Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−13134(T2009−13134/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、別掲2のとおりの第9類及び第42類に属する願書に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年4月22日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年12月2日付け手続補正書により、第9類「電子計算機用プログラム」及び第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。
2 原査定において引用した商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2706836号商標(以下「引用商標」という。)は、「XERO」の文字を横書きしてなり、昭和59年6月7日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成7年5月31日に設定登録され、その後、同17年3月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、同18年9月27日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否について
商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)(平成11年(行ケ)第422号 平成12年6月13日判決)。
また、簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、1個の商標から2個以上の称呼、観念の生ずることがあり、この場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一又は類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決 民集17巻12号1621頁参照)(平成18年(行ケ)第10280号 平成18年12月20日判決)。
以下、これを踏まえて本願商標と引用商標について判断する。
(2)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、太線による縦長楕円内に「ZERO」の欧文字を横書きして表してなるところ、構成中の「ZERO」の文字部分と縦長楕円部分とでは、これらが一体となって特定の観念を有するものとは認められないばかりでなく、両者が渾然一体として融合した構成態様からなるものといえず、常にこれらを一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情を見いだし得ないものであるから、本願商標は、その構成中の文字部分も独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、本願商標の文字部分である「ZERO」は、「(アラビア数字の)0、ゼロ、零(「新英和中辞典」株式会社研究社)」の意味を有する親しまれた英語であるから、「ゼロ」の称呼及び「(数字の)0」の観念が生ずるものである。
他方、引用商標は、「XERO」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は辞書類に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものである。
しかして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みにならって称呼するのが自然であるから、引用商標は、その構成中の「XE」の文字部分を、本願商標の指定商品と同一又は類似すると認められる「電子応用機械器具」に関連する親しまれた商品名等である「XEON」を「ゼオン」、「XENIX」を「ゼニックス」、「Xenon」を「ゼノン」と発音する例にならい「ゼ」と発音するのが相当である。
また、「XERO」の文字全体は、我が国において親しまれた外国語である英語において「xerography」を「ゼログラフィ」、「xeroradiography」を「ゼロラジオグラフィ」、「xerox」を「ゼロックス」と発音する例があることから、「ゼロ」と発音するとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、「ゼロ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
そうとすれば、本願商標の構成中の「ZERO」の文字と引用商標は、いずれも欧文字を普通に用いられる書体をもって表してなるものであるから、外観において相違し、観念については、引用商標が造語よりなるものであるから、比較することができないことを考慮したとしても、これらが上記称呼の同一性を凌駕するということができず、かつ、両商標の取引の実情等において、商品の出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特段の事情が存するものとも認められない。
そして、本願商標の指定商品「電子計算機用プログラム」は、引用商標の指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)請求人の主張について
請求人は、請求の理由において「引用商標は『エクセロ』の称呼を生ずるものであるから本願商標とは類似しない。」旨主張しているが、その主張を裏付ける証左の提出がないばかりか、原審における意見書において「『XERO』から『ゼロ』の称呼を生ずることも否定しない。」旨述べていることから、上記主張は採用することができない。
(4)結語
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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