Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900318(T2009−900318/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5231188号商標(以下「本件商標」という。)は,「Ideathlon」の文字を標準文字により表してなり,平成20年11月19日に登録出願,第9類,第35類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成21年5月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4445861号商標(以下「引用商標」という。)は,「AMD ATHLON」の文字を標準文字により表してなり,平成11年8月10日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成13年1月19日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標からは,「アスロン」の称呼が生じ,引用商標のいわゆる要部からも「アスロン」の称呼が生じるため,本件商標と引用商標は「アスロン」の称呼を共通にする類似のものである。また,本件商標の指定商品及び指定役務中,第9類の「電子出版物以外の指定商品」,第35類の「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第42類の「電子計算機用プログラムの提供」は,引用商標の指定商品と類似する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
「ATHLON」は,申立人が商品「CPU」に使用する商標として広く一般に知られているから,本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合,その商品・役務の需要が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は,「Ideathlon」の文字からなるものであるところ,その構成各文字は,同じ書体,等間隔で一体的に表されており,かかる構成態様の本件商標から「athlon」の部分のみを分離抽出して,その部分に相応した「アスロン」の称呼をもって取引に資されるとすべき特段の理由はみいだせない。また,構成文字全体に相応した称呼も格別冗長なものでなく,一気に称呼し得るものである。
したがって,本件商標は,特定の観念を生じさせない一連の造語からなるものとみるのが自然であり,構成文字に相応して「アイデアスロン」あるいは「イデアスロン」の一連の称呼を生ずるというのが相当である。
してみると,引用商標から,その構成中の「ATHLON」に相応して「アスロン」の称呼が生じるとしても,当該「アスロン」の称呼と本件商標から生ずる「アイデアスロン」あるいは「イデアスロン」の称呼とを対比してみれば,両者は,それぞれ,判然と区別され得る相紛れるおそれはないものというべきである。
また,本件商標と引用商標とは,外観及び観念においても相紛れるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,外観,称呼及び観念のいずれからみても,引用商標に類似する商標とはいえないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
本件商標が引用商標に類似する商標と判断し得ないことは前記(1)のとおりであるところ,申立人提出の証拠によれば,商標「ATHLON」は申立人の業務に係る商品「CPU」を表示するものとして,その需要者の間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら,本件商標は,前記のとおり一体的に表されている構成態様のものであるうえ,その文字綴りをみれば,その語頭部において,我が国で広く一般に親しまれた英語「Idea」の文字が容易に看取されるものであるから,商標「ATHLON」の周知性を勘案しても,通常の注意力の下,前記「Idea」の文字が認識されるにも拘わらず,敢えて「athlon」に「Ide」を冠して結合したもののごとく認識するのが自然であるとみることはできず,「athlon」は綴り字の一部として構成中に埋没したものとなっているとみるのが相当である。
してみれば,たとえ前記の商標「ATHLON」が周知であるとしても,本件商標は,これが当該商標,あるいは引用商標と関連付けてみられることなく,全く別異のものとして看取されるものというべきであり,これをその指定商品及び指定役務に使用した場合,需要者が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品あるいは役務のごとく誤信するとはいい難いから,その出所について混同するおそれがあるということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,その登録は維持すべきものである。
よって,同法第43条の3第4項の規定に基づき,結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。