Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900207(T2009−900207/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5206548号商標(以下「本件商標」という。)は、「のびのび」の文字を標準文字により書してなり、平成20年8月18日に登録出願、第11類「便所ユニット,浴室ユニット,シャワー室,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,レンジフード,家庭用電熱用品類,加熱器,調理台,流し台,洗面器及び手洗器(衛生設備用品の部品),洗面台及び手洗台(衛生設備用品の部品),洗い場付き浴槽,気泡発生装置付き浴槽,シャワー器具及びその部品,浴槽がま,その他の浴槽類,洗浄機能付き便座,その他の便座,便器,和式便器用いす,小便器,ビデ(医療機械器具に属するものを除く。),洗面所用消毒剤ディスペンサー,洗面所用水せっけんディスペンサー,ガスストーブ,その他の火鉢類」を指定商品として平成21年2月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録第4685287号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
本件商標は、「のびのび」の平仮名の標準文字からなるものであるから、「のびのび」の称呼が生じることは明かである。対して、引用商標は「のびのびボックス」の平仮名と片仮名を一連とする標準文字からなるものであるから、「のびのびぼっくす」の称呼が生じることは明らかである。「ボックス」は、日本において馴染みの深い英語の「box」をカタカナで書したものであり、「箱、箱形の建築物」の意味を有するから、「金属製建造物組立てセット」においては、商品の品質を表示するものであるから商標としての自他商品識別標識としての機能は有せず、「のびのび」の部分に商標としての自他商品識別標識を有するものである。したがって、本件商標の「のびのび」と、引用商標の「のびのび」とは、同一であるから称呼上類似し、指定商品も一部類似するものである。
(2)本件商標は標準文字の平仮名で「のびのび」と記載するのであるから、少なくともシステムバス及び浴槽類の業界において、「のびのび」は商品の品質を表示する用語であって(甲第6号証ないし第22号証)、自他商品識別力を有さず、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、かかる商品の品質を有さない商品に本件商標を使用する場合は、同法第4条第1項第16号に該当する。
よって、本件商標は、商標法第43条の2第1号により拒絶されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記1のとおり「のびのび」の平仮名文字を標準文字により書してなり、これよりは「ノビノビ」の称呼を生じ、「よくのびるさま。急がないさま。おさえられることなく自由であるさま。ゆったりしているさま。」(広辞苑第六版 岩波書店)等の意を有するものである。
他方、引用商標は、「のびのびボックス」の文字を標準文字により全体としてまとまりよく一体的に表してなり、これより生ずる「ノビノビボックス」の称呼も一連に淀みなく称呼し得るものである。
そして、「ボックス」の文字が「箱、席、小屋、枠、囲い」等の意を有する「box」の読みであって、箱形であることを認識させるとしても、引用商標の係る構成においては、「のびのび」の文字が殊更に分離して強く認識され、該文字部分をもって取引きに資されるとすべき特段の事情は見受けられない。
そうとすれば、引用商標は、全体をもって一体の構成態様よりなる商標と理解、認識されるものと判断するのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標について検討するに、本件商標より生ずる「ノビノビ」の称呼と、引用商標より生ずる「ノビノビボックス」の称呼とは、音構成、構成音数において明確な差異を有することから、称呼上、何ら相紛れるおそれはなく、また、両商標は、それぞれ前記のとおりであるから外観及び観念においても類似とすべき点は見あたらない。
したがって、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれからみても非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)本件商標は、「のびのび」の文字(標準文字)を表してなるものであるが、該文字は、前述のとおり「よくのびるさま。急がないさま。おさえられることなく自由であるさま。ゆったりしているさま。」(広辞苑第六版 岩波書店)等の意を有する語である。
そして、「のびのび」の語について登録異議申立人提出に係る証拠は、以下のとおりである。
ア 2008年5月松下電工発行のカタログ(甲第6号証)には、システムバスルームの広告として、「のびのびサイズアップ」「ナナメ浴槽で脚のびのび」との記載がある。
イ 2008年11月パナソニック電工発行のカタログ(甲第7号証)には、バスルームの広告として、「0.75坪でも脚が伸ばせる、のびのびリフォーム浴槽。」「のびのびサイズアップ」との記載がある。
ウ 2008年12月パナソニック電工発行のカタログ(甲第8号証)には、「S−class/ワイド浴槽」のコメントとして「ひろびろのびのびした形状。」との記載がある。また、「浴槽のアイディア ラインナップ」として、「コーナー浴槽」、「タマゴ浴槽」、「ナナメ浴槽」、「ストレート浴槽」、「腰掛け浴槽」、「アーチ浴槽」、「エスライン浴槽」、「ワイド浴槽」等が紹介されている。
エ 有限会社ユー・ホーム不動産のホームページ(甲第9号証)には、新築住宅の広告(平成20年3月完成予定)における設備仕様として、「ユニットバス(のびのび一坪タイプ)」との記載がある。
オ 大和重工(株)のホームページ(甲第12号証)には、浴槽の広告(2008年6月1日現在)として、「●琥珀シリーズ一番の、のびのびスケール。おとなの方がからだをいっぱいにのばしてご入浴いただけます。」、「●ダイワ鋳物ホーロー浴槽きってののびのびスケール。」との記載がある。
カ (株)ホームプランナーのホームページ(甲第13号証)には、2007年12月のリフォーム施工事例の「浴室リフォーム」の説明に、「0.75坪サイズのユニットバスがついていました。設備的に問題があった訳ではありませんが、少しでも浴室を広く、のびのびとした空間にされたいとのご相談でした。隣接する和室押入を半分潰し、一坪サイズへ広げていきました。」との記載がある。
キ 京葉ガスのホームページ(甲第21号証)には、「ショールームのご紹介」として、「システムバスルーム:i−u(イーユ)」について、「・・・0.75坪の狭小地でも『ナナメ浴槽』で脚のびのび浴槽を楽しめます。」との記載がある。
なお、甲第11号証、第14号証及び第18号証は、商標権者の使用であり、甲第10号証、第11号証、第14号証ないし第20号証及び第22号証は、その出力時期が、本件商標の登録査定以降の2009年5月8日、11日、若しくは28日である。
上記、アないしキによれば、商品「浴槽」等の販売に、例えば「のびのびサイズアップ」、「ナナメ浴槽で脚のびのび」、「琥珀シリーズ一番の、のびのびスケール」、「のびのびとした空間にされたい・・」及び「脚のびのび浴槽を楽しめます。」等のように、「のびのび」の文字がその他の語とともに使用、若しくは文章中に使用されている事実が認められる。
しかしながら、これらの使用は、「のびのび」の語意を用いて商品「浴槽」を紹介してものであり、「浴槽」等の商品の品質を表示するものとして使用されている事実は認められない。
また、職権により調査するも、本件指定商品との関係において「のびのび」の文字が商品の品質等を表示するものとして普通に使用されている実情を見いだすことはできない。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきであり、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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