Trademark Appeal Case
TVの略語による品質誤認
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−11685(T2009−11685/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Peece.TV」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,ダウンロード可能なコンピュータプログラム」を指定商品として、平成20年4月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原審の拒絶の理由において、「本願商標は、その構成中に『テレビジョン放送』の略記として広く親しまれている『TV』の文字を顕著に表示してなるものであるから、これをその指定商品中、例えば『テレビジョン送受信機』といった上記文字に照応する商品以外の商品に使用する場合は、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の通知をした上で、原査定は、「下記のように、新聞記事やインターネットの記載などから、指定商品を取り扱う業界にあって『TV』の文字が『テレビジョン受信機』の意を表す略記として使用されている事実が窺い知るところであるから、さきの認定を覆すことはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
記
(1)平成21年4月23日付けの電波新聞1頁において、「3月国内出荷 薄型TV好調続く」との記載がある。
(2)2008年10月1日付けの読売新聞大阪朝刊11頁において、 「厚さ2.28センチの液晶TV発売へ/シャープ」との記載がある。
(3)2008年8月6日付けの日刊工業新聞12頁において、「厚さ35mmの47型液晶TV」との記載がある。
(4)「ソニー株式会社」のウェブサイトにおいて、 「製品情報 ブラビア アッタマいいのよ。ソニーの<ブラビア> ...あなたのTVとの買い換え節電効果はどれくらい?...」との記載がある。(http://www.sony.jp/bravia/)
(5)株式会社東芝発行の「東芝レビュー 2006年7月号」において、「特集 AV ノートPC 向け地上デジタルTV チューナ技術」の見出しのもと、「AV ノートパソコン(PC)Qosmio シリーズでは,高画質を特長にした地上アナログテレビ(TV)チューナの開発・搭載を行ってきたが,更なる高画質化を達成するため,業界に先駆けて地上デジタルTV チューナを開発した。TV チューナをノートPC に内蔵するためには,小型化,低消費電力化,実装位置の制約などの厳しい条件をクリアする必要がある。今回開発した地上デジタルTV チューナは,これらの条件をクリアするとともに,他社の地上デジタルTVチューナ内蔵デスクトップPC 及びデジタルTV 並みの性能を実現した。...」との記載がある。(http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2006/07/61_07pdf/a05.pdf)
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「Peece.TV」の文字からなるところ、該文字は、構成全体をもって、親しまれた特定の事物、事象を表すというような格別の事情を見いだせないものであり、また、これは、欧文字の「Peece」及び「TV」の各文字間に「.」(ピリオド)を配して表したものと認められるものであるから、前半部分の「Peece」の文字と後半部分の「TV」の文字が「.」(ピリオド)で分けられたように視覚上、分離してみてとれるものである。
そして、その構成中、「TV」の文字は、「テレビ(放送)、テレビ受像機」(「小学館ランダムハウス英和大辞典」第2版 株式会社小学館 2002年1月10日発行)等の意味を有する語として、我が国において一般によく知られている語というべきものである。
そうすると、本願商標の構成中の「TV」の文字は、「テレビ、テレビ受像機」の略語であることを容易に理解、認識させるものであり、このことは、「TV」の文字について、以下の新聞記事情報からも十分裏付けられるものである。
記
(1)2010年3月29日付けの日本経済新聞朝刊9頁において、「プラズマTVパネル、パナソニック、フル生産、今秋から、3D用本格供給。」の見出しのもと、「パナソニックは薄型テレビの世界需要が回復しているのを受け、基幹部材のパネルを増産する。プラズマパネルの工場稼働率は現在約8割だが、3D(3次元)テレビ向けの供給を本格化するのにあわせ、今秋からフル稼働させる。...」との記載がある。
(2)2010年3月29日付けの日経産業新聞5頁において、「液晶TV新製品、一部発売を延期、ソニー、部品不足の恐れ。」の見出しのもと、「ソニーは液晶テレビ『ブラビア』シリーズの新製品の一部の発売を延期する。...」との記載がある。
(3)2010年3月29日付けの日経産業新聞20頁において、「TV会議システム、高画質・低価格に進化、ウェブ型はさらに割安。」の見出しのもと、「出張費削減、導入増える 出張費などの経費削減を目指し、テレビ会議システムを導入する企業が増えている。(中略)『テレビ会議システムは高い』という企業には専用端末が不要で割安なウェブ会議システムもある。...」との記載がある。
(4)2010年3月25日付けの日経産業新聞5頁において、「薄型TV、2月72%増、国内出荷台数、BD録再機、普及進む。」の見出しのもと、「電子情報技術産業協会(JEITA)が24日発表した2月の薄型テレビ国内出荷台数は前年同月比72・7%増の139万3000台だった。...」との記載がある。
(5)2010年3月23日付けの日本経済新聞朝刊25頁において、「関西経済特集――エコ技術革新、関西をけん引、TV省エネ化、電池も進化。」の見出しものと、「...プラズマテレビは液晶テレビより消費電力が大きいとされてきたが、新型パネルは省エネ性能が大幅に改善。...」との記載がある。
(6)2010年3月19日付けの日本経済新聞朝刊1頁において、「遠隔医療や高精細TV、日本発の光技術実用化へ、慶大・東芝・旭硝子など連携。」の見出しのもと、「...慶大の小池康博教授が開発した高性能プラスチック素材を活用して高速通信網や高精細の大画面液晶テレビを試作。...」との記載がある。
(7)2010年3月19日付けの日経産業新聞3頁において、「液晶パネル覇権韓台勢激走(下)台湾奇美・AUO――垂直統合で脱・調整弁。」の見出しのもと、「TV生産、日韓追う (中略)一方、パネル専業だった台湾・友達光電(AUO)もテレビの生産受託を積極化。台湾のパネル2社がテレビ生産も手がける垂直統合で韓国勢に対抗する動きが鮮明になってきた。...」との記載がある。
(8)2010年3月2日付けの日経産業新聞5頁において、「LED液晶TV、日立、30型以上も投入、録画機能+省エネ強調。」の見出しのもと、「...32型や37型、42型など大画面の液晶テレビにLEDバックライトを搭載する。(中略)LED液晶テレビを拡充するのは、09年5月に始まった『エコポイント制度』が10年度から消費電力の基準が厳しくなるため。(中略)LEDバックライトを搭載したLED液晶テレビは国内でシャープやソニー、パナソニック、東芝など上位陣が09年からそろって機種数を増やしている。...」との記載がある。
(9)2010年2月19日付けの日経産業新聞11頁において、「フルHD映像、次世代TV向け補正、三菱電、高精細に画像処理。」の見出しのもと、「三菱電機は、次世代の超高精細映像を映すテレビ向けに、画素数が少ない現在のフルハイビジョン(フルHD)用の映像を使う場合でも鮮明に見えるようにする画像処理技術を開発した。(中略)早ければ2012年ごろにも普及し始めると予想されている次世代超高精細テレビ向けに実用化を目指す。...」との記載がある。
(10)2010年2月16日付けの日本経済新聞朝刊31頁において、「TV付きパソコン最近見ない、薄型TV値下がり、別々の方が割安感(消費のなぜ)」の見出しのもと、「かつてパソコン売り場の主役だった、テレビが見られるチューナー内蔵のパソコンの存在感が薄い。(中略)今月、都内で一人暮らしを始めたばかりだが『テレビ付きパソコンも知っているけれど、テレビが安かったし、前から使っているパソコンがあるので十分』1階のパソコン売り場奥にはテレビ付きパソコンのコーナーがあるが、客数は多くない。...」との記載がある。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品中、「テレビジョン受信機」以外の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「テレビジョン受信機」であるかのように品質について誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙示して、本願商標もこれらと同様に登録されて然るべきものである旨主張するが、それらの登録例は商標の具体的構成や指定商品において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に拘束されるべき理由はない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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