Trademark Appeal Case
結合商標の分離観察
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−650151(T2008−650151/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類「Computer software and Internet based software for use in the strategic design,forecasting and analysis of marketing and merchandising activities.」及び第35類「Business marketing and merchandising consultation,forecasting and analysis services.」を指定商品及び指定役務として、2006年(平成18年)2月1日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第3072089号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成4年9月28日に登録出願、第35類「経営の指導」を指定役務として、同7年8月31日に設定登録、その後、同17年7月19日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、ややデザイン化されているものの、全体として見れば「SPAR」の欧文字を表してなると容易に看取されるものであるから、該文字に相応して、「スパー」の称呼を生じ、かつ、「SPAR」は、「[海事]スパー:マストに使う円材,(ボクシングの)実戦練習」(小学館ランダムハウス英和大辞典)等を意味する語であるから、「スパー、(ボクシングの)実戦練習」ほどの観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、赤地長方形(以下、「赤地図形」という。)内に「SPAR」の欧文字を白抜きで書してなるものである。
しかして、引用商標は、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「赤地図形」及び「SPAR」の文字を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。
そして、「SPAR」の文字は、赤地図形内に白抜きされた構成から、特に、看者の目を惹きやすい部分であると認められ、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、「SPAR」の文字部分に強く印象を留め、該文字が独立して自他商品識別機能を有するものとして、取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
したがって、引用商標は、「SPAR」の文字部分に相応した「スパー」の称呼を生じ、かつ、「スパー、(ボクシングの)実戦練習」ほどの観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「スパー」の称呼及び「スパー、(ボクシングの)実戦練習」ほどの観念を共通にし、また、外観においても両者共、4文字構成で、その綴りを共通にするものであるから、外観においても近似するものである。
そして、本願の指定役務第35類「Business marketing and merchandising consultation,forecasting and analysis services.」と引用商標に係る指定役務第35類「経営の指導」とは、共に「事業支援」を行う役務であり、その需要者は、企業経営者等の「事業者」であり、また、共に「経営に関する指導・助言」を行う業種・業態であり、同業者によって提供される役務であるから、提供の目的、需要者の範囲、業種等を共通にする類似の役務である。
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあり、本願商標と引用商標とは類似の商標といわざるを得ない。
なお、請求人は、「引用商標の商標権者は、小売りチェーン店『SPAR』をとりまとめる会社であり、引用商標は、小売りチェーン店『SPAR』を常に想起されるほど、色彩・文字が一体のものとして需要者に浸透している。そのため、引用商標は、赤地図形と『SPAR』の文字は、常に一体不可分であり、『赤いSPAR』の観念を生じるものであるから、本願商標と引用商標は、類似する商標ではない。」旨主張する。
しかしながら、引用商標と同じ態様の標章が、小売りチェーンの看板等に使用されているとしても、引用商標に係る指定役務は「経営の指導」であり、引用商標をその指定役務に使用した時に、「小売りチェーン店『SPAR』」を認識するとはいえないものである。
そして、引用商標が、その構成中の「SPAR」の文字部分のみをもって、取引に資する場合があることは、前述で、認定したとおりであるから、請求人のこの点の主張は、採用することができない。
また、請求人は、「本願の指定役務は、『いわゆる経営コンサルタントとして、様々な事業分やの顧客に対する高度な専門的アドバイスを与えることを主とする役務内容』であり、一方、引用商標に係る指定役務は、自社のフランチャイズチェーン店に対する管理・指導であるから、実質上業界において混同を生ずるおそれがなく、本願の指定役務と引用商標に係る指定役務は、類似しない。」旨主張する。
しかしながら、引用商標に係る指定役務は、「経営の指導」であるところ、該役務を「自社のフランチャイズチェーン店に対する管理・指導」であるとする請求人の主張は、失当であって、これを認めることはできない。
そして、本願の指定役務と引用商標に係る指定役務が類似する役務であることは、前述で認定したとおりであるから、請求人のこの点の主張も、採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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