Trademark Appeal Case
国内著名性の立証
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900261(T2009−900261/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5218701号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年9月11日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年2月19日に登録査定、同年3月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)「NEXT」商標の周知・著名性について
登録異議申立人ネクスト・グループ・ピーエルシー(以下「申立人」という。)は、1981年に設立されたイギリス国の法人であって、婦人用・紳士用・子供用被服、靴、身の回り品を製造・販売しており、「NEXT」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)をオリジナルブランドとして用いている。現在ではイギリス国内に380以上の店舗を構え、海外にも約80の店舗を有しており、イギリスで最大のチェーン店の1つである。
1989年には「Next Asia」を香港に開設し、その後もアジア圏において店舗を増やしており、我が国においては、都内、仙台市、福島県、埼玉県、千葉県、川崎市、横浜市、静岡県、京都市、大阪市、兵庫県、広島県、福岡市等に27店舗を有している。
そして、申立人の関連会社であるネクスト リテイル リミテッドは、「被服、履物、かばん類・袋物、身の回り品」等の小売等役務の分野において、商願2007−73203号商標「NEXT」を出願している。
申立人グループの総収入は、2007年には6600億円となっており、このような巨大グループである申立人がそのオリジナルブランドとして用いている「NEXT」は、遅くとも本件商標の出願日までには、イギリスのみならず我が国においても著名性を獲得しているものである(甲第3号証ないし甲第15号証)。
(2)出所混同のおそれについて
本件商標構成中「FUNABASHI」の文字は、我が国の都市である「船橋」を欧文字表記したものでり、役務の提供場所等を認識させるものであって、自他役務の識別機能を果たし得ないものであるから、本件商標においては、上段に位置する「next」の文字部分が要部として機能すること明らかである。そして、本件商標の指定役務と引用商標が現実に使用され、著名性を取得している商品あるいは当該商品に係る小売等役務との関連性は非常に強いものである。
そうとすれば、「NEXT」には、多大な業務上の信用が化体しているものであるから、本件商標がその指定役務について使用された場合には、需要者は、その「next」の部分に注意を惹かれ、申立人の業務に係る製品、役務あるいは申立人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る製品、役務であるかの如くに誤認混同を生じさせるおそれが存するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人は、「NEXT」の文字からなる引用商標が申立人の業務に係る「婦人用・紳士用・子供用被服、靴、身の回り品」等の商品あるいは当該商品に係る小売等役務を表示する商標として著名である旨主張して、甲各号証を提出している。
しかしながら、提出に係る証拠は、イギリス及び我が国において頒布された商品カタログ(甲第4号証、甲第5号証及び甲第11号証)や雑誌掲載広告(甲第6号証、甲第7号証及び甲第12号証)、申立人の店舗リスト(甲第8号証)、申立人の日本法人のウェブサイト抜粋(甲第9号証)、申立人等が使用しているラベル、タグ並びに店舗の写真(甲第10号証)及び申立人の親会社のアニュアルレポート(甲第13号証及び甲第14号証)等であって、申立人の商品が我が国においても販売されていた事実は認められるとしても、我が国において宣伝・広告されていた事実を示す証拠は少なく、我が国における売上高等も明らかではない。
そうとすれば、申立人の提出に係る証拠をもってしては、引用商標が申立人の業務に係る商品や役務を表示する商標として、本件商標の登録出願時において、我が国における取引者・需要者の間において広く認識されていたものとは認められない。
加えて、本件商標は、別掲に示したとおり、「next」の欧文字中の「e」の文字を、左右に配された葉の色と同じ緑色にしたうえ、全体をやゝデザイン化して表されており、横線を介して下段に書されている「FUNABASHI」の欧文字をも含めて全体としてまとまりよく不可分一体的に構成されているものであり、しかも、「NEXT/ネクスト」の語は、我が国においても、「次の、今度の」等の意味を表す英単語(外来語)として広く一般に理解・認識され、使用されている成語である。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を想起又は連想させるものとは認められず、その役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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