Trademark Appeal Case
「出生証書」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−23601(T2008−23601/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「出生証書」の文字を標準文字により表してなり、第16類「紙類,文房具類,印刷物,書画」を指定商品として、平成20年1月11日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『出生の事実を証明する文書』の意を容易に理解させる『出生証書』の文字を書してなるから、これをその指定商品中上記に照応する商品(例えば、出生の事実を証明する文書作成のための紙製文房具等)に使用しても、単に商品の品質・用途を表示したものとして認識されるにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年12月9日付け証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
1.本願商標の構成中の「証書」の文字は、「事実を証明する文書。公正証書・私署証書、公文書・私文書などの別がある。証文。証状。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]」を意味する語である。
2.「出生証書」の語が、「出生の事実を証明する文書」を表すものとして使用されている以下の事実がある。なお、下線は、審判の合議体で加えた。
(1)インターネット上の「八神クリニック」のホームページにおいて、「退院時の記念品紹介」の見出しの下、「
出生証書
・・・お名前、出生日時、身長、体重を明記し、足型を押した赤ちゃんの写真付の
出生証書
です。」との記載。
(http://yagamicl.com/nyuuin/nyukinen01.htm)
(2)インターネット上の「かわばた産婦人科」のホームページにおいて、「体験者の声 かわばた産婦人科」の見出しの下、「体験者の声」の「病院の設備や部屋、食事やサービス」の項に、「・・お土産もたくさん頂きました。オムツ、ミルク、・・我が子の足型付きの
出生証書
・・。などなど他にも細々としたものたくさんありました。」との記載。
(http://www.kawabata-lc.jp/tokucho/taiken.html)
(3)インターネット上の「ガラス工房びーどろ」のホームページにおいて、「手形・足形」の見出しの下、「手形・足形について」の項に、「産院の
出生証書
の足形コピー。」との記載。
(http://bidoro.cside.com/baby2/tegata2.htm)
(4)インターネット上の「アニバーサリーギフト専門店 みみずくびーどろや」のホームページにおいて、「手形、足形、手書き作品について アルバム絵本・マイプレシャス・動物アレンジ・結婚お祝い,お誕生お祝い|みみずくびーどろや」の見出しの下、「手形、足形、手書き作品について」の項に、「●原寸大の手形・足形● ☆産院の
出生証書
の足形コピー。」との記載。
(http://www.e-mimizuku.com/hpgen/HPB/categories/36873.html)
(5)インターネット上の「エッチングガラス工房にのみやあ〜と」のホームページにおいて、「にのみやあ〜とのイチオシ商品・・・◆赤ちゃんの手形足形ガラスプレート◆」の「■手形・足形の原稿について ■彫刻する赤ちゃんのデータ」として掲載された「手形足形の原稿について」の項に、「1.産院で記念にとってくれるもの。おもに足形のみで
出生証書タイプ
のもの。」との記載。
(http://www.nino-art.com/)
(http://www.nino-art.com/tegata-genkou.htm)
(6)インターネット上の「鹿児島市」のホームページにおいて、「はっぴーバァース出生記念品贈呈事業」として、「出生届の手続きに来られた市民の方々に対し、誕生月の花をデザインした
出生証書
や花づくりに関する本、環境に配慮したマイバッグを贈呈する。」との記載。
(http://www.city.kagoshima.lg.jp/var/rev0/0002/7998/h20_syuyou1.pdf)
(7)読売新聞(1988年2月3日、東京朝刊27頁)において、「分べん費3億円詐取 架空のベビー1700人も 健保組合の女性職員逮捕/東京」の見出しの下、「・・退社した組合員や架空の組合員に子供が生まれたようにして、事務所にある分べん費請求書に適当な新生児の名前を記入したうえ、三文判を使って付近の産院の
出生証書
を偽造。・・」との記載。
(8)Pharmaweek(2002年9月2日、5頁)において、「ピジョン調査 わが子に一番残してあげたいものは『美しい自然環境』」の見出しの下、「・・『成長の記録』(63件)では、最も多かったのが『写真、ビデオ』の23件。・・少数意見では、哺乳びん、洋服、
出生証書
という回答もみられた。・・」との記載。
(9)インターネット上の「在スイス日本国大使館」のホームページにおいて、「Japanische Botschaft in der Schweiz」の見出しの下、「出生届」の「2.必要書類」の項に、「
出生証書
、又は出生登録簿よりの抜粋 原本1通」との記載。
(http://www.ch.emb-japan.go.jp/ryojihan/murakami/hyperlink%20tab/koseki-kokuseki.htm)
3.「○○証書」のように、ある事実を表す語に「証書」の語を結合させ、「○○を証明する文書」の如き意味合いで使用されている以下の事実がある。なお、下線は、審判の合議体で加えた。
(1)インターネット上の「結婚準備室」のホームページにおいて、「
結婚証書
:結婚・ウエディング用語大辞典」の見出しの下、「
結婚証書
キリスト教式結婚式や、人前式結婚式で、新郎新婦がサインする証明書のこと。法的な効力はなく、演出のひとつ。」との記載。
(http://term.stylful.jp/term/2007/06/post_f002.html)
(2)北海道新聞(2005年7月18日、朝刊地方 27頁 旭B)において、「ラベンダー畑でいい日旅立ち*札幌の2人*祭りで挙式」の見出しの下、「・・ラベンダー結婚式は四季彩まつりの前身のラベンダーまつり時代からのイベント。・・指輪を交換し
結婚証書
にサインした。」との記載。
(3)北海道新聞(2008年9月4日、朝刊全道 1頁)において、「聴覚障害不正*重度診断 医師誘導か*医院・自宅を家宅捜索」の見出しの下、「・・◇虚偽診断書作成罪◇ 刑法一六〇条で定められ、医師が役所に提出する診断書や
死亡証書
に虚偽の内容を記載をした時に適用される。」との記載。
(4)日本経済新聞(2002年4月10日、地方経済面(長野)3頁)において、「信州大経済学部、夜間大学院、長野市で開校―社会人12人が学ぶ。」の見出しの下、「信州大学経済学部(松本市)は九日、長野市内で社会人を対象にした夜間大学院の長野サテライト校を開校した。・・初日は
入学証書
の授与や講義内容の案内などを行った。」との記載。
(5)インターネット上の「株式会社ユリクリエイト」のホームページにおいて、「文例・書き方集」の見出しの下、「■
修了証書
■講座の全行程を修了した受講生へ授与。」との記載。
(http://www.yuri.co.jp/bunrei/sample4.html)
(6)読売新聞(2009年3月25日、西部朝刊 35頁)において、「さあ春休み 北九州市内の小中学校=北九州」の見出しの下、「・・児童や生徒らには、1年間の教育課程を修了したことを示す
修了証書
が渡された。・・」との記載。
(7)インターネット上の「在スイス日本国大使館」のホームページにおいて、「Japanische Botschaft in der Schweiz」の見出しの下、「婚姻届」の「必要書類」の項に、「2
婚姻証書
」との記載。
「死亡届」の「2.必要書類」の項に、「医師による
死亡証書
(死亡時間が明記されているもの) 原本1通」との記載。
(http://www.ch.emb-japan.go.jp/ryojihan/murakami/hyperlink%20tab/koseki-kokuseki.htm)
第4 職権証拠調べに対する請求人の意見
請求人は、前記第3の「証拠調べ通知」に対し、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり「出生証書」の文字を書してなるところ、該構成中「証書」の文字は、「事実を証明する文書。公正証書・私署証書、公文書・私文書などの別がある。証文。証状。(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)」を意味する語である。
そして、前記第3の証拠調べ通知の2.、3.のとおり、ある事実を表す語に「証書」の語を結合させ、「○○を証明する文書」の如き意味合いで「○○証書」と使用されており、かつ、「出生証書」の語が、「出生の事実を証明する文書」を表すものとして普通に使用されている実情が見られる。
してみれば、「出生証書」の文字全体よりは、「出生の事実を証明する文書」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
したがって、本願商標をその指定商品中前記に照応する商品(例えば「出生の事実を証明する文書用の紙,出生の事実を証明する文書用のファイル」など)に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、用途を表示したものと認識し、把握するに止まるというべきである。
そうすると、本願商標は、商品の品質、用途を表したものと理解させるにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録すべきである旨述べているが、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標とは、その構成態様等が相違するものであって、本願とは事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、その登録例に前記認定が左右されるものではない。
以上のとおり、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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