Trademark Appeal Case
「クリーニング配達便」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−16393(T2009−16393/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「クリーニング配達便」の文字を書してなり、第37類「毛皮製品の手入れ又は修理,洗濯,被服のプレス,被服の修理,布団綿の打直し,業務用洗濯機の修理又は保守」を指定役務として、平成20年2月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『クリーニング配達便』の文字を普通に書してなるが、本願指定役務である被服の修理や洗濯等を取り扱う業界においては、洗濯物等を利用者の自宅へとどけている実情にあるから、これよりは商標全体として「洗濯物を交通・運輸機関によりくばりとどける」程の意味合いを認識させるにすぎず、これを本願指定役務中「洗濯,被服のプレス」等に使用しても、これに接する需要者は、単に「洗濯をして自宅へとどけてくれる役務」等の意味合いを理解するに止まり、結局、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「クリーニング配達便」の文字よりなるところ、「広辞苑(第6版)」によれば、その構成中「クリーニング」の文字部分は、「汚れを落とすこと。洗濯。ドライ−クリーニングの略。」を意味する外来語として、また、「配達」の文字部分は、「くばりとどけること。」等を意味する語として、さらに、「便」の文字部分は「交通・運輸機関。」等を意味する語として、それぞれ良く知られている語である。
そして、本願指定役務のうち洗濯等を取り扱う業界においては、洗濯物を利用者の自宅へとどけている実情(別掲(1)〜(10))にあるから、前記各文字を組み合わせた本願商標からは、「洗濯物を配りとどける交通・運輸機関」程の意味合いを容易に認識させるというべきである。
ところで、本願商標構成中の「配達便」の文字は、前記のとおり、「配りとどける交通・運輸機関」程の意味合いを認識させる語であるが、洗濯等を取り扱う業界を含めて様々な業界において、「配達便」の文字が、「物を配りとどける交通・運輸機関」を表す語として普通に使用されている実情(別掲(11)〜(22))にある。
さらに、洗濯等を取り扱う業界において、洗濯物を自宅へ配達する交通・運輸機関を利用したサービスが行われている実情にあり、本願商標に酷似した態様の「クリーニング宅配便」の文字が、前記と同じような意味合いで普通に使用されている実情(別掲(23)〜(31))もある。
そうとすれば、本願商標をその指定役務中、例えば「洗濯」について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「洗濯物を配りとどけてくれる洗濯」であるといった役務の提供の方法等を表すものとして認識、理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない商標とみるのが相当であり、また、前記以外の役務に使用したときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例を挙げて、「本願商標が拒絶査定にならなければならない理由との関係において、全くこれまでの審査プラクティスを無視したものとなっており、これらを明確にしないで拒絶査定に及んだ行為は、審査を尽くしておらず、当然に違法な審査である。」旨主張しているところ、本願商標と請求人が主張する過去の登録例にかかる商標とは、「配達便」と「宅配便」の文字に違いがあって、「宅配便」の文字の前に冠した文字部分についても、全て異なるものであり、また、各商標と指定役務との関係において、これらは全て事案を異にするものであるから、同列に取り扱うことはできない。
よって、請求人のこの主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶したものであるが、原査定と当審決とは、いずれも本願商標を本願指定役務に使用しても、自他役務識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという結論にいたるものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではない。(平成16年(行ケ)第369号判決[平成17年1月26日言渡]参照。)
よって、結論のとおり審決する。
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