1 本願商標
本願商標は、「NIPRO PATCH」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖」を指定商品として、平成19年12月12日に登録出願された商願2007−123238に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同20年7月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『NIPRO PATCH』の文字を書してなるところ、その構成中に、『絆創膏』『貼剤』を意味する『PATCH』の文字を有してなるから、これを本願指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「NIPRO PATCH」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中後半の「PATCH」の文字は、「継ぎ布、継ぎはぎ」(広辞苑第六版)、「継ぎ、当て布、傷あて、ばんそうこう、膏薬」(大修館書店「ジーニアス英和辞典」)の意味を有する語であって、「eye patch」(眼帯)、「elbow patch」(ひじ当て)、「knee patch」(膝当て)、「gauze patch」(ガーゼ片)の熟語として用いられることが認められる(「英辞郎 on the Web」)。
そして、本願の指定商品「薬剤」との関係では、「絆創膏」は「adhesive plaster」(「英辞郎 on the Web」)、「貼付剤」は「Plasters and Pressure Sensitive Adhesives Tapes」(第十五改正日本薬局方)と英訳されるように「plaster」の語が使用されている。また、「Patch」の文字を含む薬剤には、「Cataplasms/Gel Patches(パップ剤)」(第十五改正日本薬局方)と記載されている。
さらに、薬剤を取り扱う業界では、「パッチ」の語は、その商品説明として「パッチタイプ」、「パッチ型」のように商品の形状を記述的に表現する際に使用されたり、「かゆみどめパッチ」、「アイパッチ」、「口内炎パッチ」のように商品の品質、用途等を表示する語とともに使用されていることが認められる。
そうとすれば、本願商標構成中の「PATCH」の文字は、上記「パッチ
」の用例とは異なり、識別力を有する造語と認められる「NIPRO」の文字と結合してなるから、本願商標を「薬剤」等に使用した場合、直接的に特定の商品の品質を表示するものとして、取引者、需要者間で認識されるとは認め難いというべきである。
してみれば、本願商標は、「NIPRO」と「PATCH」の文字をそれぞれ同書、同大で一連に書してなり、外観上まとまりよく一体的に表されてなるものであって、一種の造語商標とみるのが相当であるから、これをその指定商品中「絆創膏,貼剤」以外の商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。