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Trademark Appeal Case

商標使用の認定範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300703(T2009−300703/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3188698号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成5年3月23日に登録出願、第25類「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服,舞台衣裳及び仮装衣装として用いられるコ―ト及びその他のコ―ト,舞台衣裳及び仮装衣裳として用いられるワイシャツ類及びその他のワイシャツ類,ぬいぐるみ衣裳」を指定商品として同8年8月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服,舞台衣裳及び仮装衣装として用いられるコート及びその他のコート,舞台衣裳及び仮装衣裳として用いられるワイシャツ類及びその他のワイシャツ類」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

請求人は、職業的調査機関に依頼して、商標権者の業務内容、取扱商品の範囲そして特に本件商標の使用の実態について、取引先に対する照会等を含め鋭意詳細に調査を実行した。その結果、第25類「仮装用衣服」について本件商標が使用されていることを確認し得た。しかしながら、本件請求に係る指定商品に関する限り、本件商標が使用されたことを示す資料を発見することが出来なかった。また、本件登録については専用使用権または通常使用権の登録もされておらず、それらの存在を窺わせる資料も存在しない。

したがって、本件商標は、請求に係る指定商品については継続して3年以上日本国内において、商標権者(又は専用使用権者若しくは通常使用権者)によって一度も使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出した。

本件商標は、本審判請求前3年の間に、「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」について本件商標を使用している。

(1)「舞台衣装及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」について。

請求人は、第25類「仮装用衣服」については商標が使用されている事実を確認した旨述べているが、「仮装用衣服」とは、どのような衣服であるのか定義が明確ではない。「仮装用」であるから、「人が中に入って動物等に扮するための縫ぐるみ衣装」が含まれることは明らかであり、また、クリスマスの時期に多用されるサンタクロークをイメージさせる赤い生地を用いたオーバー(上着)なども含まれることは疑問の余地はない。

しかしながら、女性が男装するために着用する背広や男性が女装するために着用するドレス等は、本来「仮装用」として作成されたものでないものも含まれることは明白である。

商標権者は、本件商標の出願をするに当たり、実際に販売されている商品を吟味した。そして、明らかに「仮装用衣装」である「ぬいぐるみ衣裳」の他、一般の洋服やコートであっても、購入者の意図によって、舞台衣裳や仮装衣装として扱われる可能性もあることから、「舞台衣装及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」を指定商品として記載したのである。

実際に、洋服として「ドレス」や「チャイナドレス」を商品パンフレットに載せて販売しているが(乙第1号証1頁、8頁、9頁)、これらの商品は、購入者の意図によって用途は変化する。つまり、女性が通常の使用として着用するドレスとして購入する場合がある他、男性が仮装用として購入する場合も考えられる。

上記いずれの場合をも本件商標の指定商品とすることを意図して、上記指定商品の記載となっている。

(2)コスチュームについての使用

商標権者は、本件商標を表示したホームページを運用している(乙第2号証)。このホームページは、ページ最下段に記載されている著作権に関する記載から西暦2001年から使用されていることが解る。

また、ページの最上段左隅には、本件商標と同一のロゴで構成された商標「BIG KIDS」が表示されている。販売コスチューム一覧には、洋服に含まれる「チャイナドレス」等が掲載されている。また、このページには、販売商品として「コスチューム」といった表現が使用されている。この「コスチューム」には、「仮装・演劇用の時代衣装」といった意味の他、「婦人服」といった意味も有し(乙第3号証)、洋服の販売に本件商標が使用されていることは明らかである。

商標権者は、上記ホームページの他、「楽天市場」にコスチューム販売サイトを有している。商標権者は、2008年10月に楽天市場に出店申込みをし(乙第4号証)、同年11月より楽天市場を通じでコスチュームの販売を行っている。販売サイトには、乙第5号証に示されている通り、ページ上部に、ゴシック体により「BIGKIDS」なる商標が掲載されており、2頁目の商品リスト上から2段目には、「ロングスパンコールドレス」が挙げられている。乙第6号証は、注文管理リストの出力シートであり、当該サイトを介して、2008年11月30日から多数の商品が販売されていることは明らかである。具体的な販売内容の一例を示すと、乙第7号証−1及び乙第7号証−2に示されているように、ベロアドレスが販売されている。

さらに、商標権者は、定期的に葉書によって、ダイレクトメールを発送している。乙第8号証は、転居先不明により差し戻された葉書であるが、日付は、平成20年9月12日となっており、審判請求前3年以内に使用されたことは明らかである。

(3)商標の使用主体

本件商標の商標権者は佐宗達朗であるところ、上記に説明した商標の使用者は株式会社ビッグキッズであるが、佐宗達朗は株式会社ビッグキッズの代表取締役であり、実質的に主体は同一である。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、本審判請求に係る商品について、審判請求前3年の間に、商標権者が使用していることは明らかであるから、本審判請求は成り立たない。

4 当審の判断

被請求人は、本件商標をその指定商品中の「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」について、本件審判請求前3年以内に、日本国内において使用しているとして、乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。

(1)そこで、被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、これらによれば、以下の事実を認めることができる。

(ア)乙第1号証は、「TheSuper/Costume/Catalogue」と題するカタログであり、印刷年月日や発行年月日を確認することはできないが、冒頭部分には「あらゆるジャンルを網羅した豊富な品揃えでお探しのコスチュームが必ず見つかります!」とあり、例えば、1頁には、「DRESS SERIES/ベロア&シクイン タイトドレス」として、「BS−200LB【ライトブルー】」、「BS−200P【ピンク】」等のタイトドレスが掲載されており、2頁以降にも、「ハイクオリティシリーズ」として、「メイド、スチュワーデス、サンタレディス」等や「トップクオリティシリーズ」として、「チアガール、ウェイトレス、デパートガール」等の各種ジャンルのコスチュームが掲載されている。そして、裏表紙の左肩には、別掲(2)のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。

(イ)乙第2号証は、商標権者が代表取締役をしている株式会社ビッグキッズのホームページであり、1頁の最上段左隅には使用商標が表示されており、乙第1号証のカタログと同様に、販売コスチューム一覧には、「ハイクオリティシリーズ」、「トップクオリティシリーズ」、「クリスマス衣装」、「チャイナドレス」、「ベロア&シクイン ドレス」、「イベントスーツ」、「女装用」等の商品の見出しが表示されており、巻末部分にも、使用商標が表示されている。

(ウ)乙第3号証は、広辞苑の「コスチューム」の項の写しであり、「コスチューム」とは「仮装・演劇用の時代衣装。婦人服。上下揃いの婦人服。」等の意味合いが記載されている。

(エ)乙第4号証は、商標権者が代表取締役をしている株式会社ビッグキッズが楽天市場に出店するために、2008年(平成20年)10月7日に楽天株式会社に対して申し込みをした「楽天市場申込書(楽天市場出店確認書付)」の写しであり、取扱予定商材を「コスチューム用品」とし、2008年10月15日を契約開始日にすること等が記載されている。

(オ)乙第5号証は、楽天市場の販売サイトの写し(打出日は2009年8月17日)であり、ページ上部には、ゴシック体により「BIGKIDS」の表示があり、「パーティグッズ コスチューム衣装販売専門店」と記載されている。提出されているページは、「本格志向コスチューム イベント・催事用 女性用コスチューム」のページであり(2009年8月のカレンダーが表示されている)、該テーマに沿う各種の商品が掲載されており、その中には、「ロングドレス ベロア&シクインタイトドレス/ロングスパンコールドレス/6720円」も掲載されている。

(カ)乙第6号証は、株式会社ビッグキッズに係る楽天市場の受注管理リストのコピー(打出日は2009年7月8日)と認められるものであり、2008年11月1日から2009年6月30日までの多数の注文についての処理状況が記載されており、これには、注文日時や受注番号、注文者氏名、合計金額等が記載されている。

(キ)乙第7号証の1は、楽天市場の受注管理における詳細情報についての出力シートのコピー(打出日は2009年8月17日)であり、2009年2月23日付の注文についての詳細が記載されており、「商品(商品番号)」の欄には「ベロア&シクインタイトドレス/ロングスパンコールドレス(bs−200XLP)」とあり、「項目・選択肢」の欄には「サイズ:XL/カラー:ピンク」とあり、単価の欄には「6,720円」と記載されており、注文者の住所、氏名等が記載されている。また、乙第7号証の2は、株式会社ビッグキッズが乙第7号証の1の注文者に宛てた平成21年2月24日付の納品書(控)であり、品番・品名の欄には「ベロアドレス・BS−200P(ピンク) XL(BS−200P)」とあり、数量の欄には「1」、単価の欄には「6,720.00」と記載されている。

(ク)乙第8号証は、株式会社ビッグキッズが需要者に宛てたダイレクトメールの葉書であり、「ご希望の方にはレンタルコスチューム・販売コスチュームのカタログをお送り致します。お気軽にご連絡ください。」と記載されており、使用商標も表示されているものであるが、転居先不明等の理由で、差出人へ差し戻されたものであり、差戻しの日付は平成20年9月12日となっている。

(2)上記において認定した乙各号証に被請求人の主張を総合してみれば、被請求人(商標権者)は、株式会社ビッグキッズ(乙第4号証によれば、従業員数5人)の代表取締役であることからみて、株式会社ビッグキッズに対して、本商標権について黙示の使用許諾を与えていたものとみるのが自然である。

そして、乙第7号証の2の納品書によれば、株式会社ビッグキッズは、本件審判の請求の登録(平成21年7月3日)前3年以内である平成21年2月24日に、楽天市場の販売サイトからの注文者に対して、単価6,720円の「ベロアドレス・BS−200P(ピンク)XL(XLはサイズを表している)」を1着納品していたものと認められる。この商品については、株式会社ビッグキッズが楽天株式会社との間で締結した楽天市場への出店契約により(乙第4号証)、2008年(平成20年)10月15日頃より、楽天市場の販売サイトに掲載していた商品の一つと認められるものであり(乙第5号証、乙第7号証の1)、「TheSuper/Costume/Catalogue」と題するカタログ(乙第1号証)や株式会社ビッグキッズのホームページ(乙第2号証)において、使用商標のもとに掲載されている商品と認められるものである。

これらのカタログやホームページは、それらの書証から直ちに、本件審判についての要証期間内のものであることを確認することはできないが、乙第4号証(楽天市場申込書)によれば、株式会社ビッグキッズは、2008年(平成20年)10月15日頃から楽天市場における店舗(販売サイト)をオープンさせていたものと推認し得るところであり、乙第6号証(楽天市場の受注管理リスト)によれば、2008年11月1日からの注文についての処理状況が記載されていることが認められる。そして、上記した乙第7号証の1(楽天市場の受注管理における詳細情報)及び乙第7号証の2(納品書)に記載されている「ベロアドレス」は、乙第1号証のカタログに掲載されている「DRESS SERIES/ベロア&シクイン タイトドレス BS−200P(ピンク)」と符合しており、その商品の単価は、乙第5号証(楽天市場の販売サイト)に掲載されている商品の単価とも符合しているものであるから、これらの証拠を併せみれば、乙第1号証のカタログは、本件審判についての要証期間内に取引に供されていたものとみるのが自然であり、乙第2号証のホームページも本件審判についての要証期間内に閲覧可能な状態にあったものとみるのが相当である。

さらに、乙第8号証(ダイレクトメールの差戻し葉書)によれば、株式会社ビッグキッズは、平成20年9月当時に、コスチュームについてのダイレクトメールを需要者に送付していたものと認められ、該ダイレクトメールにも使用商標が表示されていたことを認めることができる。

そうとすれば、株式会社ビッグキッズは、本件審判についての要証期間内に、乙第1号証のカタログや乙第2号証のホームページにおいて使用商標を表示して「ベロアドレス」等の商品を掲載し、使用商標を表示したダイレクトメールにより需要者に対してコスチュームの広告宣伝をするとともに、楽天市場の販売サイトを通じて、該ベロアドレス等の商品の販売を行っていたものと認められる。

してみれば、被請求人の使用権者と認められる株式会社ビッグキッズは、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標法第2条第3項第8号に記載されている商標についての使用行為をしていたものということができる。

(3)しかして、本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるものであるところ、株式会社ビッグキッズが乙第1号証のカタログや乙第2号証のホームページ、乙第8号証のダイレクトメールに表示している商標は、別掲(2)のとおりの構成からなるものであるから、その構成態様からみて、本件商標と略同一のものということができる。また、株式会社ビッグキッズが使用商標を表示している「DRESS SERIES/ベロア&シクイン タイトドレス」等の商品は、乙第1号証の記載からみれば、購入者の意図によって用途は変化するとはいえるが、舞台衣裳あるいは仮装衣装として用いられる場合を想定すれば、本件商標の指定商品中の「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服」の範疇に含まれる商品ということができるし、女性が通常着用するドレスとして購入し使用する場合を想定すれば、本件商標の指定商品中の「その他の洋服」の範疇に含まれる商品ということができるものであって、いずれにしても、株式会社ビッグキッズの業務に係る前記した各種ドレスは、取消請求に係る本件商標の指定商品中の「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」の概念に属する商品であるといわなければならない。

(4)そして、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。

(5)まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、被請求人の使用権者と認められる株式会社ビッグキッズにより、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服」の概念に属する商品について、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものということができる。

したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る第25類「舞台衣裳及び仮装衣装として用いられる洋服及びその他の洋服,舞台衣裳及び仮装衣装として用いられるコ―ト及びその他のコ―ト,舞台衣裳及び仮装衣裳として用いられるワイシャツ類及びその他のワイシャツ類」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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