Trademark Appeal Case
著名人名と印刷物の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第18120号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」を指定商品として平成7年12月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、17世紀フランスの科学者、宗教思想家で世界的に著明な“Blaise Pascal”を強く想起せしめる『PASCAL』及びその字音『パスカル』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品『印刷物』中上記人物をテーマとする書籍等の商品に使用するときは、単に商品の品質(内容)を表示するに過ぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由によって、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
請求人は、「本願商標と同様、『印刷物』を指定商品とし、『パスカル』の片仮名文字と、『PASCAL』の英文字とを二段書きしたものを登録第1077127号として登録している。また、この登録商標が失効した後においても人物の図形と、『Pascal』の英文字とから成る結合商標が『印刷物」(文房具類に属するものを除く)、書画、彫刻、写真、これらの附属品』を指定商品とする商標登録第1962127号が昭和61年11月5日に登録されている。商標登録第1962127号の出願時ないし査定時と現時点とで、その周知性が大きく変化しているものではない。それにも関わらず、特許庁が前述の2件の商標を登録した事実から鑑みて、たとえ『パスカル/PASCAL』の商標を印刷物に使用したとしても、商品の内容を表示するものではないと判断されたからにほかならない。しかれば、現在の商標法における登録要件の規定が、商標登録第1962127号の出願時のそれと異なるものではないことからして、本願商標が拒絶される理由は全くなく、商標登録第1962127号等と同様、本願商標は登録されてしかるべきである。フランスの科学者並びに宗教思想家である“Blaise Pascal”と同様、ヘレニズム文化の発展に大きく貢献したマケドニアの王で世界的に著名である“アレキサンダー”を想起せしめ、我が国においても広く知られてる著名な『ALEXANDER』の文字を有する商標が、『印刷物』を指定商品として登録第1595620号として登録されていることからしても、本願商標も登録されてしかるべきである。以上、本願商標は、指定商品『印刷物』の内容を表示するものとして直ちに理解されるものではなくて、自他商品識別力を備えていると言わざるを得ない。本願商標は、明らかに自他商品識別力を有し、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものではない。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
4 当審の判断
本願商標は別紙に表示したとおり「PASCAL」及び「パスカル」の文字からなるところ、これからは、17世紀フランスの科学者、宗教思想家として著名なパスカルが認識される。
そして、パスカルのように著名な人物については、その伝記や著作が出版されていることは顕著な事実であり、また、職権調査において「パスカル著作集 第1巻〜第7巻、別巻1,2」が株式会社教文館より1980年〜1984年に発行されている事実が認められる。
そうとすれば本願商標は、パスカルの伝記、パスカルの著作などの書籍に使用するときは、その商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認められる。
ところで、請求人は前記3のように主張して商標登録例を示している。
しかしながら、このような登録例を考慮しても、本願については、前記のとおり判断できるものであり、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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