sokuhyo

Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−12730(T2009−12730/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲のとおり、白抜きの「CRISPY」の欧文字を上段に、そして、その下段にやや大きく白抜きで「ONION」の欧文字を、二段に書してなり、第29類「加工野菜及び加工果実,ふりかけ」を指定商品として、平成20年6月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『CRISPY』の文字と少し大きな『ONION』の文字とを併記した表示として理解されうる構成であると認められるものであるから、指定商品中『パリパリ、カリカリにした玉ねぎを使用した加工野菜,パリパリ、カリカリにした玉ねぎを使用したふりかけ』に使用したときには、パリパリ、カリカリするたまねぎの料理、パリパリ、カリカリするたまねぎ、というような意味を理解させるにとどまり、商品の品質、原材料を表示したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、パリパリ、カリカリするたまねぎを使用した商品であるかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成22年2月1日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり「CRISPY」及び「ONION」の文字を二段に書してなるところ、構成中の「CRISPY」の文字は、「クリスピー【crispy】歯ざわりが、かりかり、ぱりぱりしているさま。」(広辞苑 第6版 株式会社岩波書店発行)を意味し、また、「ONION」の文字は、「オニオン【onion】玉葱。」(広辞苑 第6版 株式会社岩波書店発行)を意味するものであり、両文字とも一般に親しまれ、日常、普通に採択、使用されているものである。

そして、前記3の証拠調べ通知書に記載の各事実(別掲(証拠調べ通知の内容)の1及び2)によれば、「CRISPY」または「クリスピー」の文字は、食品を取り扱う業界において、カリカリ・パリパリといった食感を意味し、商品の品質を表示する文字として使用されていること。そして、「CRISPY ONION」または「クリスピーオニオン」の一連の文字は、指定商品中の「玉ねぎを使用した加工野菜」との関係において、商品の品質、原材料を表示する文字として使用されている実情が窺い知れるところである。

してみれば、「CRISPY」及び「ONION」の欧文字を二段に書してなる本願商標よりは、全体として「歯ざわりが、かりかり、ぱりぱりしている玉葱」ほどの意味合いを容易に認識させるものであり、本願の指定商品中、第29類「玉ねぎを使用した加工野菜,玉ねぎを使用したふりかけ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が「歯ざわりが、かりかり、ぱりぱりしている玉ねぎを使用した商品」であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては機能し得ないものというべきである。

また、本願商標は、その指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときは、あたかも「歯ざわりが、かりかり、ぱりぱりしている玉ねぎを使用した商品」であるかのように商品の品質について誤認を生じるおそれがあるものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものと認められる。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨を主張するが、それら過去の登録例は、指定商品(指定役務)の内容及び商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の主張は採用することができない。

イ また、請求人は、原審において提示したインターネット情報について、飲食店の料理メニューとして、「クリスピーオニオン」が使用されているため、第43類の飲食店の役務である旨主張している。

ところで、商標法における「商品」及び「役務」(サービス)とは、「商品」は、「商取引の目的たりうべき物、特に動産。」であり、「役務」(サービス)は、「他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきもの。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第17版〕 社団法人発明協会発行 1160頁)と記載されている。

そして、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第9版対応〕」(特許庁商標課編)の第43類「飲食物の提供」の【注釈】には、「この類には、主として消費のための飲食物を用意することを目的とする人又は事業所が提供する役務」と記載されている。

そうとすれば、飲食店で提供される「クリスピーオニオン」は、「飲食物の提供」の範疇(役務の提供の用に供する物)に属するが、飲食店等で使用される「クリスピーオニオン」、つまり、例えば「(冷凍の)油で揚げた調理済み玉ねぎ」は、第29類の「加工野菜」の範疇に属するものである。

よって、原審において提示したインターネット情報が、飲食店の役務であるとする旨の請求人の主張は採用することはできないものであり、第29類「加工野菜」の範疇に属する商品を、例示したものと判断するのが相当である。

(3)結論

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

後掲

(本願商標)

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。