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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300978(T2008−300978/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第579237号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベル」の文字を書してなり、第59類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和34年9月26日に登録出願され、同36年8月19日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が3回なされ、さらに、一部取消し審判が請求された結果、平成10年12月7日に指定商品中「硬質プラスチック製身飾品」についての登録を取り消す旨の審決がされ、同11年4月14日にその確定の登録がなされ、その後、指定商品について、第17類「硬質プラスチック基礎製品」、第19類「硬質プラスチック製排水管その他の建築用の硬質プラスチック製管」、第20類「硬質合成樹脂製たんす類,硬質合成樹脂製机類,硬質合成樹脂製いす類,硬質合成樹脂製いこう,硬質合成樹脂製傘立て,硬質合成樹脂製げた箱,硬質合成樹脂製書棚,硬質合成樹脂製陳列棚,硬質合成樹脂製長持,硬質合成樹脂製宝石箱,硬質合成樹脂製本立て,硬質合成樹脂製本箱,硬質合成樹脂製マガジンラック,硬質合成樹脂製ロッカー,硬質合成樹脂製包装用容器,硬質合成樹脂製かご,硬質合成樹脂製ふた,硬質合成樹脂製愛玩動物用ベッド,硬質合成樹脂製犬小屋,硬質合成樹脂製小鳥用巣箱,硬質合成樹脂製買物かご,硬質合成樹脂製額縁,硬質合成樹脂製家庭用水槽,硬質合成樹脂製工具箱,硬質合成樹脂製ししゅう用枠,硬質合成樹脂製盆,硬質合成樹脂製洗濯挟み,硬質合成樹脂製タオル用デスペンサー,硬質合成樹脂製ネームプレート及び標札,硬質合成樹脂製ハンガーボード,硬質合成樹脂製ベンチ,硬質合成樹脂製帽子掛けかぎ,硬質合成樹脂製郵便受け,硬質合成樹脂製彫刻」及び第21類「硬質合成樹脂製なべ類,硬質合成樹脂製コーヒー沸かし,硬質合成樹脂製食器類,硬質合成樹脂製アイスペール,硬質合成樹脂製こしょう入れ,硬質合成樹脂製砂糖入れ及び塩振り出し容器,硬質合成樹脂製卵立て,硬質合成樹脂製ナプキンホルダー及びナプキンリング,硬質合成樹脂製ようじ入れ,硬質合成樹脂製ざる,硬質合成樹脂製シェーカー,硬質合成樹脂製しゃもじ,硬質合成樹脂製じょうご,硬質合成樹脂製ぜん,硬質合成樹脂製大根卸し,硬質合成樹脂製タルト取分け用へら,硬質合成樹脂製なべ敷き,硬質合成樹脂製はし,硬質合成樹脂製はし箱,硬質合成樹脂製ひしゃく,硬質合成樹脂製ふるい,硬質合成樹脂製まな板,硬質合成樹脂製麺棒,硬質合成樹脂製ようじ,硬質合成樹脂製レモン絞り器,硬質合成樹脂製洗濯板,硬質合成樹脂製洗面器,硬質合成樹脂製たらい,硬質合成樹脂製ちりかご,硬質合成樹脂製ちり取り,硬質合成樹脂製バケツ,硬質合成樹脂製張り板,硬質合成樹脂製物干竿,硬質合成樹脂製物干用ハンガー,硬質合成樹脂製米びつ,硬質合成樹脂製食品保存用瓶,硬質合成樹脂製水筒,硬質合成樹脂製くし用容器,硬質合成樹脂製クリーム入れ,硬質合成樹脂製化粧用箱,硬質合成樹脂製コンパクト,硬質合成樹脂製せっけん入れ,硬質合成樹脂製歯ブラシ入れ,硬質合成樹脂製靴べら,硬質合成樹脂製愛玩動物用食器,硬質合成樹脂製小鳥用水盤,硬質合成樹脂製植木鉢,硬質合成樹脂製家庭用園芸用の水耕式植物栽培容器,硬質合成樹脂製じょうろ,硬質合成樹脂製寝室用簡易便器,硬質合成樹脂製トイレットペーパーホルダー,硬質合成樹脂製貯金箱,硬質合成樹脂製湯かき棒,硬質合成樹脂製浴室用腰掛け,硬質合成樹脂製浴室用手おけ,硬質合成樹脂製花瓶及び水盤」とする書換登録が同15年9月3日になされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標はその指定商品中、後掲の指定商品の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

被請求人は、本件商標を後掲の指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。

よって、本件商標の登録は、後掲の指定商品について、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。

1 被請求人は、広く硬質合成樹脂(プラスチック)製品の製造・販売を手掛けてきた株式会社であるところ、以下に例示するとおり、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求人が本件審判で取消しを求めた範囲に属するプラスチック商品に対して、本件商標「ベル」を使用していたことは明らかである。

2 本件商標の使用の事実

(1)「第19類 硬質プラスチック製排水管その他の建築用の硬質プラスチック製管」について

被請求人は、本件商標権に係る「硬質合成樹脂製のパイプ及び継手」について、件外積水化学工業株式会社に専用実施権設定契約を結び、実施を許諾している(乙第1号証)。

なお、契約書の蝶印プラスチック工業の名称は、被請求人の旧商号である。

そして、同社は許諾に基づき「水道配水用エスロンパイプ等について、エスロンHIベルパイプ−L・ゴールド+(プラス)、エスロンHIベルパイプロング・ゴールド+(プラス)、エスロンベルパイプ−L等々の商品名で、いわば「ベル」シリーズの商品として「第19類 硬質プラスチック製排水管その他の建築用の硬質プラスチック製管」を継続して販売している(乙第2号証、カタログは2008年4月の改定14版である)。

(2)「第17類 硬質プラスチック基礎製品」について

前記件外同社によって販売されているパイプには、特定の形状のものもあるが、むしろ汎用で所定の目的に応じて加工されて用いられるものも多いことは、そのカタログの記載からも明らかである。

したがって、「第17類 硬質プラスチック基礎製品」にも使用されている。

この点、二面性を有する商品に関する「東京高裁昭和60年5月14日判決(判時1166.152)」及び「東京高裁平成13年7月12日判決(判時1759.120)」という先例判決がある。

したがって、本件商標が使用されている前記パイプ類は、第19類の商品であると同時に第17類の商品であるから、第17類に使用されていることは明らかである。

(3)「第20類 硬質合成樹脂製陳列棚」及び「同 硬質合成樹脂製かご」について

被請求人は、商品名「ベルワゴン3段」(カラー;ベージュ)として、本件商標「ベル」を商品名に付した硬質合成樹脂製品を、平成20年4月1日に、ユニー・アピタ用として、株式会社藤栄から、288個受注している(乙第3号証:発注伝票)。

「ベルワゴン3段」は、その商品カタログ(乙第4、5号証)から明らかなように、「ポリプロピレン」棚、「スチロール樹脂」柱、「ナイロン」キャスターから構成される硬質合成樹脂製品であり、狭い空間を有効利用してペットボトル等小中型の物品を陳列または収納するための汎用の道具として使用が予定されている商品である。

なお、商品下部にキャスターが付いているために「ワゴン」という名称になっているが、言うまでもなく、本来「ワゴン」が意味するところの物品運搬を目的とする商品ではない。あくまで、キャスターは、当該陳列・収納用家具を狭い空間から「出し入れに便利な」ように付属されているだけである。

したがって、当該「ベルワゴン3段」の販売は、本件商標の指定商品中「第20類 硬質合成樹脂製陳列棚」及び、「同 硬質合成樹脂製かご」の使用にあたる。

(4)「第20類 硬質合成樹脂製げた箱、硬質合成樹脂製書棚、硬質合成樹脂製マガジンラック」について

前記「ベルワゴン3段」については、単体のパンフ(乙第4号証)にはペットボトルを収納した例が記載されているが、綜合カタログ(乙第5号証)には、これとほとんど同じで、高さが微妙に高い「洗濯機横スキマワゴン」として、スリッパを収納した例が記載されており、これより少し細長い「コミックラック」については、書物を収納した例が記載されている。

これらの商品名はむしろ購入者に対する使用参考例として付せられたもので、例えば「洗濯機横スキマワゴン」の洗剤のところにペットボトルを収納することも当然違和感なく可能であることは、需要者に明白である。

もともと、汎用性の高い収納道具であるから、使途は購入者まかせという性質のものである。

実際に、この「ベルワゴン3段」にCDや書籍を収納しても何の違和感もないことについて、乙第6号証の写真で証明する。

したがって、この「ベルワゴン3段」は、「第20類 硬質合成樹脂製陳列棚」および、「同 硬質合成樹脂製かご」であると同時に「第20類 硬質合成樹脂製げた箱、硬質合成樹脂製書棚、硬質合成樹脂製マガジンラック」にもあたるので、これらの商標として使用されている。

なお「げた箱」との表現は、文字通りの下駄専用の収納箱の意で用いられることはむしろ例外で、靴、サンダル、スリッパ等が入るものを昔の習慣から「げた箱」と呼ぶのが通常であることを付言しておく。

(5)「第21類 硬質合成樹脂製食品保存用瓶」について

また、被請求人は、商品名「ベルしょうゆ差し」として、本件商標「ベル」を商品名に付した硬質合成樹脂製品を、平成20年4月30日に、株式会社セントラルから、18個受注している(乙第7号証:発注書)。

「ベルしょうゆ差し」は、その商品カタログ(乙第8号証)から明らかなように、「メタクリル樹脂」本体・ふたから構成される硬質合成樹脂製品であり、その名称、表示等の形式のみならず、当該商品の形状、構造等から取引者及び需要者の実質的判断を考慮しても、食品であるしょうゆを保存するための瓶に該当することは明らかである。

したがって、当該「ベルしょうゆ差し」の販売は、本件商標の指定商品中「第21類 硬質合成樹脂製食品保存用瓶」の使用にあたる。

(6)「第21類 硬質合成樹脂製食器類」について

「食器」はお茶碗やお皿のように上部が開放され、飲食物をそのまま食するに使うものが含まれることは当然であるが、お箸やナイフその他食事の際に使う道具類も指している。

「しょうゆ差し」は、食卓において、食事の際にも用いられるものであるから、硬質合成樹脂製のしょうゆ差しは、同時に、「第21類 硬質合成樹脂製食器類」にも該当する。

したがって、当該「ベルしょうゆ差し」の販売は、本件商標の指定商品中「第21類 硬質合成樹脂製食器類」の使用にあたる。

(7)「硬質合成樹脂製ふた」について

被請求人は、商品名「ベルバケツ フタ」として、本件商標「ベル」を商品名に付した硬質合成樹脂製品を、平成19年12月19日に、株式会社桝田屋商店から、10個受注している(乙第9号証:発注書)。

「ベルバケツ フタ」は、その商品カタログ(乙第5号証)から明らかなように、「ポリエチレン」を材質とする硬質合成樹脂製品であり、その名称、表示等の形式のみならず、当該商品の形状、構造等から取引者及び需要者の実質的判断を考慮しても、ふたに該当することは明らかである。

ちなみに、当該「ベルバケツ フタ」は、「ベルバケツ 本体」とは独立して取引の対象となっていることは、カタログ(乙第5号証)表記や価格設定からも明らかであり、実際、本体とは異なる個数が発注されている(乙第9号証)。

したがって、当該「ベルバケツ フタ」の納入実績は、商品分類への所属の二面性を認めた前記裁判例の趣旨からも、請求人が敢えて今回除外したと推測される「第20類硬質合成樹脂製バケツ」の使用とみるのではなく、あるいはその他に、本件商標の指定商品中「第20類 硬質合成樹脂製ふた」の使用に(も)あたると認定されるべきである。

(8)「第20類 硬質合成樹脂製傘立て」「第21類 硬質合成樹脂製米びつ」について

被請求人の「ベルロックペール」は、前同様硬質のポリプロピレン等からなり、30Lと40Lの2種ある(乙第5号証)が、ふたを外した状態では傘立てに丁度よいサイズなので、昔から傘立てに使用されている例(乙第10号証写真参照)がある。また蓋ができるので、ホコリがたまったり、ネズミが浸入する危険がなく、米びつにも適しているので、その用途で購入される場合も多い(乙第11号証)。

したがって、「ベルロックペール」の使用は「第20類 硬質合成樹脂製傘立て」にも「第21類 硬質合成樹脂製米びつ」での使用にもあたる。

(9)「第21類 硬質合成樹脂製アイスペール」同「硬質樹脂製水筒」について

被請求人は、水、飲料を冷蔵庫で冷やすための容器に、「クールベル」の名称で「ベル」を使用している(乙第12号証発注書、乙第5号証カタログ)。

アイスペールには蓋のないものも多いが、蓋のあるものもあり、氷を入れるものであるが、当然溶けた水も混じっており、氷水を入れる「クールベル」の容器と本質的な差異はない。

「クールベル」が「硬質樹脂製水筒」としての性質を持っていることはカタログ上自明である。

なお、「クールベル」における「クール」は冷たいとの意味で用いられている一般的な言葉であり、かつ「冷たい鈴」という意味ではないから、クールとベルは分けて考えることが可能であり、「クールベル」からは、ベル印のクール用の容器という概念が生じるから、本件「ベル」商標の使用といえる。

よって、「第21類 硬質合成樹脂製アイスペール」、「同 硬質樹脂製水筒」についても本件商標は使用されているといえる。

3 以上のとおり、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人が、本件請求に係る指定商品について、本件商標「ベル」を使用していたことの証明は十分である。

第4 当審の判断

1 被請求人が提出した乙各号証及び答弁によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、被請求人の旧名称「蝶印プラスチック工業株式会社」と「積水化学工業株式会社」(以下「積水化学」という。)の昭和48年8月21日付けの「契約書」であり、その第1条で被請求人が、積水化学に対し、商品「硬質合成樹脂製のパイプ及び継手」について、本件商標「ベル」を使用する専用使用権を許諾する旨記載されている。

(2)乙第2号証は、「水道配水用エスロンパイプ」と表示されている積水化学の商品カタログであり、「2008.4 改訂14版」と表示され、その12頁には、管の規格の項目に、「水道用ゴム輪形耐衝撃性硬質塩化ビニル管 JWWA K 129 水道用エスロンHIベルパイプ−L・ゴールド+(プラス)[HIRRL−VP・G]」、「水道用ゴム輪形硬質塩化ビニル管 JWWA K 127 水道用エスロンベルパイプ−L[RRL−VP]」、「水道用ゴム輪ロング受口形高性能耐衝撃性硬質塩化ビニル管 JWWA K 129 水道用エスロンHIベルパイプロング・ゴールド+(プラス)[HIRR−VPL・G]」と表示され、さらに、「HIベルパイプ−L・ゴールド+(プラス)」、「ベルパイプ−L」として、写真と共に品番、規格等の詳細な表が掲載されている。

また、同カタログの奥付けには、「積水化学工業株式会社」、「2001年5月初版」、「2008年4月改訂14版」、「水道排水用エスロンパイプカタログ」等の記載がある。

2 専用使用権者について

当審において、職権により商標登録原簿の記載に徴したところ、積水化学は、本件商標の指定商品中「硬質合成樹脂製のパイプ及び継手」について、専用使用権者であると認める。

3 上記1及び2よりすれば、本件商標の専用使用権者は、「水道排水用パイプ」について、シリーズ商標として本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ベル」を使用し、2008年4月に、該商品の宣伝広告のためにカタログを製作、頒布したものといえる。

4 してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品中本件審判請求に係る「硬質プラスチック製排水管その他の建築用の硬質プラスチック製管」に包含される「水道排水用パイプ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を専用使用権者が使用していたことを証明したというべきである。

なお、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その請求に係る商品についての登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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