Trademark Appeal Case
「ヤマサ」の要部抽出と類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900375(T2009−900375/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5244377号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に記載のとおりの構成よりなり、平成19年6月25日に出願された商願2007−65902に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同20年8月5日に登録出願され、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同21年6月15日に登録査定、同年7月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標
(ア)登録第2598495号商標(以下「引用商標1」という。)
「ヤマサ」の片仮名文字を書してなり、平成3年4月26日に登録出願され、同5年11月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものであり、指定商品の書換後の指定商品は、別掲(2)に記載のとおりである。
(イ)登録第5091948号商標(以下「引用商標2」という。)
「ヤマサ」の片仮名文字と「YAMASA」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成19年3月30日に登録出願され、同年11月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものであり、指定商品は、別掲(3)に記載のとおりである。
以下、引用商標1及び2をまとめていう場合は「引用商標」という。 イ 本件商標は、引用商標と類似し、本件商標の指定役務は引用商標の指定商品と類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、1645年創業以来、醤油を始めとする各種調味料・食品メーカーとして発展し、また、食品だけではなく、醤油粕を利用した肥料や飼料の販売を行うと共に微生物研究の技術を生かし、核酸関連事業にも参入し、1970年に医薬品製造業、1974年には医薬品販売業の免許を取得し、医薬品、医薬品原料、研究用試薬、体外診断薬の分野においても着実に実績を上げ、美術館及び美術館に併設のカフェを経営するなど、多角的に業務を行っている。
そして、申立人の出所を表す商標として「ヤマサ」(以下「申立人商標」という。)を採用し、申立人商標は、申立人の業務に係る商標として我が国においてあまねく認知され、周知著名商標となるに至っている。このことは、「ヤマサ」の文字を書してなり、昭和50年5月1日に登録出願され、第31類「 調味料(但しみそを除く)香辛料、乳製品」を指定商品として、昭和53年5月15日に設定登録された登録第1334878号商標が、全商品及び役務の区分において防護標章の登録がされている等の事実によっても裏付けられる。
したがって、申立人の周知著名商標と類似する本件商標がその指定役務に使用された場合には、一般世人には、これらの役務が申立人の業務に係る役務又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関連を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、その役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、仮に同号に該当しないとしても同第15号に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は、その指定役務中、結論掲記の役務については、その登録を取り消されるべきである。
3 当審において通知した取消理由(要旨)
(1)本件商標と引用商標とが類似することについて
本件商標は、「ヤマサショップ」の文字よりなるところ、「ヤマサ」は、「ヤマサ」と呼ばれる、記号と文字を組み合わせたいわゆる暖簾記号(屋号)(以下「ヤマサ屋号」という。)の読みを片仮名文字で表したものであり、「ショップ」は、「商店、店舗」を意味する語として、一般に広く使用されているものである。
そうとすると、本件商標構成中の「ショップ」の文字部分は、「商店、店舗」であることを理解させるにすぎず、本件商標において自他役務の識別標識としての機能を有する部分は「ヤマサ」の文字部分にあると認められる。
してみれば、本件商標は、その構成中の「ヤマサ」の文字部分より、「ヤマサ」の称呼及び「ヤマサ屋号」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、前記2のとおり、「ヤマサ」の文字、若しくは「ヤマサ」と「YAMASA」の各文字よりなるものであるから、「ヤマサ」の称呼及び「ヤマサ屋号」の観念を生ずる。
そうとすると、本件商標と引用商標とは、「ヤマサ」の称呼及び「ヤマサ屋号」の観念を共通にするものであるから、外観上の差異を考慮したとしても相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(2)本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とが類似することについて 本件商標の指定役務は、商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であり、いわゆる小売等役務に関する役務であるが、このような小売等役務は、そこで取り扱われる商品とは、需要者、役務の提供場所(商品の販売場所)を共通にするから、小売等役務において取り扱われる商品の商標と同一又は類似の商標が当該小売等役務に使用されるときは、当該商品と役務とが同一の営業主によるものと誤認され、商品及び役務の出所の混同を生じさせるおそれがあるというべきであり、当該商標は、商標法第4条第1項第11号該当の要件である「登録商標に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務に使用するもの」に該当するものといえる。
そこで、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品についてみると、本件商標の指定役務中「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中の第16類「紙製幼児用おしめ」、第21類「家事用手袋」及び第25類「アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」と類似する。
同じく「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中の第20類「うちわ,せんす」及び引用商標2の指定商品中の第20類「うちわ,せんす」と類似する。
同じく「手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中の第6類「かな床,はちの巣,金属製金具」、第8類「手動利器,手動工具」、第20類「カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。)」及び第21類「魚ぐし」と類似する。
同じく「台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中の第8類「エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク」、第11類「ガス湯沸かし器,調理台,バーベキューグリル,流し台,加熱器,アイスボックス,氷冷蔵庫」、第14類「貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ」、第16類「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」、第20類「ストロー,盆(金属製のものを除く。)」、第21類「しょうゆ差し(貴金属製のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,携帯用アイスボックス,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),米びつ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,食品保存用ガラス瓶,水筒,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,魔法瓶,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具」、第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン」及び引用商標2の指定商品中の第8類「エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器,スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク」、第16類「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」、第20類「ストロー」、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,泡立て器,こし器,しょうゆさし,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具」、第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん」と類似する。
同じく「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品中、第16類「紙類」と類似する。
(3)してみれば、本件商標は、その指定役務中、結論掲記の役務について商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 商標権者の意見
本件商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標についてした上記3の取消理由は妥当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、その余の登録異議の申立ての理由について判断するまでもなく、本件商標の指定役務中、結論掲記の役務についての登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する
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