Trademark Appeal Case
卍マークの著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900347(T2009−900347/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5235761号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年10月2日に登録出願、第41類「技芸,スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、同21年4月20日に登録査定され、同年6月5日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
申立番号01の登録異議申立人「不動禅少林寺流拳法連盟」及び「不動禅少林寺流拳法連盟総本部」並びに申立番号02の登録異議申立人「不動禅少林寺流拳法連盟総本山」及び「堀後 伸司」(以下、まとめて「申立人ら」という場合がある。)が、「少林寺流拳法の教授」について使用するとして甲第2号証に示す標章は、別掲(2)に示す構成のとおり、中心の円内に「卍」を描き、花弁八枚と剣四本のごとき幾何図形を菱形になるように配した紋章様図形(以下「引用商標」又は「『卍』マーク」という。)である。
第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。
第4 本件商標に対する取消理由(要旨)
1 申立人らの主張及び甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)不動禅少林寺流拳法の歴史
不動禅少林寺流拳法は、中国河南省少林寺において、達磨大師が興した武技が日本に伝法され、1941年に第31代の宗家である西雲天光より第32代の宗家、霊雲臥龍氏に伝承された歴史的な背景がある(甲第4号証の1及び2)。
その後、他の流派との間で、「少林寺拳法」の表示について出所混同の争いが生じたために、平成5年2月22日に和解し、「不動禅少林寺流拳法」と改称しているが、この改称における「少林寺流」は、日本で唯一の中国河南省の嵩山少林寺の流れを汲む拳法修業団体であることを明示したものである。
さらにその後、申立人らのうちの堀後康龍氏(本名堀後伸司氏)が少林康龍と名を改め第33代宗家を引継ぎ、兵庫県赤穂市に不動禅少林寺流拳法連盟、同連盟総本山を設置し、千葉県には同連盟総本部を設置して、現在も活動を続けている。
(2)「卍」マークの著名性ついて
「卍」マークは、別掲(2)の構成とおり、中心の円内に「卍」を描き、花弁八枚と剣四本のごとき幾何図形を菱形になるように配した紋章様図形であるところ、申立人らの提出に係る甲各号証(甲第1号証ないし甲第11号証(枝番を含む。)は、申立番号01及び申立番号02とも同一であり、甲第12号証及び甲第13号証は、申立番号02の「不動禅少林寺流拳法連盟総本山」及び「堀後 伸司」の提出に係るものである。以下、甲各号証の番号をそのまま表記する。)によれば、以下のとおりである。
ア 甲第3号証は、申立人らの主張によれば、「第3回関東地区本部千葉大会パンフレット裏表紙」(第3回パンフレットの表紙:甲第5号証の13)で、左上部角に「紋章略意」の表示、上部中央に大きく「卍」マークの表記、その下に「◎ (まんじ)の意義は/1....」「◎ 剣(つるぎ)の意義は/降魔利剣、...」「◎ 丸の意義は/丸は円満を...」「◎ 八辯は...」の各記載がなされている。
イ 甲第4号証の1は、申立人らの主張によれば、「第3回関東地区本部千葉大会パンフレットの抜粋」で、「伝統の不動禅少林寺拳法」の表題で、「1.不動禅少林寺拳法の由来」「2.不動禅少林寺拳法の特徴」の各項に、不動禅少林寺拳法についての由来と特徴が記述されている。
ウ 甲第4号証の2は、申立人らの主張によれば、「報道ニッポンNO.342、1993年4号より一部抜粋」で、「不動禅少林寺流拳法の歴史」の表題の下に不動禅少林寺流拳法の歴史について記述されている。
エ 甲第5号証の1ないし13は、甲第5号証の13の順より平成3年3月31日から平成21年3月15日の間に関東地区で行われた千葉大会の第3回、第4回、第6回、第7回、第8回、第10回、第15回ないし第21回の「大会パンフレットの表紙」の写しの部分で、「卍」マーク、「日本古伝正法」、「不動禅」、「少林寺流拳法」の各表示がなされ、下段部に会場として「千葉県 市原市中央武道館」、後援として「市原市教育委員会」(甲第5号証の1ないし3及び5)、「千葉テレビ放送株式会社」(甲第5号証の13)あるいは「市原市教育委員会」と「千葉テレビ放送株式会社」(甲第5号証の4及び6ないし12)が表記されている。
オ 甲第6号証の1ないし9は、甲第6号証の9の順より昭和45年7月19日から平成8年11月24日の間に行われた選手権大会の第11回、第12回、第23回ないし第26回、第31回、第35回、第37回の「大会ポスター」の写しの部分で、いずれもに、「卍」マーク、「日本古伝正法」、「不動禅少林寺流拳法」等の各表示がなされ、後援として「大阪府・大阪府教育委員会」「大阪市・大阪市教育委員会」「サンテレビジョン」「スポーツニッポン新聞社」などが表記されている。
カ 甲第7号証は、「第31回全国選手権大会」の横断幕の下に、実技の様子、大会参加者、役員等が写っている写真4葉である。
キ 甲第8号証は、「第28回全国選手権大会」の横断幕の下に、実技の様子、大会参加者、役員等が写っている写真4葉である。
ク 甲第9号証の1ないし4は、「募集案内」又は「門下生 募集案内」の表題のある募集のチラシの写しで、いずれもに、「卍」マーク、「不動禅少林寺流拳法」等の各表示がなされている。
ケ 甲第10号証ないし甲第13号証は、「認可証」「印可証」「身分証明書」「身分証」の見本の写しであり、「認可証」及び「印可証」には、見本であるから具体的日付けの記載はないが、申立人らのうちの「不動禅少林寺流拳法連盟総本部」の会長、常任理事長らの署名と押印がなされている。また、「身分証明書」及び「身分証」の見本には、「卍」マーク、「日本古伝正法」の各表示がなされている。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、「卍」マーク、「日本古伝正法」、「不動禅少林寺流拳法」の各表示の下、門下生の募集案内のチラシが頒布されたこと、そして、申立人らの会長等を含む者が、昇級した者に対しては認可証を、昇段した者に対しては印可証を、それぞれ授与していることが推認し得るものである。
また、「卍」マークは、平成3年3月31日から平成21年3月15日の間に関東地区で行われた千葉大会の「大会パンフレットの表紙」の写しの部分に、申立人らの「不動禅少林寺流拳法」を表す標章として用いられており(甲第5号証の1ないし同13)、さらに、昭和45年7月19日から平成8年11月24日の間に行われた選手権大会の「大会ポスター」の写しの部分に、申立人らの「不動禅少林寺流拳法」を表す標章として用いられていることが認められる(甲第6号証の1ないし同9)。
そうとすると、「卍」マークは、申立人らが「少林寺流拳法の教授」について使用する「不動禅少林寺流拳法」を表す標章として、本件商標の登録出願時(平成19年10月2日)前はもとより、現在においても、「技芸、スポーツ又は知識の教授」の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
2 本件商標と「卍」マークとの類否
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成中、独立して自他役務識別標識としての機能を果たすと認められる、中央部に大きく表示された図形部分は、別掲(2)に表示されている引用商標である「卍」マークと同一であるところから、本件商標は、引用商標と外観上類似するものである。
そして、本件商標の指定役務「技芸,スポーツ又は知識の教授」は、引用商標の使用役務である「少林寺流拳法の教授」を包含している同一又は類似の役務である。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、申立人らの「不動禅少林寺流拳法」を表す標章であって、同人らの業務に係る役務「少林寺流拳法の教授」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
第5 商標権者の意見
商標権者は、上記第4の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。
第6 当審の判断
本件商標についてした上記第4の取消理由は、妥当であって、本件登録は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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