4285374号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年3月17日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第28類「ビリヤード用具,運動用具,釣り具」を指定商品として、平成11年6月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
西暦1976年9月7日にイタリア共和国にした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定により優先権を主張して、昭和52年2月19日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第24類「運動用特殊ぐつ、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和57年6月29日に設定登録されている登録第1521245号商標(以下「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る「スポーツ用品」を表示する商標として「フォークドパッヂ」と称され、周知、著名になっているところ、本件商標は、引用商標と類似し、その指定商品も同一又は類似する商品について使用するものであり、また、引用商標は、別掲に示すとおりの構成よりなる申立人のポールをイメージした「●」をコアとするディアドラマーク(以下「使用商標」という。)のデザインコンセプトはカタログ等を通じて周知化が図られているものであり、さらに、申立人の主力製品の素材を表示する申立人所有の商標ではないが「KENYTEX」商標と共に商品に表示して使用しているものであって、本件商標をその指定商品について使用した場合、引用商標と使用商標のコアとなる「●」を組み合わせた、申立人の新しい商標であると認識することも少なくないと考えるのが相当であり、また、素材表示の「KENYTEX」と本件商標中の文字部分「Kenitec」とは類似する商標であるから、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人と何らかの経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがある。
また、本件商標は、申立人に係る著名商標に化体した信用にフリーライドする意思が推認でき、不正の目的があるものといえ、取引秩序の維持に反するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号及び同第7号に該当する。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲に示すとおり幾何図形と「Kenitec」の欧文字とよりなるものであり、構成中の幾何図形部分と欧文宇部分とは、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすと認められるものである。
そして、本件商標構成中の幾何図形部分は、幅広で上下の帯線部分を同じ長さで「く」の字状の幾何図形を表し、「く」の字状の下部帯線部分の弧状下部に「●」を描いた構成よりなるものである。
これに対して、引用商標は、右下から左上に向かって徐々に細長となる帯線を弧状を描き、さらに帯線の左先端部と同じ位置の線上で、右下部と同じ位置の右上線上から、帯線部分の全体の長さの3分の1の右側部分で、上下の高さの下部から3分の2の部分で下部弧状の帯線と重なる帯線を反弧状に描き、上下の帯線部分は、上部の帯線下部帯線に比しやや短く、重なった帯線の左先端部分を鋭角に描いた幾何図形よりなるものである。
そこで本件商標の幾何図形部分と引用商標とを比較するに、帯状の表し方が本件商標は同じ巾であるのに対し、引用商標は右側部分から左側部分に向かって細長となり先端が鋭角である点、帯線部分の重なる位置が、本件商標は上下の帯線の高さが2分の1の位置であるのに対し、引用商標は、3分の2の位置であって、これらの差が全体の長さのイメージの印象に与える影響は大きく、さらに、「●」の有無の差を有するもので、両者は、その構成において著しい差を有するものであるから、両者についての帯線の印象及びその全体の印象において、明瞭に区別し得るものといわざるを得ない。
なお、本件商標構成中の「●」部分は、ありふれた黒丸図形であって、申立人に係る使用商標の文宇部分の一部を構成する「●」であると認識させるとみるべき特段の理由は見いだせないものである。
してみれば、本件商標構成中の幾何図形部分と引用商標とは、その構成を異にするものであり、外観上、互いに紛れるおそれはないものである。
また、本件商標構成中の幾何図形部分は、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められないものであるから、本件商標構成中の幾何図形部分と引用商標とは、その称呼及び観念において類似する商標とすることはできない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、類似する商標とすることはできない。
さらに、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標がスポーツ、特にサッカー、テニスの愛好者の間に広く認識されていると認め得るとしても、素材を表す「KENYTEX」商標が引用商標と共に使用され、本件商標の登録出願の時前までに取引者、需要者の間に広く認識されていると認め得る証左は見いだせないものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、引用商標、使用商標、素材を表す商標を想起させず、申立人又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
そして、本件商標は、矯激、卑狼又は差別的な印象を与える文字及び図形よりなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。
さらに、本件商標は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的)をもって使用するものとは認められない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。