結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300881(T2009−300881/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4480727号商標(以下「本件商標」という。)は、「アズール」の片仮名文字と「AZURE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成12年3月23日に登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」を指定商品として、同13年6月8日に設定登録されたものである。
(1)請求の趣旨
商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「織物,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(2)請求の理由
請求人の調査では、被請求人は、取消を求めた商品については、過去3年以上にわたって、我が国において本件商標を使用していないことが判明した。
よって、請求の趣旨のとおり審決を求める。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
本件商標と社会通念上同一性のある商標を被請求人が本件審判請求の予告登録日(平成21年8月19日)(審決注:「平成21年8月17日」の記載は誤記と認める。)以前から現在まで使用中である。
(1)乙第2号証は、「旭化成株式会社」のウェブサイトに掲載された記事の写しである。そして、当該記事は2007年1月24日付けのプレスリリースであって、「−三陽商会/旭化成せんい2007年春夏コラボレーション企画− 旭化成せんいの新開発ベンベルグ裏地『AZURE(アズール)』三陽商会の主力紳士ブランドのパターンオーダーで2月1日より先行販売を開始」、「...コラボレーション企画として、旭化成せんいが新開発した最高級ベンベルグ裏地『AZURE(アズール)』を三陽商会の紳士主力3ブランドの各ショップで受注するパターンオーダー用として2月1日より発売しますのでお知らせします。...」、「『AZURE(アズール)』とは...最高級ベンベルグ裏地です。...」などと掲載されている。
(2)乙第3号証は、上記のコラボレーション企画の相手である「株式会社三陽商会」のウェブサイトであり、これにも同様の記事が掲載されている。
(3)そして、被服用の裏地は第24類の「織物」に属するものであるから、乙第2号証及び乙第3号証は、2007年から被請求人(商標権者)が、本件商標をその指定商品に使用していることを示すものである。
さらに、これらの乙号証には、本件商標を裏地として使用した紳士服の広告展開として、JAL機内誌「Skyward」、ANA機内誌「翼の王国」(いずれも2007年2月号)へ掲載することが記載されている。
(4)乙第4号証は、上記広告が掲載された2007年2月号のJAL機内誌「SKYWARD」の表紙及び広告部分の写しであって、当該広告部分の右上には、被請求人が属する旭化成グループのグループロゴである「AsahiKASEI」のロゴの下に、それよりも小さな文字で被請求人の略称である「旭化成せんい」の文字の記載がある。
そして、さらに下方部の説明文の中には「...各ブランドのパターンオーダー用として、新開発の最高級ベンベルグ裏地『アズールR(「R」の文字は、小さく表示された○の中にRの記号である。以下「[R]」という。)』を他に先がけて2月1日より展開します。...」の記載がある。
(5)乙第5号証は、被請求人が営業で使用している、本件商標が使用されている裏地の見本帳であり、この中に「...その感性を追求したベンベルグ[R]100%の最高級裏地『AZURE[R](アズール)』。」の記載がある。
また、当該見本帳には、被請求人が属する旭化成グループのロゴ「AsahiKASEI」及びその裏側には、ウェブサイトヘ案内するためのURL「http://www.bemberg.jp」の記載がある。
そして、乙第6号証は、上記のウェブサイトを開いた際の画面の写しであり、これが被請求人の管理するサイト(http://www.bemberg.jp)であることがわかる。
(6)乙第7号証は、被請求人が展示会等で配布しているパンフレットであり、この中に「...さらなるベンベルグ[R]裏地の上質感を求めて、こだわりぬいたAZURE[R]をこの機会にぜひ触れてみてください。」の記載がある。
そして、当該パンフレットにも被請求人が属する旭化成グループのロゴ「AsahiKASEI」及びその下に「ライニング営業部・ライニング研究所」の文字が記載されているが、乙第6号証のウェブサイト中の赤矢印(⇒)部分をクリックすると「ライニング営業部」が表示されることから、当該パンフレット中に記載されている「ライニング営業部」は、被請求人の組織の中の一セクションであることがわかる。
(7)乙第8号証は、本件商標が使用される裏地を染色するために、被請求人から染色業者である「倉庫精練株式会社」への染色加工(出荷)指図書の写しであり、発行日が2008年8月22日付けのものである。
当該指図書には、右上部に依頼者である被請求人の名称が明示されている。また、原料提供メーカーなどの慣習として、通常、メーカーと商社などの密接な関連のある当事者間では、商品名を省き、品番のみで取引されることが多いため、当該指図書にも「AZURE」或いは「アズール」の表示はないが、その品番である「AK8850」が表示されており、「AK8850」が「AZURE」或いは「アズール」の品番として用いられている。その事実は、乙第5号証に明示されている。
(8)乙第9号証は、被請求人の子会社であり、商社である「旭陽産業株式会社」が同社の固定ユーザー向けに開示しているEコマース用在庫情報の画面の写しであって、当該在庫情報からも、品番「AK8850」が品名「アズール」に対応していることがわかる。
(9)まとめ
以上のとおり、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標と社会通念上同一の商標を、本件商標の指定商品に使用していたことは明白である。
(1)被請求人提出の証拠(乙第2号証及び乙第3号証)によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第2号証は、「旭化成株式会社」のホームページであり、「プレスリリース 2006年度」の見出しの下、2007年1月24日付けで、「株式会社三陽商会」と被請求人の連名で、2007年春夏コラボレーション企画として「旭化成せんいが新開発した最高級ベンベルグ裏地『AZURE(アズール)』を三陽商会の紳士主力3ブランドの各ショップで受注するパターンオーダー用として2月1日より発売する。」旨のプレスリリースがされたこと、そのプレスリリースには、「コラボレーション企画」の項に、「受注期間:2007年2月1日(木)〜3月末まで」、「広告展開」の項に「JAL機内誌『Skyward』、ANA機内誌『翼の王国』(いずれも2007年2月号)」、「AZURE(アズール)とは」の項に、「...最高級ベンベルグ裏地です。...」の記載がある。
イ 乙第3号証は、被請求人のコラボレーション企画の相手である「株式会社三陽商会」のウェブページであり、ここにも上記アと同様の記事が掲載されている。
(2)上記の事実から、本件審判の請求の登録前3年以内である2007年(平成19年)1月24日付けのプレスリリース/ニュースリリース(乙第2号証及び乙第3号証)において被請求人(商標権者)である「旭化成せんい株式会社」が、本件請求に係る指定商品中「織物」に含まれる「裏地」の広告に本件商標と社会通念上同一と認められる商標「AZURE(アズール)」を付して電磁的方法により提供していたと認められる。
(3)請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(4)以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)が本件審判請求に係る指定商品第24類「織物」に含まれる「裏地」について本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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