Trademark Appeal Case
商品名長音化の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−19283(T2008−19283/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ミルーク」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第29類「乳飲料」を指定商品として、平成19年10月26日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、指定商品『乳飲料』との関係から容易に商品『ミルク』を想起させるに止まる該商品名に長音を加えた『ミルーク』の文字を標準文字により書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、これに接する需要者は、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、『ミルク』以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審において通知した審尋
請求人に対して、平成21年12月14日付けで、回答を求めた審尋の内容は、別掲のとおりである。
第4 審尋に対する請求人の対応
前記第3の「審尋」に対して、所定の期間を指定して回答書面を提出する機会を与えたが、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。
第5 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「ミルーク」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成は、本願の指定商品「乳飲料」に含まれる商品「ミルク」の語の第二音目及び第三音目の間に長音符号を挟んでなるにすぎないものであると認められる。
2 「ミルク」の表示について
別掲の審尋の内容(要旨)の2のとおり、「ミルク」の語を表示する場合は、消費者・需要者による混同を防止し、飲用乳業界の公正な競争を確保するためにその表示方法について規制があることが認められる。
3 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
別掲の審尋の内容(要旨)の1及び2の事実からすれば、「ミルク」の語よりは「牛乳」あるいは「ミルク」であることの意味を認識させ、また、「ミルク」の語を表示する場合には、その商品の内容、成分、品質等について規定されているところであり、その使用に際しては厳格に判断して行わなければならないものである。
そうとすれば、そのように使用が規制されている「ミルク」の語に長音を挿入したにすぎない本願商標に接した場合、取引者、需要者をして商品「乳飲料に規定されるミルク」の意味を容易に認識させるものと認められる。
よって、本願商標をその指定商品中「ミルク」に使用しても、商品の品質等を表してなるものにすぎないものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであると認められ、また、本願商標を「ミルク」以外の商品に使用するときには、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、原査定において、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶したものであるが、前記第3のとおり、当審において、本願商標は、前記のとおり本願の指定商品中「ミルク」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を果たさない商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとの認定を審尋において通知しているものである。
この点について、商標法第3条第1項は「6号は、1号から5号までの総括条項である。逆にいえば、1号から5号までは6号を導き出すための例示的列挙ともいえるのであり『特別顕著』の一般的な意味を明らかにしているのである。」(特許庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(第17版) 1172頁」)とされ、また、「本件査定で援用された第2回理由通知は、本願商標が法3条1項6号及び法4条1項16号に該当するものとし、本件審決は、本願商標が法3条1項3号に該当するものとしているところ、法3条1項の該当性の判断に関しては、本願商標の『インテリアショップ』が、『室内装飾品を販売する店』の意味合いが生じることを前提として、第2回理由通知においては、これを本願指定商品に使用しても、自他商品識別標識としての機能を具備するものとは認め難いとし、本件審決においては、本願商標が法3条1項3号の(『販売地』の範疇に属する)『販売場所』を表示しているものと認識されるから、これを本願指定商品に使用しても、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないとするものである。すなわち、第2回理由通知と本件審決とは、いずれも本願商標から『室内装飾品を販売する店』という共通の認識が生じることを前提として、これを本願指定商品に使用しても自他商品識別標識としての機能を有するものではなく、法3条1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという共通の結論に至るものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではなく、本件審決が、新たな拒絶理由を示したものでないことは明らかである。」(東京高等裁判所 平成17年1月26日言渡 平成16年(行ケ)第369号)との判示もなされているものである。
そうとすると、前記第2のとおり、原査定の拒絶の理由においては、本願商標は商品「ミルク」を容易に想起させるためにこれをその指定商品に使用してもこれに接する需要者は何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものであると認定し、これに対して、当審においては、前記のとおり本願商標はその指定商品中「ミルク」に使用しても、商品の品質等を表してなるものにすぎないものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであると認定するものである。
したがって、両認定は商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという共通の結論に至るものであり、その判断の内容において実質的に相違するものではないから、結局、原査定は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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