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Trademark Appeal Case

付随的役務の使用認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300926(T2009−300926/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4938270号商標の指定役務中、第42類「建築物の設計,測量」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4938270号商標(以下、「本件商標」という。)は、「KSM」の欧文字を標準文字で書してなり、平成17年7月29日に登録出願、第42類「建築物の設計,測量」の指定役務のほか、第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品又は指定役務として、同18年3月17日にグッドウィル・グループ株式会社を商標権者として設定登録され、その後、同20年3月10日に株式会社警備・施工マネジメントへの特定承継による商標権の移転が登録され、さらに、受付日を同21年10月23日とする株式会社ケーエスエムへの特定承継による商標権の移転が登録されたものである。

なお、本件審判請求の登録は平成21年8月28日にされている。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び弁駁の理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。

2 請求の理由

(1)本件商標は、その指定商品又は指定役務のうち第42類「建築物の設計,測量」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実がない。

(2)弁駁

ア 被請求人は、一般建築業を業としており、建築分野において、例えば、建築物の補修メンテナンス工事を行う際、「建築物の設計」などを行っているとし、本件商標が、「建築物の設計」に使用されている旨主張しているが、被請求人の業務は「一般建築業」である。

イ 被請求人は、建築物の補修メンテナンス工事を行う際、「建築物の設計」などを行っている旨述べているが、被請求人が行っていると主張する「建築物の設計」は、あくまで「建築」に付随する「設計」に過ぎず、独立した商取引の対象ではなく、商標法における「役務」ではない。

ウ 以上より、本件商標が、「建築物の設計,測量」に使用されていないことは明らかである。

(3)まとめ

以上述べたとおり、被請求人の提出した書類によっては、本件商標が、第42類「建築物の設計,測量」について、使用されていることの証明はなされていない。

よって、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

第3 被請求人の主張

1 答弁の趣旨

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出している。なお、被請求人の提出した証拠の記号は、「甲号証」と記載されているが、これは「乙号証」とされるものであるから、前記のように訂正する。

2 答弁の理由

(1)本件商標の使用について

被請求人は、本件商標の使用をしている(乙第1号証)。

(2)「建築物の設計,測量」についての使用について

被請求人は、パンフレット記載のように一般建築業を業としており、建築分野において、例えば、建築物の補修メンテナンス工事を行う際、「建築物の設計」などを業として行っており、「建築物の設計」について本件商標の使用をしている。

(3)審判請求の登録前3年以内に日本国内における使用について

本件審判請求の登録日は平成21年8月28日であり、乙第1号証のパンフレット作成日が平成20年(2008年)9月であって、同時期から使用し現在に至っているから、被請求人は、審判請求登録前3年以内に日本国内において本件商標の使用をしている。

なお、いわゆる駆け込み使用にも当たらない。

(4)本件商標の使用者について

本件商標に係る商標権は、平成20年(2008年)9月に、「株式会社警備・施工マネジメント」から被請求人「株式会社ケーエスエム」に、事業とともに譲渡され、被請求人(商標権者)が使用をしている。

(5) 結論

以上のとおり、本件商標はその指定商品・指定役務のうち第42類「建築物の設計」につき商標権者が使用しているので、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

第4 当審の判断

1 認定事実について

乙第1号証によれば、以下の事実が認められる。

(ア)乙第1号証は、被請求人の会社案内パンフレットであること、

(イ)パンフレット表紙及び裏表紙には「株式会社ケーエスエム」の文字が横書きされ、その上段に、第一文字「K」の下部右側と第二文字「S」の下部左側が接続しているが明らかに「KSM」の欧文字と認識される表記がされていること、同様の「KSM」の欧文字表記はパンフレット3枚目事業案内及び同7枚目オフィスファシリティの記述箇所にもなされていること、

(ウ)パンフレット2枚目の会社概要の項目には、2008年9月現在、商号「株式会社ケーエスエム」、設立「2008年7月3日」、・・・許認可「一般貨物自動車運送業(事業譲渡認可)、産業廃棄物収集運搬業、一般建築業(都知事事業認可)、内装仕上工事業」などと記載されていること、

(エ)パンフレット3枚目の事業案内の項目には、第二段落に「株式会社ケーエスエムは、オフィス空間、商業店舗などの売り場作り中心に、専門工事会社様、オーナー様向けに全国ネットワークでサービス提供を行っております。・・・」と記載されていること、上記記述の下に、「KSM」の欧文字表記を中心として上下左右に4個の円が配され、円の中には事業分野が記載されており、具体的には上から時計回りにオフィス施工分野、商業分野、新規分野及び建築分野であり、建築分野についてはさらに「内装仕上工事全般、建築物の補修メンテナンス工事、建具や構造家具の取り付け、現場内の資材一括搬入」と記載されていることの各事実が認められる。

(オ)前記パンフレットからは、被請求人が、独立した商標法上の役務として、「建築物の設計」及び「測量」の事業を行っている旨の記載を発見することはできない。

2 上述した認定事実によれば、被請求人は「KSM」の文字を被請求人の会社案内パンフレットの表紙、裏表紙及び被請求人の事業を紹介を記載した箇所などに表示していること及び同パンフレットに「内装仕上工事全般、建築物の補修メンテナンス工事、建具や構造家具の取り付け、現場内の資材一括搬入」などの建築分野の事業を行っている旨を記載していることの各事実が認められるが、同パンフレットからは被請求人が、独立した商標法上の役務として、「建築物の設計,測量」の事業を行っている旨の記載を発見することができないものである。

したがって、被請求人は、取消請求に係る指定役務のいずれの指定役務についても本件商標の使用をしていることを証明しているとは認められない。

また、被請求人は、取消請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

3 結論

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品又は指定役務のうち第42類「建築物の設計,測量」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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