Trademark Appeal Case
「×」記号の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−4797(T2009−4797/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年6月4日に登録出願され、指定商品については、平成21年12月14日提出の手続補正書により、第30類「スープ付きの米の加工品,スープとごはんからなるべんとう,おかゆ,ぞうすい,リゾット」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、四角形状の枠内中央に『×』の記号を配し、その右側に『スープ』の文字と左側に『ごはん』の文字を配してなるものであるが、『×』の記号は、『スープ』の語と『ごはん』の語を結び合わせるための付加記号と看取されるものであり、そうすると本願商標は全体として『「スープ」と「ごはん」からなる商品』程の意味合いを想起させるのであって、本願指定商品(役務)中、前記意味合いの例えば、『スープとごはんを使用してなる雑炊』等に使用するときは、単に商品の原材料・品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、四角形の輪郭内に右側から「スープ」、「×」及び「ごはん」の文字及び記号を3列に縦書きしてなるものである。
ところで、食品業界においては、商品の主たる複数の原材料を強調して表示する場合などに「○○ × △△」(「○○」及び「△△」は原材料名など。)のように使用されていることは、平成21年11月4日付け証拠調べ通知書で通知した以下の事実より明らかである。
(ア)「株式会社アサヒ緑健」のウェブサイトにおいて、「青汁×コラーゲン 商品のご紹介」の項に、「国内産の有機大麦若葉に、注目の美容素材コラーゲンをたっぷりと配合した青汁です。」との記載(http://aocolla.com/item/)。
(イ)「大塚チルド食品株式会社」のウェブサイトにおいて、「スゴイダイズ ヨーグルトタイプ」の項に、「その1 大豆まるごと×植物性乳酸菌 牛乳と動物性乳酸菌から作られる普通のヨーグルトとは違い、スゴイダイズヨーグルトタイプはまろやかな『大豆飲料』と『植物性乳酸菌』を使用しているため、大豆まるごとの栄養と乳酸菌のWパワーで強力に健康をサポートします。」との記載(http://sugoidaizuyg.com/)。
(ウ)「ロッテ株式会社」のウェブサイトにおいて、「ニュースリリース」の項に、「〜 野菜×果実×コラーゲン=新しいグミ 〜『野菜果実〈トマト&アップル〉』『野菜果実〈キャロット&レモン〉』2009年3月10日(火)から北海道・東北・首都圏から新発売」の見出しのもと、「■ 『野菜果実〈トマト&アップル〉〈キャロット&レモン〉』の商品特長 1.(略)2.“野菜汁10%・果汁5%・コラーゲン2400mg”、体にも肌にも優しい、噛みごたえのある甘さすっきりのグミです。」との記載並びに商品の包装用容器に「野菜×果実」及び「やさい×かじつ」との記載(http://www.lotte.co.jp/news/news719.html)。
(エ)「キリンビバレッジ」のウェブサイトにおいて、「世界のキッチンから」の項に、「甘ずっぱいローストラズベリーにホワイトチョコのまろやかさがとけあいました。ベリー・ラッテ ローストラズベリー×ホワイトチョコ」との記載(http://www.beverage.co.jp/kitchen/)。
(オ)「キリンビバレッジ」のウェブサイトにおいて、「世界のキッチンから」の項に、「じっくり煮つめて作った『大麦の糖蜜』と『エスプレッソ』のダブルの香ばしさが楽しめるカフェ・オ・レです。 香ばし麦カフェ・オ・レ・ エスプレッソ×大麦の糖蜜」との記載(http://www.beverage.co.jp/kitchen/)。
(カ)「東洋水産株式会社」のウェブサイトにおいて、「ニュースリリース 2008年12月1日つるこしうどん×ラーメンスープ醤油豚骨味 新発売のお知らせ」の項に、「つるこしうどん×ラーメンスープ醤油豚骨味 新発売のお知らせ」の見出しのもと、「この度の商品は、麺が『うどん』で、スープや具材は『ラーメン』という、異色の組み合わせがベストマッチした、新感覚のラーメンです。パッケージは、『うどん×ラーメン』を全面に打ち出し、店頭において、消費者の方に分かり易いデザインとなっております。」との記載(http://www.maruchan.co.jp/news_topics/entry/2008/12/post_286.html)。
そうとすれば、本願商標の輪郭内の「スープ × ごはん」の部分は、「スープとごはんを組み合わせたもの」、「スープとごはんを使用してなるもの」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、本願商標の輪郭部分は、ありふれた四角形の輪郭であり、その輪郭が特に強い印象を与えるというものではないから、本願商標は、構成全体をもってしても上記意味合いを認識させるにすぎないものというのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「スープとごはんを組み合わせたもの」、「スープとごはんを使用してなるもの」ほどの意味合いを認識させ、自他商品識別標識としての機能を果し得ないものであるから、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と理解させるに止まるものといわなければならない。
請求人は、本願商標が上記意味合いを認識させるとしても、本願商標は、文字部分と記号及び図形部分とが結合された一体的に把握される商標であるから、商品の品質及び原材料を表示するにすぎない商標に該当せず、自他商品の識別力を有すると主張している。
しかしながら、本願商標の構成全体が、まとまりよく一体感のあるものであるとしても、既に述べたとおり、その輪郭図形部分が特に顕著な印象を与えるものではなく、構成全体としても上記意味合いを認識させる以上に自他商品の識別標識としての機能を発揮するとはいえないから、請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、「○○ × △△」のような構成からなる商標の登録例を挙げ、本願商標についても同様に判断すべきであると主張しているが、いずれも本願商標とはその構成を異にするものであり、食品業界における前記の取引の実情よりすれば、本願商標については、前記のとおり判断するのが相当である。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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