Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−16493(T2009−16493/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「REN,JAPANESE DAINING」の文字を横書きにしてなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成20年7月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第4910540号商標(以下『引用商標』という。)と『レン』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、「簾」の文字を標準文字で表してなり、平成17年2月22日に登録出願、第43類「飲食物の提供(冠婚葬祭のための仕出し料理の提供を含む。),冠婚葬祭のための仕出し料理の提供の取次ぎ」を指定役務として、同年11月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、「REN,JAPANESE DAINING」の文字を書してなるところ、構成前半の「REN」と構成後半の「JAPANESE DAINING」との間に「,」を有してなるものであるから、「REN」と「JAPANESE DAINING」の文字とは、視覚上分離して観察されるとみるのが自然である。
また、本願商標は、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「REN」と「JAPANESE DAINING」との文字を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。
さらに、本願商標構成中の「JAPANESE DAINING」の文字は、「ジャパニーズダイニング」と無理なく称されるところ、このうちの「ジャパニーズ」が、「日本式の」(広辞苑第六版)等を、また、「ダイニング」が「食事」(広辞苑第六版)等を意味するものであるから、「ジャパニーズダイニング」全体からは、「日本式の食事」、すなわち、「日本料理」を認識させるものである。
そうとすれば、例え、「DAINING」の文字が成語ではないとしても、「食事」等を意味する平易な英語「DINING」とその音を同一にすることから、同様の意味合いを無理なく、認識し得るものであることから、「JAPANESE DAINING」の文字は、全体として「日本料理」の如き意味合いを想起させるものと判断するのが相当であり、本願の指定役務との関係においては、自他識別標識としての機能は弱いものといえる。
さらにまた、本願商標から生ずる「レンジャパニーズダイニング」の称呼も、長音を含め12音と冗長である。
そうとすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、構成前半に位置する「REN」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「レンジャパニーズダイニング」の一連の称呼のほか、「REN」の文字部分に相応した「レン」の称呼をも生じるものである。
他方、引用商標は、「簾」の文字を書してなるところ、該文字は、「すだれ。みす。」等を意味する語(広辞苑第六版)であり、これよりは、無理なく、「スダレ」及び「レン」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
そして、実際に、「飲食物の提供」を行う業界において、「簾」の文字は、「スダレ」又は「レン」と称され、使用されていることが、別掲1のインターネット検索情報等により窺うことができる。
また、引用商標の使用状況についてみても、別掲2に掲げるとおり、実際の取引において、「簾」の文字を「レン」と称して使用されている事実が見受けられるものである。
してみれば、引用商標は、その構成文字「簾」の文字に相応して、「スダレ」の称呼のほか、「レン」の称呼をも生ずるものであり、かつ、「すだれ」等の観念を生ずるものと判断するのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は外観において相違し、本願商標が特定の意味合いを看取させないものであるから、観念において比較することはできないとしても、「レン」の称呼を共通にするものである。
そして、引用商標の指定役務は、本願の指定役務と同一または類似する役
務を含むものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できないものであるとしても、その称呼を共通にする類似の商標であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。
(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
請求人は、「本願商標の構成中の『REN』は欧文字であり、発音が『レン』の語には『恋』、『連』、『蓮』等多くの同音異義語があり、引用商標を構成する『簾』は、『すだれ』の明確な観念を生じることから、両者は観念において非類似の商標である。また、両者は、外観において顕著に相違するものである。そして、引用商標『簾』の1語のみを『レン』と称呼して使用することは日常では無いうえ、本願商標は『REN』の文字部分と『JAPANESE DAINING』の文字部分を不離一体に表した態様からなるから、本願商標は、『レン』の称呼の他に『レンジャパニーズダイニング』の称呼をも生ずるものである。したがって、本願商標が外観、観念、称呼において、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標が引用商標とは、彼此誤認混同するおそれのない非類似の商標である。」旨、主張する。
しかしながら、前記(1)の認定のとおり、本願商標が、その構成中の「REN」の文字を捉えて、取引に資する場合があり、また、引用商標「簾」の文字が、「レン」と称して取引されている場合もあることからすれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することはできないとしても、「レン」の称呼を共通にする類似の商標である判断するのが相当である。
よって、請求人の前記主張は、採用することができない。
また、請求人は、過去の判例・審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該判例・審決例等は、商標の構成及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、それらの判例・審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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