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Trademark Appeal Case

商標法3条2項の適用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−14904(T2009−14904/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「芳醇」の文字と「ほう じゅん」の文字を縦書きしてなり、第30類「食パン」を指定商品として、平成20年7月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『芳醇』の文字及びその右部に『ほう』及び『じゅん』の文字をふりがな風に配した構成よりなるところ、該文字は、食品を取り扱う業界において、『かおり高く味のよいこと。』を意味する語として使用されていることから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。なお、出願人は、意見書において、本願商標が商品『食パン』に使用された結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっており、商標法第3条第2項に該当する旨主張し、証拠方法として、第1号証ないし第44号証(枝番を含む。)を提出しているが、これらの証拠からは、本願商標を使用した商品がどのくらい生産され、譲渡されたのか等の使用事実を、具体的に把握することはできず、また、本願商標は、『社標(太陽のマーク)』と『ヤマザキ』の文字とともに使用されているもので、本願商標のみが独立して使用され出願人の商標として、自他商品識別機能を有するに至ったという事実を認めることができない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「芳醇」の文字と「ほう じゅん」の文字を縦書きしてなるものであるところ、「芳醇」の文字は、「酒のかおり高く味のよいこと。また、その酒。」(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)、「よいにおいがして、うるおいのあること。酒の香りが高く味がよいこと。また、そのさま。」(大辞林第三版 株式会社三省堂)を意味する語で、食品分野で当該意味合いをもって使用されているものである。

そうとすれば、本願商標よりは、「良いかおりがして、味がよい。」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が例えば「良いかおりがして、味がよい食パン」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項該当性について

請求人(出願人)は、本願商標は、出願人が製造、販売する商品「食パン」の商標として使用された結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっており、商標法第3条2項の規定により登録されるべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし第56号証(枝番を含む。)を提出している。

そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、請求人の提出に係る各号証によれば、請求人は、商品「食パン」に本願商標を平成19年4月から現在に至るまで継続的に使用し、販売高は、発売を開始した平成19年が約11億円、平成20年が約155億円であり、平成21年が1月から6月で約90億円であることが認められ(甲52)、全国消費世帯パネル調査では、食パン販売高におけるシェアが第2位となっており(甲56)、主要な食パンブランドとして報道されているものである(甲54、甲55)。また、TVコマーシャル、雑誌・新聞等への広告、キャンペーン等が行われたことが認められる(甲1、甲2、甲4〜47、甲50、甲51、甲53)。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品に使用された結果、取引者、需要者間において、請求人(出願人)の業務に係る商品を表示する商標として、広く認識することができるに至ったものと認め得るところである。

(3)むすび

したがって、本願商標は、その指定商品について、商標法第3条第2項が規定する要件を充たしているものであるから、同法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶すべき限りでない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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