結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300328(T2009−300328/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3346160号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATLAS」の欧文字を書してなり、平成6年2月15日に登録出願、第9類「電気通信機械器具(但し,ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具を除く),電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成9年9月12日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として本件商標は、過去3年間において、その指定商品について使用した形跡がないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである旨主張している。
そして、請求人は、被請求人の答弁に対して弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第22号証を提出した。
(1)指定商品「電気通信機械器具(但し、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、音声周波機械器具を除く。)」について
本件商標は、通常使用権者たる多摩川精機株式会社によって本件審判の予告登録がされた平成21年4月9日以前、過去3年以内に日本国内において、指定商品である「電気通信機械器具(但し,ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具を除く。)」中に含まれる「カメラ・CCDカメラ・デジタルカメラ・赤外線カメラ・テレビカメラ・ビデオカメラを搭載した空間安定装置」について使用されており、被請求人の提出にかかる乙第3号証ないし乙第8号証により、本件商標が使用されている。
(2)指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について
本件商標は、通常使用権者たる富士通株式会社によって本件審判の予告登録がされた平成21年4月9日以前、過去3年以内に日本国内において、指定商品である「電子応用機械器具」中に含まれる「電子計算機用翻訳プログラムを記録させた記録媒体」について使用されており、被請求人の提出にかかる乙第9号証ないし乙第22号証により、本件商標が使用されている。
(3)したがって、本件商標は、商標法第50条によりその登録が取り消されるべきものではない。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、次の事実を認めることができる。
ア 多摩川精機株式会社による使用について
乙第1号証は、本件商標の登録原簿であり、これによれば、多摩川精機株式会社を通常使用権者として平成20年1月29日に通常使用権の設定の登録がなされている。
乙第3号証は、商標権者である株式会社ユピテルと多摩川精機株式会社との間で締結された平成19年11月1日付けの「契約書」である。
乙第4号証は、通常使用権者である多摩川精機株式会社が発行したものと認められる「ハイビジョン・デジタルカメラ&高倍率レンズ装着 航空機搭載用(ヘリコプター等)カメラ防振装置」(以下、「使用商品1」という。)に関する商品カタログであり、この表紙の上中央には、やや図案化された「ATLAS」の文字(以下、「使用商標1」という。)が表示され、表紙の左下には、取り扱い製品の写真が掲載されている。また、表紙の裏(2頁目)には、左上に使用商標1が、右上に同じ製品の写真が掲載されている。
また、使用商標1の下には「本装置の概要」として「本装置はハイビジョン用ディジタルビデオカメラを内蔵し、航空機(ヘリコプター等)による撮影を行うための装置です。そのために、航空機の動揺、振動を低減する機構を有しており、安定した画像を撮影できることを特徴としています。」と記載されている。さらに、巻末には、「多摩川精機株式会社」「本カタログの記載内容は2008年11月現在のものです。」と記載されている。
乙第5号証は、平成19年(2007年)12月20日付けの日本航空新聞であり、これには「防振カメラ/ATLAS初公開/レンズ交換可、多摩川精機」の見出しのもと、「多摩川精機は今回初めて、航空機搭載用カメラ防振装置『ATLAS(アトラス)−HD』を出展した(中略)ATLAS−HDはハイビジョンデジタルカメラを内蔵、航空機の動揺、振動を低減する機構を有し、安定した画像を撮影できるが、最大の特長は世界初となる1つのユニット(カメラ防振装置)で2つの違う倍率レンズに付け替えられるレンズ・チェンジ機構を実現したことだ。」と記載され、また、下部には、使用商標1が表示された製品の写真とともに、使用商標1の表示、「ハイビジョン用デジタルカメラ搭載/航空機用カメラ防振装置」、「多摩川精機株式会社」と記載された広告が掲載されている。
イ 富士通株式会社による使用について
乙第9号証は、「英日・日英翻訳ソフト」に関するカタログであり、この表紙の上中央に、やや図案化された「ATLAS」の文字(以下、「使用商標2」という。)が表示され、2頁の上に「ATLAS独自の翻訳方式と翻訳メモリが高精度な翻訳を実現」、巻末の左下に「富士通株式会社」、右下に「2007年11月」と記載されている。
乙第10号証は、株式会社ユピテル工業株式会社(商標権者の旧名称)と富士通株式会社との間で締結された平成17年10月24日付けの「契約書」である。
乙第12号証は、「英日・日英翻訳ソフト」に関するカタログであり、この表紙の上に使用商標2が表示され、その下に「医学辞書の双璧『ステッドマン』医学大辞典改訂第6版』と南山堂『医学英和大辞典第12版』の2大辞書を収録したATLASシリーズ最高の医学向け翻訳ソフトです。」、巻末の左下に「富士通株式会社」、右下に「2008年1月」と記載されている。
乙第13号証は、「英日・日英翻訳ソフト」に関するカタログであり、この表紙の上中央に使用商標2が表示され、中央左に「プロ仕様ATLAS翻訳エンジン」、巻末の左下に「富士通株式会社」、右下に「2007年7月」と記載されている。
乙第15号証は、2008年5月1日発行の雑誌「The LEGAL.COMM」であり、この87頁の上に使用商標2が表示されたパッケージが掲載され「ATLAS」「翻訳スーパーパック V14」「富士通株式会社」と記載されている。
乙第17号証は、2007年2月1日発行の雑誌「日経ベストPC+デジタル」であり、この4枚目のやや下に、使用商標2が表示されたパッケージが掲載され、「英日・日英翻訳ソフト」「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」、右下に「開発元 富士通株式会社」と記載されている。
乙第18号証は、平成19年1月2日発行の雑誌「週間アスキー」であり、この4枚目のやや下に、使用商標2が表示されたパッケージが掲載され、「英日・日英翻訳ソフト」「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」、右下に「開発元 富士通株式会社」と記載されている。
乙第19号証は、2007年2月1日発行の雑誌「PCfan/ピーシーファン」であり、この5枚目のやや下に、使用商標2が表示されたパッケージが掲載され、「英日・日英翻訳ソフト」「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」、右下に「開発元 富士通株式会社」と記載されている。
乙第20号証は、富士通株式会社が発行した請求書であり、この右上に「富士通株式会社」、左上に「財団法人日本特許情報機構 殿」、お支払期日欄に「2009年1月30日」、ご請求内訳欄に「ATLAS翻訳スーパーパックアップグレード/検収日:2008年11月14日」と記載されている。
乙第21号証は、一部がマスキングされているが富士通株式会社が発行した請求書控であり、この右上に「富士通株式会社」、左上に「宛て名 御中」、ご請求内訳欄に「検収日 2009年3月31日ご注文NO R08092」、請求明細欄に「B5140UH2C ATLAS/ステッドマン+ナンザンドウ 14」と記載されている。
乙第22号証は、一部がマスキングされているが富士通株式会社が発行した納品書であり、この右上に「富士通株式会社」、左上に「財団法人 御中」、検収(引渡)日欄に「平成20年11月14日」、品名欄に「ATLAS/スーパーパック GU 14.0」と記載されている。
(2)上記において認定した事実によれば、次のことを認めることができる。
ア 多摩川精機株式会社による使用について
乙第1号証及び乙第3号証によれば、多摩川精機株式会社は、本件商標に係る通常使用権者と認められる。
乙第4号証及び乙第5号証に表示された使用商標1は、いずれも独立して自他商品の識別機能を果たすものと認められるものであって、やや図案化されているものの、容易に「ATLAS」の文字からなると認識できるから、使用商標1は、「ATLAS」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認められる。
本件商標に係る通常使用権者と認められる多摩川精機株式会社は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、2008年11月頃に、使用商品1に関する商品カタログ(乙第4号証)を発行していたものと認められ、また、使用商品1について平成19年(2007年)12月20日付けの日本航空新聞(乙第5号証)に掲載し、本件商標を広告したと認められる。
使用商品1は、「ハイビジョン・デジタルカメラ&高倍率レンズ装着 航空機搭載用(ヘリコプター等)カメラ防振装置」であって、本件指定商品中の「電気通信機械器具(但し,ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具を除く)」中の「映像周波機械器具」の範疇に含まれる商品と認めて差し支えない。
以上によれば、本件商標に係る通常使用権者である多摩川精機株式会社は、本件審判の請求の登録(平成21年4月9日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用商品1について使用していたものと認められる。
イ 富士通株式会社による使用について
乙第10号証によれば、商標権者は富士通株式会社に対して、本商標権についての通常使用権を許諾したものと認められ、富士通株式会社を本件商標に係る通常使用権者とみて差し支えない。
乙第9号証、乙第12号証、乙第13号証、乙第15号証及び乙第17号証ないし乙第19号証に表示された使用商標2は、いずれも独立して自他商品の識別機能を果たすものと認められるものであって、多少図案化されているものの、容易に「ATLAS」の文字からなると認識できるから、「ATLAS」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認められる。
本件商標に係る通常使用権者と認められる富士通株式会社は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、2007年11月頃(乙第9号証)、2008年1月頃(乙第12号証)、2008年7月頃(乙第13号証)に「英日・日英翻訳ソフト」に関するカタログを発行していたものと認めることができる。
同じく、富士通株式会社は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して「英日・日英翻訳ソフト」を、2007年2月1日(乙第17号証)、平成19年1月2日(乙第18号証)、2007年2月1日(乙第19号証)発行の雑誌に掲載し広告したことを認めることができる。
乙第20号証、乙第21号証及び乙第22号証によれば、同じく、富士通株式会社は、使用商標2を付した「英日・日英翻訳ソフト」について、2008年11月14日、2009年3月31日に検収し、顧客に納品、請求したものと推認できる。
「英日・日英翻訳ソフト」は、「翻訳ソフト」であって、本件指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に含まれるものと認められる。
以上によれば、本件商標に係る通常使用権者である富士通株式会社は、本件審判の請求の登録(平成21年4月9日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する「英日・日英翻訳ソフト」について使用していたものと認めることができる。
ウ そうとすれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が取消請求に係る指定商品に含まれる「ハイビジョン・デジタルカメラ&高倍率レンズ装着 航空機搭載用(ヘリコプター等)カメラ防振装置」及び「英日・日英翻訳ソフト」について、本件商標を社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
(3)これに対して、請求人は、何ら弁駁するところがない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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