Trademark Appeal Case
称呼の類似性と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900283(T2009−900283/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5224647号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年9月24日に登録出願、第12類「自動車用ホイール」を指定商品として、同21年4月17日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2722244号商標(以下「引用商標」という。)は、「DIABLO」の文字を横書きしてなり、昭和63年9月16日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年6月27日に設定登録され、その後、同19年1月16日に、商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年7月4日に、指定商品を第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」とする指定商品の書換の登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立の理由を要旨以下のように述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証を提出している。
(1)本件商標は、引用商標に類似し、また、指定商品も互いに抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標は、申立人が永年使用して需要者及び取引者間において、周知、著名となっている商標と称呼において極めて類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用すると、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
(3)本件商標権者は、引用商標が広く知られていることを知りながら本件商標登録に係る商標登録出願に及んだのだから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである。
4 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標は、別掲(1)のとおり、尖った角を有する牛の頭部を版画様に表した図形をやや大きく表し、その上に、第3文字及び第6文字において図案化した文字を含む欧文字を横書きしてなるものであるところ、第1文字及び第2文字は「D」「I」を、第4文字及び第5文字は「B」「L」の文字を書してなるものである。
ところで、申立人の提出に係る甲第4号証ないし甲第6号証によれば、申立人が1990年に発売を開始した自動車(スーパーカー)である「ランボルギーニ・ディアブロ(Lamborghini Diablo)」は、「ディアブロSE」、「ディアブロSV」、「ディアブロGTR」、「ディアブロSVR」等のシリーズの車種を有しており、単に「Diablo(ディアブロ)」と略称されて使用されていることが認められるから、申立人の上記車種は、本件商標の登録査定時には、我が国においても、スーパーカーの愛好者や自動車を取り扱う業界では、ある程度知られていたものと推認することができる。
また、同じく、甲第8号証(133頁)及び甲第29号証によれば、申立人は、別掲(3)に示すとおり、「DIABLO」のホイールのエンブレムに「尖った角を有する牛」の図形を使用していることが認められところ、甲第3号証及び本件商標権者のホームページ(「DIABLO ELITE」(http://www.iroc.co.jp/pop.html?md_id=5))によれば、本件商標の商標権者は、その業務に係る商品「自動車用ホイール」について、本件商標中の文字部分及び「DIABLO(ディアブロ)」の文字を表示すると共に、別掲(2)に示すとおり、アルミホイールのエンブレムに図形部分を表示して使用していることが認められる。
そうすると、本件商標をその指定商品である「自動車用ホイール」に使用するときは、これに接する需要者、取引者は、商標等を図案化して表示する例が極めて多い昨今の商取引の実情及び申立人の業務に係る自動車(スーパーカー)の名称である「ランボルギーニ・ディアブロ(Lamborghini Diablo)」が「Diablo(ディアブロ)」と略称されてある程度知られていることも相俟って、本件商標中の文字部分について、「D
IABLO」の文字を表したものであると理解する場合が多いとみるのが相当である。また、「DIABLO」の語は、我が国において親しまれている語とはいえないとしても、スペイン語の「悪魔、魔王」を意味する語であって、これをローマ字風読みに「ディアブロ」と読むことはさほど困難であるともいえない。
してみると、本件商標中、一部の文字を図案化した「DIABLO」の文字部分は、「ディアブロ」とのみ称呼されるものであって、尖った角を有する牛の頭部の図形とは、観念上の関連性も見出せないから、独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものということができる。
したがって、本件商標は、その構成中の「DIABLO」の文字部分より、「ディアブロ」の称呼を生ずるものである。
これに対して、引用商標は、前記(2)のとおり、「DIABLO」の文字を書してなるものであるから、本件商標中の「DIABLO」の文字部分と同様の理由により、「ディアブロ」の称呼を生ずるものである。
以上によれば、本件商標と引用商標は、「ディアブロ」の称呼を同じくするものであって、本件商標中の文字部分と引用商標は、同一の綴り文字よりなるものであるから、観念上も全く異なるものということはできないから、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において類似する商標というべきである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に含まれるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認める。
5 商標権者の意見
商標権者は、前記4の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。
6 当審の判断
本件商標についてした上記4の取消理由は、妥当であって、本件商標の登録は、その理由に示すとおり、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、その余の理由について判断するまでもなく、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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