Trademark Appeal Case
「3分ケア」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−8957(T2009−8957/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「3分ケア」の文字を標準文字により表してなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年1月10日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同年1月25日差出しの手続補正書によって補正された結果、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『三分間程度の時間でケアできるもの』という程度の意味合いしか認識させ得ない『3分ケア』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、これをその指定商品中、前記意味合いに相応する商品、例えば『肌用薬剤』などに使用しても、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いを表示したものと理解するにすぎず、本願商標は、単に、商品の品質、効能を表示したものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「3分ケア」の文字を書してなるものであるところ、該構成中、「分」の文字は、「尺貫法で、1匁の10分の1。角度および経緯度の単位。1度の60分の1。時間の単位。1時間の60分の1。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を、「ケア」の文字は、「介護。世話。手入れ。手当て。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店。「コンサイスカタカナ語辞典第3版」株式会社三省堂。)の意味を、それぞれ有するものである。
そして、「ケア」の文字は、当該意味合いを表す語として例えば次のように、一般に使用されているものである。
(1)2009年5月13日付け 日刊工業新聞 15頁には、「経営ひと言/ユニ・チャームの高原豪久社長『タイミングよく』」の見出しのもと、「新型インフルに関係なく、セルフケア意識の高まりから、マスクの売り上げは年々拡大。」との記載がある。
(2)2007年12月19日付け 日刊工業新聞 1頁には、「産業春秋/花粉症対策」の見出しのもと、「インフルエンザの流行が盛んに伝えられている。予防接種を呼びかけるポスターをあちこちで見かけるが、春先から発症する花粉症の対策も早めの治療が効果的という。(略)花粉症薬大手の協和発酵では軽い段階での初期療法とともにセルフケアの重要性を指摘する」との記載がある。
(3)1999年4月8日付け 化学工業日報 5頁には、「アラガン、コンタクトケア新製品を発売、ソフト用で煮沸不要の一液型」の見出しのもと、「コンタクトレンズケア用品の大手メーカーであるアラガン(本社・東京都港区、シェイロン・H・ニュートン社長)は、煮沸消毒が不要で、洗浄・すすぎ・消毒・保存が一液でできるソフトコンタクトレンズのケア用品『コンプリート』を四月二十日から販売開始する。(略)アラガンでは、すでにコールドケア商品として過酸化水素水を使用するタイプのコンセプトFを販売しているが、従来の『しっかりケア派』から新たな『簡単ケア派』がラインアップに加わることになり、専属の販売スタッフも充実させてブランド確立を進める。」との記載がある。
(4)インターネット上の「白十字株式会社」のホームページにおいて、「デイリーケア」、「女性の美容と健康をサポートする、『レディース・デイリーケア用品』」との記載がある。
(http://www.hakujuji.co.jp/women/)
(5)インターネット上の「ケンコーコム」のホームページにおいて、「ケア用品」との記載があり、スポーツ用のケア用品としてグルコサミンジェル等が掲載されている。
(http://www.kenko.com/product/cat/cat_040421.html)
(6)インターネット上の「ケンコーコム」のホームページにおいて、「コンタクトケア用品」との記載がある。
(http://www.kenko.com/product/cat/cat_090918.html)
(7)インターネット上の「薬事日報」のホームページにおいて、「新薬・新製品情報」2006年6月7日付けの記事に、「ソフトCL用ケア用品2製品をリニューアル シード」の見出しのもと、「シードはこのほど、ソフトコンタクトレンズ(SCL)の消毒と中和が各10分という短時間ケアの『コンセプトクイック』、潤い成分配合で快適な装用感の『ソフトメイトうるおいプラス』のSCLケア用品の新製品2品を新発売した。いずれも従来品の機能を高め、リニューアルしたもの。『コンセプトクイック』(コンセプトFを改良)は、過酸化水素水で10分間以上しっかり消毒した後は、中和液に10分間以上放置するとケアが完了。」との記載がある。
(http://www.yakuji.co.jp/entry521.html)
(8)インターネット上の「メディカルコンタクト」のホームページにおいて、「チバビジョン 商品詳細:フレッシュルックケア」、「全てのソフトコンタクトレンズに使用できます。●10分ケアだから・・・レンズが曇ったり、ゴロゴロしたり、レンズの不快を感じたら、いつでもどこでも快適レンズへスピードリセット。こすり洗い後、10分浸けるだけ。消毒・洗浄が完了します。*毎日のケアに。」との記載がある。
(http://www.i-contact.co.jp/goods/care/875outlet.html)
(9)インターネット上の「アマゾン」のホームページにおいて、「エイコーソフトCMケアプレミアム(500ml)[ケア用品]」の「商品の仕様」に「■きれいにうるおう10分ケア」、「商品の説明」に「安全で快適なコンタクトレンズライフをテーマに、短時間できれいにうるおう★丁寧なこすり洗い&すすぎを行うことで、漬け置き時間が従来の4時間から10分へと短縮!」との記載がある。
(http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html?m=A208JL9WQKO9RO&a=B002JI9PU2)
(10)インターネット上の「楽天市場」のホームページにおいて、「eナガタ」の項に、「AMOコンプリート10min(ミニッツ)」、「10分ケアのコンプリート10ミニッツ。(略)10分でOKというのは凄いですね。高い洗浄力がなせるわざですね。」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/e-nagata/conpw01/)
そうとすれば、本願商標は、時間を表す「3分」と「ケア」を組み合わせたものと把握させるもので、「3分ケア」の文字全体よりは、「3分でケアするもの」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、本願指定商品との関係においては、コンタクトレンズ用洗浄・消毒剤について、以前より短い時間で洗浄、消毒などのケアをする商品が開発、販売されている実情が見られ、10分でケアするものについて「10分ケア」の文字が使用されている事実がある。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、例えばコンタクトレンズ用洗浄剤については「3分でコンタクトレンズをケアする商品」であると理解するといったように、該商品が「3分でケアする商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
なお、請求人は、本願商標を構成する「3分」、「ケア」の各文字が、それぞれ多様な意味を有する語であって、「3分ケア」の文字全体からも多様な意味合いを想起し得るものであるから、商品の品質等を具体的、直接的に表すものとは言えない旨述べているが、「3分」が一定の時間を表すものとして普通に用いられ、「ケア」が前記のように一般に使用されていることからすれば、それらを組み合わせた「3分ケア」の文字よりは、前記のとおり「3分でケアするもの」程の意味合いを看取させる以上に格別顕著なところはなく、自他商品を識別する機能を有しないものというべきである。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も識別力を有する旨述べているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。
以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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