結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300833(T2009−300833/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2059672号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和60年12月26日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年7月22日に設定登録されたものであり、その後、平成10年4月21日及び同20年6月10日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
また、指定商品については、同20年11月5日に第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、被請求人の総合カタログに本件商標「DUET」を商品「ビデオデッキ付きカラーテレビ」に使用している旨主張している。
(ア)しかしながら、該カタログは、私文書であり、単に提出しただけでは、そこに示された商標が使用されたことの立証としては十分ではない。具体的な作成者の証言等によって初めて、その作成年月日及び頒布年月日等が証明されたことになるものであり、そのような作成者の証言等がない以上、同カタログをもって商標の使用が証明されたとすることはできない。
商標の使用とは、本来、商品に関していうものであるが、カタログを介して広告宣伝において使用する場合も、商標の使用と認められている。
しかし、カタログに商標が記載されているから直ちに商標の使用が認められるわけではない。それが需要者に開示されてはじめて宣伝広告があったとし得るにすぎない。
この点について、被請求人は、乙第1号証を提出するだけで、それがどのような経路で、どのような者にいつ頒布されたかに関する証明をしていない。使用されたかどうかは、事実問題であり、使用される可能性があっただけでは、商標の使用というべきではない。乙第1号証だけでは「登録商標の使用」がされたことの証明には不十分である。
(イ)さらに、本件商標の態様は、大文字のアルファベット「D」「U」「E」「T」を構成文字とし、それらの間に、中黒の点を配したものである。
これに対して、被請求人が使用しているとする商標は「Duet」であるから、両者は、明らかに異なるものであり、社会通念上本件商標の使用に等しいということもできない。
(ウ)したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について取り消されるべきである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した(なお、被請求人は、書証の表示を甲号証として表示しているが、被請求人提出の証拠であるので、乙号証として表示した。)。
(1)乙第1号証は、2006年11月作成の当社製品の総合カタログの写しであり、被請求人は、本審判請求登録日の過去3年以内である2006年11月に作成したカタログの39頁及び40頁に本件商標「DUET」をビデオデッキ付カラーテレビに使用している。上記商品は、「電気通信機械器具」の範囲に属する商品であることは明らかである。
(2)平成8年の商標法第50条第1項の一部改正の趣旨から、登録商標の使用であるかどうかは、自他商品(役務)の識別をその本質的機能としている商標の性格上、単なる物理的同一にこだわらず、取引社会の通念に照らして判断される必要があるものと解すべきである。
上記カタログで使用されている商標「DUET」と本件商標「D・U・E・T」とは、その構成上、各文字の間に配された中黒「・」の有無の相違のみに過ぎず、通常の商取引において、需要者は中黒「・」を意識することなく、商標を識別することから、商標の識別性に影響を与えることなく構成部分に変更を加えたものであると言える。
したがって、上記カタログで使用している商標「DUET」と本件商標「D・U・E・T」とは社会通念上同一の商標である。
(3)したがって、被請求人が本件商標を本審判請求に係る指定商品である「電気通信機械器具」について、本審判請求登録日の過去3年間に継続して使用していることは明白である。
よって、答弁の趣旨通りの審決を求める。
(1)被請求人は、本件商標をその指定商品について使用しているとして、乙第1号証を提出している。
そこで、被請求人の提出に係る乙第1号証をみるに、乙第1号証は、被請求人の作成に係る総合カタログの写しであり、1枚目は、該カタログの表紙と裏表紙の写しであり、2枚目は、該カタログの39頁と40頁の写しと認められるものである。
そして、該カタログの表紙及び裏表紙には、有名女優の写真を大きく配し、表紙には、左上から「SHARP」、「2006年秋冬号」、「シャープ」、「総合カタログ」の各文字が大きな文字をもって4段に記載されており、その下にやや小さく「セールス専用」の文字が記載されている。
また、裏表紙には、左端部分に、カタログに掲載されている商品の見出しを表示しているものと認められる「AVシステム商品」、「情報システム商品」、「ドキュメントシステム商品」、「電化システム商品」等の表示があり、「本カタログ掲載商品の価格には、配送・設置・付帯工事、使用済み商品の引き取りなどの費用は含まれておりません。・・・」等の注意書きが記載されており、右下部分に「シャープ株式会社」とあり、その下に「このカタログの内容は、2006年11月現在のものです。」と記載されていることが認められる。
そして、該カタログの39頁と40頁には、「ブラウン管テレビ」の表示のもとに4機種のテレビデオ(ビデオデッキ付カラーテレビ)が掲載されており、それぞれのテレビの左肩には、別掲2のとおり、「Duet」の欧文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている(「Duet」の文字の上に、極めて小さく「デュエット」の如き文字が表示されているようにも見えるが確認することはできない。)。
(2)上記において認定した証拠によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成21年8月6日)前3年以内である2006年(平成18年)11月当時に作成したものと推認し得る「2006年秋冬号/シャープ総合カタログ」と題するカタログにおいて、使用商標を表示した4機種のテレビデオ(ビデオデッキ付カラーテレビ)を掲載していたことを認めることができる。
そして、被請求人の使用に係る商品「テレビデオ(ビデオデッキ付カラーテレビ)」は、取消請求に係る指定商品中の第9類「電気通信機械器具」の範疇に属するものである。
この点について、請求人は、乙第1号証のカタログがどのような経路でどのような者にいつ頒布されたかについて証明されておらず、同カタログのみをもってしては、本件商標の使用が証明されたとはいえない旨主張しているが、上記したカタログの体裁とその記載内容からみれば、該カタログに不自然なところは見当たらず、該カタログは、2006年秋冬号のシャープ総合カタログとして、被請求人により発行され、2006年の秋から冬にかけて、実際の取引の場において取引に供されていたものと優に推認し得るものというべきである。
(3)しかしながら、以下の理由により、被請求人の使用に係る商標は、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一の商標についての使用とは認められないものである。
すなわち、本件商標は、別掲1に示したとおり、「D」「U」「E」「T」の各アルファベット文字の間に中黒「・」を配したものであり、その構成からみれば、上記各アルファベット文字は、外観上、明らかにそれぞれが分離して表されているものであって、このような表現は、英単語の表記方法として通常用いられる手法とはいい難いものであって、一種独得な構成からなるものというべきである。そして、このような場合、これに接する取引者、需要者は、各アルファベット文字の一文字一文字の読みをもって称呼するものとみるのが自然である。
これに対して、被請求人(商標権者)が使用している商標は、別掲2に示したとおり、「D」の文字を大文字で表し、2文字目以下を小文字をもって表した「Duet」の構成のみからなるものであって、欧文字の表記としては一般的に用いられている自然な表記方法であるということができる。
そうすると、被請求人の使用に係る商標と本件商標とは、外観において同視し得るものでないばかりでなく、称呼においても、「デュエット」と「ディーユーイーティー」の差異があり、さらに、観念においても、使用商標からは「二重奏、二重唱」の観念を生ずるのに対して、本件商標からは特定の観念を生ずることはないものであるから、被請求人の使用に係る商標は、もはや、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
してみれば、被請求人は、「Duet」の欧文字からなる商標を取消請求に係る指定商品中の第9類「電気通信機械器具」の範疇に属する「テレビデオ(ビデオデッキ付カラーテレビ)」について使用していたことは認められるが、該商標は、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一の商標についての使用とは認められないものである。
そして、被請求人は、他に、本件商標を取消請求に係る指定商品について使用をしていたことを裏付けるに足りる証拠を提出していない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙第1号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む)の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取消請求に係る第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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