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Trademark Appeal Case

「スパークリングキット」の識別力と記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−13176(T2009−13176/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「スパークリングキット」の片仮名文字及び「SPARKLING KIT」の欧文字を二段に書してなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成19年2月28日に登録出願されたものであり、その後、原審において同20年5月13日付けの手続補正書及び当審における同21年9月3日付けの手続補正書により、最終的に、第3類「化粧品,香料類」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

(1)原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2718231号商標(以下「引用商標」という。)は、「スパークリング」及び「SPARKLING」の文字を二段に書してなり、昭和60年1月10日に登録出願、第4類「せつけん類 歯みがき」を指定商品として、平成8年11月29日に設定登録され、その後、同18年10月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同18年12月6日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)原査定は、「本願商標は、『輝く、きらめく』等の意味を有する『スパークリング』『SPARKLING』の文字と、特定の目的のための道具一式を意味し、いわゆる『キット商品』の意を表示する『キット』『KIT』の文字とを、『スパークリングキット』『SPARKLING KIT』と普通に用いられる方法で二段に書してなるので、これをその指定商品中『パール、ゴールドラメ等の超微粒子入りの化粧品』(例えば、『アイシャドウ,リップグロス』)に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、「スパークリングキット」の片仮名文字及び「SPARKLING KIT」の欧文字を二段に書してなるところ、構成中の「スパークリング」「SPARKLING」の文字は、「火花を出す;輝く,きらめく」等(小学館ランダムハウス英和大辞典 株式会社小学館発行)の意味を有し、また、「キット」及び「KIT」の文字は、「(特定の目的のための道具などの)一そろい,一式」等の意味を有するものである。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、平成21年9月3日付けの手続補正書により、本願の指定商品を、「化粧品,香料類」に補正した。

よって、本願商標と引用商標とは抵触関係がなくなったことから、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。

イ 請求人は、当審において本願商標「スパークリングキット/SPARKLING KIT」は、指定商品中「化粧品」に使用しても、直接的に「ラメ入り化粧品一式」と認識するとはいえず、特定の意味を有しない造語商標と認識され十分自他商品識別力を有することから、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しないものであり、更に、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、指定商品との関係、取引界の事情を考慮に入れ、具体的に自他商品識別力を具有するか否かを考察し、かつ商品の品質、用途等とはその商標がその商品の品質、用途等を直接的に表すものとして一般世人に理解されていること、あるいは現実の商取引上普通に当該商標が使用されている事実あるいは蓋然性が必要である旨主張する。

(3)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について

本願の指定商品は、前記1の平成21年9月3日付けの手続補正書により、第3類「化粧品,香料類」に補正された結果、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品はすべて削除されたと認められるものである。

その結果、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しない商品になったと認められるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

(4)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について

以下、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かを検討する。

ア 本願商標は、「スパークリングキット」及び「SPARKLING KIT」の文字を書してなるものである。ところで、構成中の「スパークリング」及び「SPARKLING」の文字が、化粧品を取り扱う業界において一般に使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、次のインターネットのウェブサイト上で、商品の品質等を表示する文字として使用されている事実から裏付けられるものである。

(ア)「株式会社アイスタイル」の「@コスメ(アットコスメ)」と称するウェブサイトにおいて、「メーカー名 イヴ・サンローラン・ボーテ ブランド名・商品名 イブ・サンローラン・ボーテ スパークリングリップグロス 商品説明 ノックするたびにまばゆい輝きを含んだドロップが繰り出される、筆ペンタイプのリップグロス。」と記載されている。

(http://www.cosme.net/product/product_id/352301/top/)

(イ)「株式会社アイスタイル」の「@コスメ(アットコスメ)」と称するウェブサイトにおいて、「メーカー名 パルファム ジバンシィ ブランド名・商品名 ジバンシィ イドラ スパークリング リッチ 商品説明 常に細胞が水をとりこみ続ける際のエネルギーによって、肌は光を集め、きらきらと光を反射、明るい肌へ導きます。厳選された成分シアバターとヘチマオイルが乾きがちな24時間揺るぎない潤いと豊かな栄養を与え、肌に輝きをもたらします。」と記載されている。

(http://www.cosme.net/product/product_id/2947669/top/)

(ウ)「Deeps Enterprise」の「Bamboo Kitchen」と称するウェブサイトにおいて、「ビューティーラッシュスパークリングシャドー ビューティーラッシュシリーズから明るいアイシャドー登場!キラメク真珠のような輝きが貴方の目に新しい美しさを与えます」と記載されている。

(http://bambookitchen.ocnk.net/product/1350/)

(エ)「GMOメイクショップ株式会社」の「アイテムポスト」と称するウェブサイトにおいて、「NATURE REPUBLIC プリズム スター スパークリング アイシャドー 3.5g(SPK110ピンクプリズム) 効果 クリスタルのような輝きと柔らかくシルキーな塗り感のアイシャドー!」と記載されている。

(http://www.itempost.jp/detail/1/finetool/2779/)

(オ)「株式会社イノベート」の「【楽天市場】コスメランド」と称するウェブサイトにおいて、「商品名 NARS ナーズ スパークリング プレスト パウダー 商品規格等 カラー ・5141 ・5142 ・5143 ゴールドパールの輝きがハイライトに抜群の効果を発揮し、光沢のある仕上がりを演出します。」と記載されている。

(http://item.rakuten.co.jp/cosmeland/234527//)

イ 本願商標の構成中「キット」及び「KIT」の文字が、化粧品を取り扱う業界において一般に使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、次のインターネットのウェブサイト上で、「化粧品のセット」ほどの意味合いで、商品の品質等を表示する文字として使用されている事実から裏付けられるものである。

(ア)「エキサイト株式会社」の「ウーマンエキサイト」と称するウェブサイトにおいて、「[メーカー]ボビイ ブラウン クリーミーコンシーラーキット 【セット内容】●クリーミーコンシーラー 1.7g シアーフィニッシュルースパウダー 0.8g」と記載されている。

(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_30667.html/)

(イ)「エキサイト株式会社」の「ウーマンエキサイト」と称するウェブサイトにおいて、「[メーカー]ヘレナ ルビンスタイン グラム マスカラ キット 【セット内容】●お好きなマスカラ/税込 3,675円〜5,250円 ●スパイダー アイズ マスカラ ベース ●オール マスカラ リムーバー 50ml ・・・」と記載されている。

(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_36629.html/)

(ウ)「エキサイト株式会社」の「ウーマンエキサイト」と称するウェブサイトにおいて、「[メーカー]スック スック 2009 クリスマス メイクアップ キットA 【セット内容】●ブレンド アイシャドウ EX-06(舞雪−MAIYUKI)〈限定色〉 ●アイ ルーセント EX-03(雪霞−YUKIGASUMI)〈限定色〉 ●オリジナル ポーチ」と記載されている。

(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_36714.html/)

(エ)「エキサイト株式会社」の「ウーマンエキサイト」と称するウェブサイトにおいて、「[メーカー]イプサ ベイスメイクキット 【セット内容】●ファウンデイション4種からお好きな1品(現品) ●化粧下地 3色から1色選択(現品) ●メイク落とし 3種から1品(トライアルサイズ)・・・」と記載されている。

(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_36307.html/)

(オ)「エキサイト株式会社」の「ウーマンエキサイト」と称するウェブサイトにおいて、「[メーカー]アナスタシア オータムビューティキット 【セット内容】●コンシーラー(現品 2.83g) ●プレストパウダー Light(現品 8.2g)」と記載されている。

(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_36193.html/)

(5)以上の事実よりすれば、「スパークリング」、「SPARKLING」の文字は、「きらめき、輝き」を表す文字として、化粧品を取り扱う業界において輝きを含んだリップグロスを「スパークリング リップグロス」、肌を輝かせる超微粒子のパウダーを「スパークリングパウダー」といったように取引きされていることが認められる。そして、「キット」、「KIT」の文字は、「一セット、一そろい、用具一式」を表す文字として、化粧品を取り扱う業界において一般に使用されていることからすれば、「スパークリング」、「SPARKLING」及び「キット」、「KIT」をそれぞれ一連に書してなる本願商標よりは、「肌に輝きを与える化粧品セット」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。

なお、「スパークリングキット」の一連の文字が、請求人以外の他社も「化粧品」に、「今冬は、『INOUI ID(インウイ アイディー)』から登場の『スパークリングキット』で、きらめく目元が主役のクリスマスメークを楽しんでみませんか?」(http://www.citywave.com/osaka/marugoto/20051125/1125-10.pdf)と使用していることが認められる。

そうすると、本願商標を、その指定商品中「肌に輝きを与える化粧品セット」について使用するときは、これに接する取引者、需要者が「スパークリングキット」及び「SPARKLING KIT」の文字を、その商品の品質、用途等をあらわしたものと判断するのが相当であり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。

なお、請求人は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するには、その商標が商品の品質、用途等を直接的に表すものとして一般世人に理解されていること、あるいは普通に当該商標が使用されている事実等が必要であるから、本願商標は造語商標であるため自他商品識別力を有する旨主張する点については、本願商標を構成する「スパークリング」、「SPARKLING」及び「キット」、「KIT」の各文字は、前記3の(4)ア及びイに記載の事実のとおり、化粧品を取り扱う業界はもとより、一般の需要者においても容易に商品の品質、用途等を表示するものとして理解され得る語であることからすると、それを一連に書した「スパークリングキット」及び「SPARKLING KIT」の文字は、自他商品識別標識の機能を有し得ないものであるため、請求人の主張は採用することはできない。

また、当審において上げた過去の登録例等(甲第1号証ないし第22号証)については、商標の構成等において事案を異にするものであり、ある商標が識別力を有するか否かの判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、本願の判断に影響を与えるものとは認められない。

(6)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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