Trademark Appeal Case
U字図形の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900440(T2009−900440/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5259345号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成21年2月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月27日に登録査定、同年8月21日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4701254号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成14年2月27日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年8月15日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と外観上類似する商標であって、その指定商品は、引用商標の指定商品と同ー又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商品「被服、特にスポーツ用アンダーウェア」について、周知・著名な引用商標と類似する商標であり、また、本件商標の指定商品は、引用商標が使用される商品と同ー又は類似の商品である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
商品「被服、特にスポーツ用アンダーウェア」について、周知・著名な引用商標に類似する本件商標をその指定商品について使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、商品「被服、特にスポーツ用アンダーウェア」について使用され、申立人の商標として国内外の需要者の間に広く認識されており、本件商標は、引用商標の名声と信用にフリーライド又は信用を希釈化させる目的をもって使用される商標であるから、不正の目的で出願されたものである。
(5)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、黒塗り矩形内に、濃淡のある黄色で表した2つのローマ字の「U」字状図形を、一方を上向きにし、他方を下向きにして、互いの湾曲部分の先端を融合するように接合した図形を配してなるものであるところ、上部の「U」字状図形は、下部の「U」字状図形と幅の点においてはほぼ同一であるが、左右のそれぞれの曲線部は、下部の「U」字状図形のそれに比べて、いずれも約二分の一の長さであって、かつ、2つの「U」字状図形の左右の曲線部は、いずれも均一の太さで表されているものである。
そして、本件商標は、濃淡のある黄色で表された互いの湾曲部の先端を融合するように接合させた2つの「U」字状図形が、上部と比較して下部を顕著に長く表した印象を与えるものである。
これに対して、引用商標は、別掲2のとおり、黒塗りの2つのローマ字の「U」字状図形を、一方を上向きにし、他方を下向きにして、互いの湾曲部を交差させた図形からなるものであるところ、2つの「U」字状図形は、幅及び高さを等しくするものであって、いずれもその湾曲部を細い線で描く一方、左右のそれぞれの先端部に行くに従い太く表して、両先端部は、極太の幅をもって、もはや線というより、むしろ三角形に近い面を形成しているものであって、さらに、2つの「U」字状図形が交わる湾曲部の間に、楕円状の空間が形成されているものである。
そして、引用商標は、同一の2つの「U」字状図形を、上下対称に組み合わせた印象を与えるものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、構成全体の色彩が異なるばかりでなく、本件商標中の2つの「U」字状図形と引用商標を構成する2つの「U」字状図形とは、いずれも「U」字状図形の組み合わせという点において同じくするものであるとしても、前者は、大きさの異なるものの組合せに対して、後者は、同じ大きさの組合せであること、前者は、曲線部が均一の太さで表されているのに対し、後者は、湾曲部から端に向かうに従って太く表されていること、さらに、2つの「U」字状図形が、前者は、接合してなるものであるのに対して、後者は、交差してなるものであることといった顕著な差異を有するものであるから、両者は、それぞれの構成から明らかに異なった印象を受けるものである。
そうしてみると、本件商標と引用商標は、構成要素の細部のみならず、構成全体の印象においても著しく相違するものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれのない外観上非類似の商標というべきである。
してみると、本件商標と引用商標とが外観上類似するとして、これを前提に、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、理由がない。
また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の称呼及び観念を生ずるとみるべき特段の事情も認められないから、称呼及び観念においては比較することができない。
ほかに本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の取引の事情も見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第19号について
本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第19号所定の各要件について論及するまでもなく、商標法第4条第1項第10号及び同第19号のいずれにも該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第41号証を総合すれば、申立人は、1996年に米国メリーランド州に設立された「スポーツ用アンダーウェア」等(以下「申立人商品」という。)の製造、販売を手がける企業であり、同人の業務に係る申立人商品は、我が国においても、本件商標の登録出願前より、プロ野球選手をはじめ、ゴルフ等の各種スポーツ選手に幅広く着用されていることや、日本プロサッカーリーグのJリーグディビジョン1所属の大宮アルディージャやジャパンラグビートップリーグの三洋電機ワイルドナイツのユニフォームサプライヤーとなっていることなどを認めることができ、申立人商品に使用される引用商標は、本件商標の登録出願時はもとより、その登録査定時においても、我が国のスポーツ関連分野の需要者の間においては、広く認識されていたものということができる。
しかし、本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれにおいて、出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標というべきものであるから、本件商標に接する取引者、需要者は、引用商標を想起又は連想することはないというべきである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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