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Trademark Appeal Case

商標の類似性と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900468(T2009−900468/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5267259号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5267259号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成21年2月10日に登録出願され、第29類「加工した柚子,柚子を用いてなるジャム,柚子を用いてなるマーマレード,柚子風味の加工野菜及び加工果実」を指定商品として、平成21年9月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりである。

(1)「ユジャロン」「YUJARON」からなる商標(以下「甲商標1」という。)

(2)別掲2のとおり、「香味柚子茶」、「YUJARON」及び「ユジャロン」の各文字を三段に併記した構成からなる商標(以下「甲商標2」という。)

(3)登録第4906932号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおり、「YUJARON」、「ユジャロン」及び「ハングル3文字」を三段に横書きしてなり、平成14年11月19日に登録出願され、第30類「茶」を指定商品として、平成17年11月11日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号ないし第33号証(ただし、甲第8号、第10号及び第32号証については、審判番号2004−4155に係る証拠を援用している。)を提出している。

(1)商標法第4条第1項第7号について

本件商標権者は、申立人が輸入販売する商品「柚子茶」の国内総販売元という立場を利用して、申立人の甲商標1及び2を知りながら、市場では類似関係にあるが「類似商品・役務審査基準」においては非類似として扱われる商品(柚子を用いてなるジャム、マーマレード等)を指定商品として、申立人の甲商標1及び2と類似する商標を出願し、登録を受けた。

したがって、本件商標は公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人が「柚子茶」に使用する甲商標1及び2は、本件商標の登録出願前から取引者間において周知である。本件商標及び申立人が使用する商標は、いずれも外観において共通する文字列を有し、また、いずれも、「ユジャロン」の称呼を生じる。したがって、本件商標及び申立人の使用する商標は、共に称呼及び外観を共通とする類似のものであり、指定商品も互いに類似している。

(3)商標法第4条第1項第15号について

甲商標1及び2は、申立人の使用する商標として広く一般に知られているから、これらと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(4)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標よりも後願であり、両商標は、いずれも「ユジャロン」の称呼を生じる。また、いずれも欧文字「YUJARON」及びカタカナ文字「ユジャロン」を含む外観である。したがって、両商標は、共に称呼及び外観を共通とする類似のものであり、指定商品も互いに類似している。

(5)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている甲商標1及び2と類似する商標であって、申立人が取り扱う商品(柚子茶)の国内総販売元という立場を利用して、不正の目的をもって使用するものである。

4 当審の判断

(1)甲商標1及び2の周知性について

申立人提出の甲各号証によれば、株式会社ビュウ社(以下「ビュウ社」という。)が、韓国伝統茶の一つである「柚子茶」に、甲商標1及び2を商標として使用していた事実は認められる。

しかしながら、甲各号証によっては、ビュウ社自身が平成13年5月頃とする販売当初にあって、単独で販売をしていたとの点は推認できるとしても、国内総販売元となった本件商標権者「株式会社ユジャロン」の設立時である平成14年3月6日までの間、わずか10ヶ月程度という販売期間内に、ビュウ社が単独で、どの程度の販売実績があったかは不明であり、しかも、甲各号証には、本件商標の登録査定後の日付のものや使用時期が不明なもの、本件商標権者に関する商品カタログ等も多数含まれているものである。

他に甲商標1及び2を付した商品の販売場所、販売量、売上高、宣伝広告等を示す証拠の提出もない。

そうすると、甲各号証のみによっては、甲商標1及び2が、申立人(ビュウ社)の業務に係る商品「柚子茶」の商標として、本件商標の登録出願時ないし登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、別掲1のとおり、「香味柚子」、「YUJARON」及び「ユジャロン」の各文字を三段併記した構成からなるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるようなものではない。

また、本件商標をその指定商品「柚子を用いてなるジャム,柚子を用いてなるマーマレード」等について使用することが、社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事由はなく、かつ、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。

そして、本件商標権者は、少なくとも平成14年3月6日から平成21年9月4日までの間、申立人(ビュウ社)の販売を代理する国内総販売元としての立場にあったものであるから、申立人(ビュウ社)と本件商標権者とは、商品「柚子茶」の販売に関して密接な関係にあったということができ、かつ、出願の経緯においても、著しく社会的妥当性を欠くとすべき事情等を推認させ得る的確な証左もみい出せないものであって、商道徳に反して社会的妥当性を欠くものとすることや、不正の目的があったとまで認めることもできないから、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。

なお、申立人の主張の全趣旨及び甲各号証を検討しても、本件商標の出願前に、申立人が「柚子を用いてなるジャム,柚子を用いてなるマーマレード」等を指定商品とする本件商標を出願することが不可能であったことを窺わせるような証拠もなく、むしろ、すみやかに出願できたにもかかわらず、本件商標の出願を怠っていたことによって、申立人商標の権利化ができなかったものというべきであるから、本件は、申立人と本件商標権者との間の商標権の帰属等をめぐる当事者同士の私的な問題として解決すべきであるというべきである。

(3)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び第19号について

甲商標1及び2は、上記(1)で認定したとおり、本件商標の登録出願時ないし登録査定時において、ビュウ社の業務に係る商品「柚子茶」を表示するものとして、日本国内において需要者の間に広く認識されていた商標とは認められないものであって、かつ、本件商標の指定商品「柚子を用いてなるジャム,柚子を用いてなるマーマレード」等と甲商標1及び2の使用に係る商品「柚子茶」とは、互いに非類似の商品同士であるから、商標の類否について検討するまでもなく、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。

そして、甲商標1及び2の周知性が認められないことは前記したとおりであり、かつ、本件商標をその指定商品に使用しても、直ちに商品「柚子茶」に使用される甲商標1又は2が、申立人の業務に係る商品であるかのように想起、連想するものとは認められず、甲各号証における取引事実からしても、その商品の出所について混同を生じさせるおそれもないというべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。

また、上記(2)のとおり、本件商標の採択の経緯をも併せみれば、本件商標が不正の目的をもって使用をするものとも認められず、その主張を裏付ける証左もないものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号にも該当しない。

(4)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲1のとおり、「香味柚子」、「YUJARON」及び「ユジャロン」の各文字からなるものであり、他方、引用商標は、別掲3のとおり、「YUJARON」、「ユジャロン」及び「ハングル3文字」の各文字からなるものである。

そして、本件商標の指定商品は、第29類「加工した柚子,柚子を用いてなるジャム,柚子を用いてなるマーマレード,柚子風味の加工野菜及び加工果実」とするものであり、他方、引用商標は、第30類「茶」を指定商品とするものであるから、両者は、生産部門、販売部門等を異にする互いに非類似の商品といわなければならない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、商標の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第第11号に違反して登録されたものということはできない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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