Trademark Appeal Case
図形商標の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90111(T2000−90111/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4324782号商標(以下「本件商標」という。)は、1996年9月16日にニュー・ジーランドにした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定により優先権を主張して、平成9年3月17日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第42類「農業・畜産又は水産分野における環境汚染の防止・低減及び汚染された環境の回復その他環境保護に関する助言(農業には林業及び園芸業を含む),廃棄物の収集及び分別分野における環境汚染の防止・低減及び汚染された環境の回復その他環境保護に関する助言,公害の防止による環境保護に関する助言」を指定役務として、平成11年10月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
昭和41年9月20日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するもの及び電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、昭和43年7月29日に設定登録されている登録第787788号商標及び昭和41年10月24日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和47年4月28日に設定登録されている登録第960922号商標(以下これらを合わせて「引用商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く知られ、著名商標となっているところから、本件商標は、引用商標と類似するものであり、申立人は環境問題にも取り組んでいるところ、本件商標をその指定役務について使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲に示すとおり、太角ゴチック体風にて表した欧文字「T」を黒塗り円輪郭で囲むように表し(欧文字「T」の縦横線は同じ巾に描かれ、縦線底辺部及び横線の左右上部角部とは内縁に接している。)、該円輪郭の右側上部で欧文字「T」の横線の右側に当たる円輪郭部分を切断してなる図形と該図形の下部に「TRU」の文字と「COST」の文字とを結合して「TRUCOST」と表してなる構成よりなるものである。
これに対して、引用商標は、別掲に示すとおり黒塗り円形内に欧文字「T」風図形(「T」の縦線を太く、横線を縦線に比し細線に表し、左側横線端部を鉤状に下方に曲げてなる。)を描き、縦線下部は円形と接しているが横線は円形に接することなく表され、また、縦線底部の左側円輪郭を切り欠いた構成の幾何図形よりなるものである。
そこで本件商標と引用商標とを比較するに、図形と文字とよりなる本件商標と単なる幾何図形よりなる引用商標とは、全体の外観においてその構成の相違により直ちに区別し得る差異を有するものである。
次に、本件商標を構成する図形部分も独立して自他商品の識別機能を果たすものと認められるものであるところから、本件商標構成中の図形部分と引用商標とを比較するに、円輪郭の切断部分の位置について、本件商標は、右側上部であるのに対し、引用商標は垂直よりやや左側下部である点、そして欧文字「T」風図形部分の表し方において、本件商標は、「T」の文字の縦線及び横線の巾を同じ太さとするのに対し、引用商標は、縦線部分が横線より太く表され、かつ、本件商標が横線の左右を垂直に切断した形状に対し、引用商標は、左横線の端部を鉤状に左下方に曲げた形状として表してなるものであるから、本件商標の図形部分と引用商標とは、これを対比観察及び離隔的観察をした場合、その構成における上記の差異が外観の印象に及ぼす影響は大きく、両者は充分区別し得るものであり、外観上類似するものとすることはできない。
また、本件商標と引用商標とは前記のとおりの構成よりなるものであり、それぞれが特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められないから、この点においても相紛れるおそれはない。
さらに、申立人提出の証拠を徴するに、申立人は、引用商標を「体温計,注射針,採血具,カテーテル,血糖値測定器,輸液・血液バッグ,透析液バッグ容器,輸液用総合ビタミン剤及びこれらに関連した医療用機器」について使用した結果、引用商標が本件商標の登録出願の時には需要者の間に広く認識されていたものであると認め得るとしても、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、その製造者(提供者)、販売・取引(提供)場所等において著しく相違し互いに類似するものということはできない。
また、申立人は、環境問題に取り組んでいると述べているが、自己の業務に係る商品の生産工程における公害防止機器の採用、包装容器の材料などについて環境を考慮したこと等を行っているにすぎず、そのことをもって本件商標の指定役務についての業務を行っているものとすることはできない。
そうとすれば、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起して、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものでない。
よって、結論のとおり決定する。
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