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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼と外観

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−15308(T2009−15308/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第35類、第38類及び第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年8月30日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年9月12日付け手続補正書により、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,市場調査に関するコンサルティング,派遣による市場調査,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売のための顧客情報の提供,商品の販売に関するコンサルティング,事業情報の提供,販売促進のための商品の展示会・見本市の企画・開催及び運営,職業のあっせん,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,派遣による電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,派遣による一般会社事務及び会計事務,一般会社事務及び会計事務の請負,建築物における来訪者の受付及び案内,派遣による建築物における来訪者の受付及び案内,電話の取次ぎ代行,電話発信代行,派遣による電話の取次ぎ,派遣による電話発信,派遣による秘書,求人情報の提供」、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,電気通信に関するコンサルティング,電気通信に関する情報の提供,オペレータによる電話番号案内」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電気通信に関する試験又は研究,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,インターネットにおけるホームページの設計及び作成」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第4524194号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4718455号商標(以下「引用商標2」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

そして、引用商標1は、別掲2に示すとおり「わくわく」「WAKWAK」「ワクワク」の文字を三段に横書きしてなり、平成12年4月26日に登録出願、第38類「電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」及び第42類「インターネットサーバーの貸与,インターネット上のホームページの設計・作成及び保守,インターネットのホームページに関する情報の提供,通信ネットワークの設計・作成・環境設定,インターネット機器を備えた飲食物の提供,コンピューターの環境設定,インターネットその他のコンピュータネットワークを介して提供される音響映像的手法で加工されたマルチメディア形式の映像・美術・文学・音楽・ゲームその他の教育娯楽用のコンピュータプログラムの作成・保守・改良・管理,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするために高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,セキュリティホールのチェック及び不正アクセスの遠隔監視,コンピュータシステムの遠隔監視及び保守」を指定役務として、同13年11月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

また、引用商標2は、別掲3に示すとおりの構成からなり、平成15年3月7日に登録出願、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供」を指定役務として、同年10月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、別掲1に示すとおり、「わく」と「わ〜く」の平仮名文字の間に、「@」をモチーフとしたと思しき図形(図形は、その内部に「目」と「口」を描き、その下に親指のみを立てた握りこぶし風の図形を配し、上部に小さく「あっと」の文字を有するもの。以下「図形」という。)を配してなるものである。

しかして、本願商標の構成中の図形部分は、その構成全体として、人の顔風に擬人化されて描かれていることから、該図形より、「@」の文字を直ちに、認識させるものとはいえないものである。

また、図形内に「あっと」の平仮名文字を有しているものではあるが、その文字は、付記的に非常に小さく書されていることから、図形に埋没しているものである。

そうとすれば、かかる図形に接する需要者・取引者が、直ちに、この図形を「@」と認識し、あるいは図形中の「あっと」の文字を認識し、ここから、「アット」の称呼を生ずるものとして、判断しなければならない特段の事情はないものである。

そして、本願商標の構成文字中の「わく」及び「わ〜く」は、同じ書体、同じ大きさで書されていることから、前記文字間に図形を有していたとしても、「わく」及び「わ〜く」は、一連一体的に認識されるとみるのが自然である。

また、該文字部分から生ずる「ワクワーク」の称呼は、冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。

さらに、本願商標が、その構成全体として何らかの特定の意味合いを看取させる等、「図形」、「わく」及び「わ〜く」の文字を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、「わく」及び「わ〜く」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

よって、本願商標は、構成文字全体に相応した「ワクアットワーク」の称呼のほか、「わく」及び「わ〜く」の文字部分に相応した「ワクワーク」の称呼をも生ずるものである。

他方、引用商標1は、別掲2に示すとおり「わくわく」「WAKWAK」「ワクワク」の文字を三段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応した「ワクワク」の称呼を生ずるものである。

そこで、本願商標から生ずる「ワクワーク」の称呼と引用商標1から生ずる「ワクワク」の称呼とを比較するに、両者は第3音「ワ」に続く長音の有無に差異を有するところ、該差異音は、前音「ワ」の母音「a」に吸収され、明瞭に聴取し難いものであるから、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きいものとはいえず、本願商標と引用商標1とをそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるというべきである。

そして、本願の指定役務は、引用商標1の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観において相違し、共に特定の意味合いを看取させないものであるから、観念において比較することはできないとしても、称呼において類似する商標であることからすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められる。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、前記(1)で認定したとおり、構成中の「わく」及び「わ〜く」の文字部分から、「ワクワーク」の称呼をも生ずるものである。

他方、引用商標2は、縁取りされた「新宿わく」及び「ワ〜ク」の文字の間に、縁取りした黒星図形を配し、これらを横一列に表示してなるものである。

しかして、引用商標2の構成文字中「新宿わく」と「ワ〜ク」の間に黒星図形があるとしても、「新宿わく」と「ワ〜ク」は、同じ書体、同じ大きさで書されていることから、引用商標2に接する需要者・取引者は、黒星図形を捨象し、「新宿わく」及び「ワ〜ク」の文字部分のみ取り出して、取引に資されるものと見るのが自然である。

そして、引用商標2の構成文字中の「新宿」は、「東京都23区の一つ。」(広辞苑第六版)等を意味する語であり、引用商標2の指定役務との関係において、役務の提供地(提供場所)であることを容易に認識させることから、「新宿」の文字部分は、自他役務の識別標識として機能しないか、あるいは自他役務の識別標識としての機能を有するものであるとしても、極めて弱いものであるといえる。

してみれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標2に接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識としての機能を有する部分であると認められる「わく」及び「ワ〜ク」の文字部分のみを捉えて、これから生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

よって、引用商標2は、構成文字全体に相応した「シンジュクワクワーク」の一連の称呼のほか、「わく」及び「ワ〜ク」の文字部分に相応した「ワクワーク」の称呼をも生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用商標2は、外観において相違し、共に特定の意味合いを看取させないものであり、観念において比較することはできないとしても、「ワクワーク」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標2の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められる。

2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について

ア 請求人は、「本願商標構成中『@』の部分は、黒地に白色の普通の線で、記号の『@』を忠実に再現した態様であって、全体として、『@』記号であることを容易に看取できる態様である。また、『@』の丸の内側には、人の笑顔が極めて単純に描かれ、親指を立てるジェスチャーをした右手が小さく描かれている点で図案化がなされているが、全体的に観察すれば、記号の『@』と判読できない程度にまで高度に図案化されているということはいえないものと思料する。してみれば、本願商標に接する取引者・需要者は、当該部分を記号の『@』を表したものと無理なく看取するものであるから、本願商標は、その構成文字に相応して『ワクアットワーク』の称呼のみが生じるものである。したがって、本願商標と引用各商標とは、外観・称呼・観念において非類似の商標である。」旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成中の図形は、その構成全体として、人の顔風に擬人化されて描かれていることから、該図形が、「@」の文字を直ちに、認識させるものとはいえないものである。また、本願商標構成中の「わく」及び「わ〜く」の文字部分は、同じ書体、同じ大きさで書されていることから、本願商標から、「ワクアットワーク」の称呼のほか、「ワクワーク」の称呼をも生ずるものであることは、前記1(1)で認定したとおりである。

よって、請求人の上記主張は、採用することができない。

イ 請求人は、過去の登録例・審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例・審決例等は、商標の構成及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例・審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができない。

ウ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

3 まとめ

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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