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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−22973(T2008−22973/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ACCESSPANEL」の文字を標準文字で表してなり、第6類「 建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具」及び第19類「建具(金属製のものを除く。)」を指定商品として、平成19年3月28日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同20年9月8日付け手続補正書により、第6類「ICカードリーダーを内蔵して入退室管理機能を有す建築用又は構築用の金属製専用材料,ICカードリーダーを内蔵して入退室管理機能を有す金属製建具」及び第19類「ICカードリーダーを内蔵して入退室管理機能を有す建具(金属製のものを除く)」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。

(1)登録第4263756号(以下、「引用商標1」という。)は、「ACCESS」の文字を標準文字で表してなり、平成9年10月1日登録出願、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具,金属製建造物組立てセット,かな床,はちの巣,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け」を指定商品として、同11年4月16日に設定登録され、その後、存続期間満了により同21年4月16日に商標権が消滅したものである。

(2)登録第4688547号(以下、「引用商標2」という。)は、「アクセス」の片仮名と「ACCESS」の欧文字を2段に横書きした構成よりなり、平成11年11月8日登録出願、第20類「家具,葬祭用具,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,ししゅう用枠,植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,装飾用ビーズカーテン,ストロー,盆(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,旗ざお,ハンガーボード,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」を指定商品として、同15年7月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決)。

以下、これを本件について検討する。

(1)本願商標と引用商標1について

上記2(1)のとおり、引用商標1は、商標権が消滅したものであるから、原査定の拒絶の理由は解消した。

(2)本願商標と引用商標2について

本願商標は、「ACCESSPANEL」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の各文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、これより生ずる「アクセスパネル」の称呼もよどみなく一連に称呼されるものである。

そして、構成中の「ACCESS」の文字部分は、「近づく権利、アクセス(権)、進入路、経路、入り口、交通手段」等(「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」小学館)の意味を有する語として、また、「PANEL」の文字部分は、「パネル、比較的薄い大形の一枚板」(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」)等の意味を有する語としていずれも、親しまれているものであるから、本願商標は、「ACCESS」の文字と「PANEL」の文字を組み合わせたものと容易に認識、把握されるが、構成文字全体をもって親しまれた既成の観念を有するものであるとはいい難い。

ところで、構成中の「ACCESS」の文字について、本願の指定商品中、引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品である「ICカードリーダーを内蔵して入退室管理機能を有す金属製建具」及び「ICカードリーダーを内蔵して入退室管理機能を有す建具(金属製のものを除く)」との関係をみると、「建具」は、「戸・障子・ふすま・扉などすべて室内を外界から、あるいは室内相互空間を仕切るために設ける可動性の工作物」(「建築用語辞典(第二版)」技報堂出版株式会社)を意味するところ、建具と「ACCESS」の外来語である「アクセス」の語については、インターネット情報に以下の記載がある。

ア 「アクセスドア」の見出しのもと、「ビルの機械室に設置される大型空調機等の内部の機械の点検のために作業者が出入りするドアです。」の記載。(http://www.klif.co.jp/product/product012.html)

イ 「アクセスドア」の見出しのもと、「豊富にそろったアクセスドア、使用場所条件似合わせてお選びいただけます」の記載。(https://www.mmc.co.jp/aquair/products/access/ac_index.html)

ウ 「商品詳細:152ICF クイックアクセスドア」の記載。(http://www.k-seinan.com/shop/mdc/qd.htm)

以上によれば、「アクセス(ACCESS)」の語は、「入り口」の意味をもって使用されているといい得るものであり、また、本願商標の構成中の「PANEL」の文字も、前記のとおり「比較的薄い大型の一枚板」を意味する平易な英語であることからすると、前記した構成からなる本願商標にあっては、「ACCESS」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いというのが相当であるから、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるということはできない。

そうとすれば、本願商標は、殊更「ACCESS」の文字部分を分離、抽出してこれから生じる「アクセス」の称呼及び「入り口、交通手段」等の観念をもって取引に資されるということはできない。

そうとすると、本願商標は、前記のとおりの外観からして一連一体の固有の商標として認識、把握されるとみるのが自然である。

してみると、本願商標は、「アクセスパネル」の称呼のみを生ずるというのが相当である。

また、本願商標と引用商標2とは、それぞれの構成より、外観においても区別できるものであり、観念についても、本願商標が親しまれた既成の観念を生じないものであるから、比べることはできない。

したがって、本願商標から「アクセス」の称呼をも生ずると認定したうえで、その称呼において、本願商標が引用商標2に類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原審の判断は妥当ではなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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