Trademark Appeal Case
称呼類似と商品役務の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−9005(T2009−9005/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「RICOH」の文字を標準文字で表してなり、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年5月30日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第450744号商標(以下「引用商標」という。)と『リコー』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲1に示すとおり、「理工」の文字を縦書きにし、該文字の下に「RIKO」(構成文字中「O」の上部に「−」を有してなる。以下同じ。)の文字と「リコー」の文字を上下二段に書してなり、昭和28年10月5日に登録出願、第69類「電気機械器具及びその各部並に電気絶縁材料」を指定商品として、同29年8月31日に設定登録、その後、昭和51年4月8日、同59年10月19日、平成6年10月28日及び同16年6月15日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
その後、指定商品については、商標権一部取消し審判により、指定商品中の「真空球、X光線管球及びこれらに類似する商品」について、取り消すべき旨の審決の確定登録が同16年7月7日になされ、また、指定商品中の「電話機、電信機及びこれらに類似する商品」について、取り消すべき旨の審決の確定登録が同16年7月16日になされ、そして、同17年7月6日に第7類「発電機,電動機(陸上の乗物用のもの(その部品を除く。)を除く。),発電機の部品」、第9類「回転変流機,整流機,周波数変換機,変圧器,開閉器,電流制限器,電流制御器,抵抗器(配電用又は制御用の機械器具),電気炉電極,電鈴,電気測定器,電池,蓄電器(配電用又は制御用の機械器具),被覆電線,回転変流機の部品,整流機の部品,周波数変換機の部品,変圧器の部品,開閉器の部品,電流制限器の部品,電流制御器の部品,抵抗器の部品(配電用又は制御用の機械器具),電気炉電極の部品,電鈴の部品,電気測定器の部品,電池の部品,蓄電器の部品(配電用又は制御用の機械器具),被覆電線の部品」、第11類「電気炉,電気カーペット,電気がま,電気こんろ,電気暖房器,電気布団,電気湯沸かし器,扇風機,白熱電球,アーク灯,電球類及び照明器具用の炭素棒,懐中電灯,電気炉の部品,電気カ−ペットの部品,電気がまの部品,電気こんろの部品,電気暖房器の部品,電気布団の部品,電気湯沸かし器の部品,扇風機の部品,白熱電球の部品,アーク灯の部品,電球類及び照明器具用の炭素棒の部品,懐中電灯の部品」、第12類「陸上の乗物用の電動機(その部品を除く。)」及び第17類「電気絶縁材料,絶縁がい子,絶縁用板,絶縁用布,絶縁用紙,絶縁用ゴム製品,絶縁用コンパウンド」に指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、「RICOH」の文字を書してなるものであるから、該文字に相応して、「リコー」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、別掲1に示すとおり、「理工」、「RIKO」及び「リコー」の文字からなるところ、その構成中の「RIKO」及び「リコー」の文字は、「理工」の読み方を特定したものと無理なく認識されるものであるから、引用商標からは、「リコー」の称呼を生ずるものであり、かつ、「理工」の文字から、「理学と工学。」(広辞苑第六版)の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観において相違し、観念については、本願商標から、特定の観念が生じないため、比較することができないものであるとしても、「リコー」の称呼を共通にする類似の商標である。
そして、本願の指定役務中の「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標の指定商品中第11類「電気炉,電気炉の部品」以外の商品とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、また、その需要者を共通にする類似のものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念については、比較することが出来ないものであるとしても、「リコー」の称呼を共通にする類似の商標であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。
2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
(1)請求人は、「本願商標は、その指定役務に使用された場合、需要者又は取引者をして直ちに請求人の役務であると認識される高い識別力を有するものであるから、本願商標と引用商標とが、それらの指定役務及び指定商品について使用されたとしても、役務及び商品の出所について誤認混同を生ずることはあり得ない。したがって、本願商標と引用商標とは、相紛れることのない非類似のものである。」旨、主張するとともに、証拠資料を提出している。
そこで、請求人の提出による証拠資料をみると、以下(ア)ないし(ウ)の事実を窺うことかができる。
(ア)請求人は、1936年(昭和11年)に創業、遅くとも、1958年(昭和33年)から今日に至るまで、カメラの製造販売を継続している。また、請求人の業務は拡大し、その取扱商品は、光学カメラに止まらず、複写機、プリンター、ファクシミリ、コンピュータ、コンピュータ周辺機器、デジタルカメラ等にも及んでいる(甲第1号証ないし甲3号証)。
(イ)請求人の会社案内等には、白抜きされた「RICOH」(構成態様については、別掲2のとおり)の文字が使用されている。また、請求人は、国内外に多数の支店、営業所、関連会社を有している(甲第4号証及び甲第5号証)。
なお、請求人は、審判請求書において、平成21年3月期における請求人の売上高は、連結ベースで2兆916億円である等主張するが、リコーグループマニュアルリポート2008(甲第5号証)の23頁をみると、「2008年3月期のリコーグループの連結売上高は、22,199億円」と記載されている。
(ウ)請求人の商標は、「日本有名商標録」(商標研究会発行)、「日本商標名鑑」(商標調査会発行)、「日本有名商標集」(AIPPI・JAPAN発行)にも掲載されている(甲第7号証ないし甲第13号証)。
以上を総合的に判断すると、請求人は、遅くとも、1958年(昭和33年)から今日に至るまで、カメラの製造販売を継続し、その取扱商品は、光学カメラに加え、複写機、プリンター、ファクシミリ、コンピュータ、コンピュータ周辺機器、デジタルカメラ等にも及んでいる。そして、請求人は、その取り扱いに係る商品に「RICOH」の文字からなる商標を付し、2008年3月期の連結売上高は、22,199億円に及んでいることは認められるものである。
しかしながら、本願商標「RICOH」の文字は、標準文字で表してなるところ、請求人の使用にかかる商標とは、構成態様等が異なるものである。
また、本願の指定役務は、いわゆる小売等役務であるとこころ、本願の指定役務中「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係において、請求人が、請求人の製造・販売に係る商品の他、同業他社の製造にかかる商品等の販売等を行っている事実については、提出された証拠資料からは確認することができない。
さらに、「日本有名商標録」、「日本商標名鑑」及び「日本有名商標集」に、請求人の商標が掲載されている事実のみをもって、本願商標が、その指定役務との関係において著名商標であると、認定することはできない。
してみれば、本願商標は、その指定役務との関係において、需要者の間に広く認識されている商標とは、直ちに、判断することができないことから、本願商標が、その指定役務に使用されたとしても、需要者又は取引者が、直ちに請求人の役務であると認識するものとはいえないものである。
そして、本願商標と引用商標とは、前記1で認定したとおり、外観において相違し、観念については、比較することが出来ないものであるとしても、「リコー」の称呼を共通にする類似の商標であると判断するのが相当であって、請求人の前記主張は、採用することができない。
(2)また、請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該審決例等は、商標の構成及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、それらの判例・審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができない。
(3)その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
3 まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。