Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−17850(T2009−17850/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第14類、第16類及び第20類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年10月29日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における平成21年9月24日付け手続補正書において、第14類「木製時計」及び第20類「木製家具」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第1902345号−1商標、登録第1950531号−1商標、登録第2047410号商標、登録第2135538号−1商標、登録第2135539号商標、登録第2268402号−1商標、登録第2539959号商標、登録第2539961号商標、登録第2706157号商標、登録第2720231号−1商標、登録第4109974号商標、登録第4112781号商標、登録第4126405号商標、登録第4133203号商標、登録第4133205号商標、登録第4156918号商標、登録第4232339号−1商標、登録第4277736号商標、登録第4361320号商標、登録第4975456号商標(以下、これらをまとめて『引用商標1』という。)及び登録第5153733号商標(以下、『引用商標2』という。)と『タクミ』の称呼において類似する商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
なお、引用商標2は、「匠」の文字を大きく書し、その下部分に「Takumi」の文字を小さく書してなり、平成18年9月15日に登録出願、別掲(2)のとおりの商品を指定商品として、平成20年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められ、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似しない商品になった。
そうすると、引用商標1を引用した本願の拒絶の理由については解消した。
(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、別掲(1)のとおり、左側にオレンジ色の正方形を、右側にこげ茶色の正方形とを連結した横長長方形を配し、その左側正方形内の中央に、こげ茶色の「TAKUMI」の文字を、右側正方形内の中央に、「TAKUMI」の文字より大きくオレンジ色でややデザイン化されてはいるものの、「JUQ」と容易に認識される文字(以下、「JUQ」という。)を書してなるものである。
そして、その構成中、オレンジ色を背景としたこげ茶色の「TAKUMI」の文字は、こげ茶色を背景としたオレンジ色の「JUQ」の文字より、背景の明るさによって、強く支配的な印象を与えるものといえるものであり、また、文字の大きさに違いはあるものの、「TAKUMI」の文字が、ゴシック体で表されているのに対し、「JUQ」の文字は、線を細くして直線的にデザイン化された文字で表されてなるところからすれば、「TAKUMI」の文字と「JUQ」の文字とでは、その背景の色及び構成態様の違いによって、視覚上分離して看取されるとみるのが自然である。
また、「TAKUMI」の文字は、「手先または器械で物を造る仕事。また、それを業とする人。」等の意味で一般に親しまれている「匠」の語を欧文字表記したものであることを容易に認識させるのに対し、「JUQ」の文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められることから、これらの文字を結合した文字全体からは、特定の観念は生じないものである。
その他に、これらの文字を常に一体のものとして把握しなければならない格別の事情は見出し得ない。
さらに、「TAKUMI」の文字は、補正後の指定商品との関係において、直ちに特定の商品の品質等を認識させるものともいえないから、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、オレンジ色を使用した正方形内に、こげ茶色で表された「TAKUMI」の文字部分に強く印象を留め、記憶し、これから生ずる称呼及び観念をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「タクミジェイユウキュウ」の一連の称呼を生ずるほかに、「TAKUMI」の文字部分に着目し、該文字に照応した「タクミ」の称呼及び「手先または器械で物を造る仕事。また、それを業とする人。」の観念をも生ずるものとみるのが相当である。
これに対し、引用商標2は、前記2のとおり、「匠」及び「Takumi」の文字よりなるところ、引用商標2からは、「タクミ」の称呼を生ずるものであり、かつ、「手先または器械で物を造る仕事。また、それを業とする人。」の観念を生ずるものである。
そうしてみると、両者は、それぞれの構成に照らし、その外観において相違することを考慮してもなお、「タクミ」の称呼及び「手先または器械で物を造る仕事。また、それを業とする人。」の観念を共通にする類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、引用商標2と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と類似する商品である。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、全体として一体の商標としてとらえるから、称呼も「タクミジェイユウキュウ」、あるいは、構成中の「JUQ」が造語で、インターネット検索によれば、学習塾を意味することが分かるから、これよりは「ジュク」と称呼し、全体として「タクミジュク」の称呼も生じる。
また、「タクミジェイユウキュウ」と称呼した場合には、特定の観念は生じないが、「タクミジュク」と称呼した場合には、「タクミ」と「ジュク」の組み合わせにおいて、あまりにも不自然なものは需要者の意識に浮かばないと考えられるため、「計略方法を教える私設学舎」、「手先または器械で物を造る仕事、特に木工を教える私設学舎」程の観念が生じるものである旨主張する。
しかしながら、本願商標からは、前記3(2)のとおり、「タクミジェイユウキュウ」の一連の称呼が生じるものではあるが、構成中の「JUQ」の文字が、学習塾を意味すること、また、「JUQ」の文字を「ジュク」と称呼することについて、請求人はそれを証する何らの証拠を提出していないばかりか、職権で調査するも、「JUQ」の文字が、上記したような称呼及び意味合いのものとして一般的であるとは認められない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
さらに、請求人は、本願商標は、左側の文字と地の色の関係は、右側の両者の関係のちょうど裏返しであり、全体では色彩の一体感が強く感じられ、このような形状や色の配置、統一性が本願商標全体にまとまりを与え、全体として一体感を強く打ち出しており、「TAKUMI」の文字部分のみを抽出する特殊事情はない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、左側の文字と地の色の関係は、右側の両者の関係のちょうど裏返しであったとしても、本願商標は、前記3(2)のとおり、その構成する文字や色彩から受ける印象、記憶等により、「TAKUMI」の文字部分に着目される場合もあるというのが相当であるから、この請求人の主張も採用することはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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